弱点
「馬鹿か……ちゃんと見ろ!! 二度ある事は三度あるんだぞ」
弟は二回の攻撃で終わりだと安堵していたが、三つ目の刃が襲い掛かる。
三回振るだけでなく、出力の違いでタイミングがずらされる。
【剣刃】が【直進】なのは変わらないが、振る位置で角度は変更可能。
最初の戦闘で、上下左右のどちらに移動回数が多いのかを見て、彼女は【剣刃】を放っていた。
「おおっ!!」
弟は両腕を十字にして、防御を選択。繋がっている体では回避にも限界がある。
ドンドンも予想外の攻撃に助ける事も出来ない。
「ふはっ!! 俺達を驚かせたが、三連続も続ければ、威力は弱まるのは必然。やはり、筋肉は万能。矛にも盾にもなる……」
ネスティスの放った【剣刃】、三の刃の威力とスピードは二十%。弟の腕に傷をつけるだけで消滅してしまった。
ただ……ネスティスも三連続の刃の威力が弱くなるのは承知済。
一撃、二撃も回避されるのも、弟の動きを見れば判断出来る。
回避され、防御時はかすり傷程度の攻撃に終わる【剣刃】に俺は【修正】したのか。
【剣刃】の三連撃が全て囮に過ぎないからだ。
威力を落とすというよりも、【剣刃】のスピードを下げるのが目的だった。
ネスティスの俺の意図を読み取ってくれたようだ。
「デンデン!! 上だ。【剣刃】に注目され、自身の動きを見えなくさせたのが狙いだった」
ドンドンはネスティスが移動している事に気付いた。
彼女は【剣刃】は放った後、すぐに次の行動に移していた。スキルを放った直後の硬直したとしても、【剣刃】の遅さにデンデンが合わせた事が時間を作った原因。
「ちっ!! 片腕を上に上げて、筋肉を締めろ!! それを犠牲に振り払えば良い。それさえすれば、奴の体勢が崩れる。その時に決めればいい。腕は時間と共に再生する」
ドンドンはデンデンに指示を出した。
デンデンが一度防御動作に入った事で、回避行動に出るのが遅れた。反撃するにも、一度は攻撃を受ける必要がある。
ネスティスの空中からの刀による振り下ろしを防御するには、片腕を盾にするしかない。
筋肉で刀を少しでも止める事が出来れば、振り払う事は可能。それを崩した後にカウンターを入れる。
それがドンドンが描いたデンデンの動きだ。
「残念。変に体が再生したから、見誤る事になるんだよ」
ネスティスは最初からデンデンを狙っていなかった。
なんせ、彼自身を倒す必要がない。攻撃に成功したところで、ドンドンが回復させると、本人が口に出しているぐらいだ。
彼等には致命的な弱点がある。
ドンドンも弟達の上半身が復活した事で、そこを狙うと勘違いしていたわけだ。




