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「……卵なのか? それも割れているばかりで……それも……コアに繋がれているのか?」


 壁には無数の緑色の丸型の生物……卵のような物が引っ付いていた。


 その卵には蔦のような管が取り付けられ、全てが人程の大きさのあるコアに巻きつけられているのが分かる。


 コアを修復するため、その卵がそのエネルギーとなっているわけじゃない。


 逆だ。生物のような卵からエネルギーを奪うのなら、それが萎れるような姿になるはず。


 割れるというのは、それに衝撃を与えるか。若しくは、そこから異形が生まれるかだ。


 コアキーパーの攻撃による破壊であれば、卵の原型を留めていないはず。それが分かる状態であるのは、異形が誕生した可能性が高い。


 異界が修復のために異形を吸収するのではなく、逆に吸い取られている。


 異界は異形を生み出すが、明らかにおかしい。


 コアが破壊されているのなら、逆になるはずだ。


「これは……【黒猫】がコアを破壊したのか?」


 俺は急いで最下層まで降りきった。高さは二十メートルはあったかもしれない。


 卵が壁に張り付いていたのは十メートル辺りからか。全体には広がってなく、コア付近だけ。


「違うわね。私の攻撃だと通じてなかったら」


【黒猫】は台座の破壊され、割れた状態のコアにナイフを投じたが、それは傷一つ付けられずに跳ね返されている。


 遠距離と近距離、両方から試したんだと思う。


 彼女がこの場を動かなかったのは、これを見た衝撃と、壊れているコアに攻撃を試みたからだろう。


「異界がそうしたわけじゃないわ。何者かの手によるものよ」


【黒猫】をそれを断定する。異形同士の同化体だけでなく、ハンターとコアキーパーに組み込まれた姿を見たせいでもある。


「ここから別の道もあって、一つは調べる事が出来た。そこに何者かがいた形跡があったわ。それも職人達や魔法使い達の部屋みたいな感じでね」


【黒猫】は俺に紙片を渡してきた。そこには見た事もない文字が記されている。


「それも大半が壊されていたけどね。残されてた物の一部がそれよ」


「この文字は俺も知らないな。異界の文字の可能性もあるのか」


 俺は【黒猫】にその紙片を返した。それを所長に渡すつもりだろう。鑑定する必要があるからだ。


 未知の文字なら、異界人の存在がいてもおかしくなくなる。


「ここに誰かがいたんだとしたら、こんな近くにいるのに、コアキーパーは何もしなかったのはおかしくないですか?」


「コアキーパーを倒すだけの力を持っていた奴なんでしょ。コアキーパー自体も同化に使われているんだから」


【黒猫】はネスティスにそう答えるが、おかしな部分がある。

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