実力
「……ふははは!! 思わず、後退ってしまったが、魔法使いのお前が一対一で勝負するだと? ソイツが【道化師】だったのは驚きだが、他のメンバーもいない。近距離戦で格闘家が負けるわけないだろ!!」
ドンドンは【殺戮】が単独で相手になる事に対して、笑っている。
魔法使いは近距離戦が不利。魔法を使用する際、詠唱が必要で、それを一文字でも間違えると失敗する。
攻撃を回避しながらの詠唱は難しい。更に防御力があるわけでもない。それは【殺戮】も同じだ。
「話せる知能はあるけど、実力差が全然分かってないわね。魔法使いが近接職に守られてばかりの存在なんて、古い考えよ。貴方ぐらいなら、一つの魔法だけで十分」
【殺戮】もドンドンを煽る。
ドンドンが最後の叫びに【咆哮】の効果が乗っていたが、【殺戮】はものともしない。
俺みたいに耐性装備を大量に身に着けてるわけじゃない。
つまり、【殺戮】はネスティスや【黒猫】よりも上であり、ドンドンと同等以上になる。
「馬鹿も休み休み言え!! のろまな魔法使いが私の攻撃を避けれるはずがないだろ。まして、一つの魔法で私を倒すなどと」
ドンドンは【真空三段突き】を【殺戮】に放った。
【咆哮】直後、すぐにスキルを発動。その連携は慣れてる事が分かる。
【黒猫】が回避出来たのは、ネスティス狙いなのを【修正】して、一発目でスキルの詳細が分かったからだ。それに彼女のスピード。回避能力もある。
【殺戮】にはそれがない。スピードに関しては、俺と然程差はない。差はないけど、上なのはミザリーの方だ。
ドン!! ドン!! ドン!!
ドンドンが放った【真空三段突き】は【殺戮】に当たる直前に大きな音と共に消滅した。
「避ける必要はないわ。それで……これが本気なの? これでよく私をのろまと呼んだものね」
「何をした!! 先にスキルを発動されたのは私の方だぞ。魔法もそこまで早く使えるわけがない。まして、【真空三段突き】に対抗出来る威力を三連続で」
ドンドンにしてみれば、悪夢を見ているようだろう。ネスティスが放った【修正】された【剣刃】とは違う。
【真空三段突き】の威力が全て同じだとして、それを全部潰した。威力が低下していくわけじゃなかった。
【真空三段突き】と同じように昇華された魔法。だとしても、ドンドンからすれば、詠唱していた様子がなかったように見えたはず。
「対抗出来る? そんな威力で良く言うわね。修練が足りないのよ。私が使ったのは魔法使いにとっての基本の魔法だから」




