何処からやってきたのか
「はぁ……主じゃないけど、面倒臭いわね。誰にも話すなとは【犠牲】に言われてないし」
【殺戮】も俺に負けず劣らず、面倒臭がりだ。興味がある事には没頭するが、それ以外は……
【犠牲】の頼み事に関して、黙ってる事で面倒になるのが嫌になってきたのかもしれない。
「まずは救助者に関してだけど、私が【廃坑】に入った時点で人数は四人。今いるメンバーだけなのよ。死んだのか、【廃坑】から出たのかのどちらかね」
コング兄弟達は人数制限に含まれていない。
【殺戮】が【廃坑】に入ったのが、夜になってからであれば、人数が二人減った事になる。
俺達が【廃坑】を進んでいる間に、ゴブリンやドンドンに殺された……というのはおかしい。
二人の死体は発見されてなく、ドンドンが移動を開始した時点で、俺達は気付くはず。
ゴブリンも逃げるのを優先して、救助者を無視したと思う。
虫型の同化体になっていたとしても、まだ発見出来ていないが、その場合は人数に含まれないのは、コング兄弟で判明した。
逃げるにしても、隠れながら【廃坑】の出口まで行けるのか。
近道に二人は隠れていなかった。本来の道にいたとしても、途中でドンドンに殺されていると思う。
分岐点で行き止まりの場所で隠れていたしても、人数が減ってるのはおかしい。
「……そういえば、ミザリーは何処から来たんだ? 【廃坑】の入口からだとありえない場所からの登場だったからな」
【殺戮】が俺達を助けに入ったのは深層部から。上から来たわけじゃない。
とはいえ、彼女が俺に嘘を吐く事なんて……
【履歴】で【殺戮】の行動を……見るのはメンバーとして信用してない事になる。
それに【履歴】は一度使用しただけではな、自分の物になっていない。
「そんなの別の出入り口があったからに決まってるでしょ。相手はそこから逃げたと思うわ。今から行く場所もそこよ」
【廃坑】の出入り口がもう一つ。深層に繋がっているのなら、誰かが作った事になる。
深層が出来たのも【殺戮】が前回探索した後。彼女が作れるわけがない。
【殺戮】を先頭にして、俺達もその場所に向かう。
人数制限は間違う事はなく、探索を続行する必要がなくなった。【黒猫】が見た謎の工房も気になるが、それはそれ。
別の出入り口も気になるし、ネスティスを治療するため、街に戻る必要がある。
馬車が来るまで、体を休ませるのも異界から離れた方がいいのもある。
「どうして、そんな出入り口を見つけられたわけ? 普通は探さないわよ」
「……答えてやってくれ」
【殺戮】も【黒猫】の質問を面倒臭がって、答えない。疑ってるのは丸わかりだから、仕方ないのもあるんだが……




