【修正】
「体の一部を重なり合わせて、回復したんだ。一部分が消えたと同じだから、無意味だったわけじゃないが……」
百足型は着地直後に体を短くする代わりに、ドンドンとの同化を復活された。
それを確認した後、俺はドンドンだけでなく、【黒猫】とネスティスからも距離を取った。
俺は相手を視認出来れば、スキルを使用出来る。戦闘に巻き込まれないように、次のスキルを使うための逃げの一手。
とはいえ、今も【開眼】を使い続け、ペンと消しゴムを手にしたままだ。
「っ……弱点となる百足の顔は体を自由に移動している。ドンドンと百足の意識が二つあり、攻撃は二回仕掛けてくるぞ」
俺は逃げながらも、ドンドン達相手に【開眼】で見続ける。
【開眼】は異形にも有効で、動きを文章で読み取る事が出来る。
ただし、【開眼】をマスターした事でAPを消費しなくなっても、多くの情報を読み取る事で、脳と目に負担が掛かる。
見るだけなら、耐えれる程の痛みで済むんだが……
ドンドンは攻撃を仕掛けてきた相手、ネスティスを認識。それだけでなく、百足の顔も腹部の真ん中に移動し、彼女に狙いを定めた。
「お前達はアイツ等の仲間だな!! 俺達を騙しただけでなく、殺そうとするとはな。許すわけにはいかんぞ!!」
ドンドンがアイツ等と言うのなら、相手は依頼者のハンター二人しかいない。その二人がドンドン達を罠に嵌めたのか。
俺達をアイツ等の仲間と誤認している。俺と【黒猫】は怪しい姿をしているなのもあるが、まともな考えが出来なくなっているんだろう。
「【黒猫】!!」
「分かってるわよ!!」
【黒猫】には事前に指示をしていた。
勿論、彼女も半信半疑だっただろうが、スキルを【修正】した事で、全面的に信じてくれるようだ。
「何の攻撃が来るのかぐらいは教えなさいよ」
「くっ……それは一度目にするしかない。何とか避けてくれ。両方ともそっちに行くからな」
ドンドンは【ネスティス】に【✕✕✕】を打つ。
百足は【ネスティス】に【✕✕✕】を吐く。
これが【開眼】で見た、奴等の行動。その直前の思考だ。
それを【修正】で強制的に【ネスティス】を【黒猫】に書き換える。
攻撃を止める事は不可能だが、一部を書き直して、相手の行動を変化させる事が可能。
ゴブリンがネスティスじゃなく、俺に狙いを変えたのは、標的を俺に【修正】したからだ。
ただし、相手が相手なだけに反動が来る。目と鼻から血が流れ始めた。
それをポーションを飲んで、無理矢理引っ込める。怪我ではなく、体の負担という事で傷薬よりもポーションだ。
「俺に見えたのはドンドンが【打つ】で、百足が【撒き散らす】だ」




