追尾機能
「それを考えるのは後だな。俺もコアキーパーが戻ってくるまでに、【黒猫】達に追いつかないと」
俺はハンターの証である、銀の箱の機能を使用する。これに関しては【無法者】メンバーだけが知っている事だ。
追尾機能。異界内で自身の証に映された物を記録して、MAPでどの位置にいるのかを把握する。
【黒猫】達盗賊の【気配感知】に似た機能とも言える。常にMAPを見る必要があり、対象者は今のところ二人のみ。それは人であっても、異形でも問題ない。
ただし、一度セットすれば、異界を出るまで変更出来ない。出る事でリセットされ、銀の箱はもう一度見直す必要が出てくる。
俺が設定したのは【黒猫】とコアキーパー。
【黒猫】が一番にコアがある場所へ到着するはずで、MAPで位置を確認出来る。
コアキーパーに関しては、何時踵を返すのか。前回は分岐点までだったが、今回は【廃坑】の入口まで行くのか。
それを把握する事で、隠れる場所やネスティス達に接近するのを伝える事が可能になる。
コアキーパーが異界の外に出た事はない。が、ネスティスが異界を感じ取った場所までになると、そのまま移動してもおかしくはない。
だとすれば、周辺の街が危険に陥ってしまう。
「まだ分岐点に到着してないか。ゆっくり過ぎるのは餌を食べてるのか……いや、違うな」
弟達を探しているからか。餌になるのも同化体の死体だけだ。
【黒猫】も近道を進んでいる事もあって、コアがあった場所まで残り僅か。
地盤沈下しているのなら、簡単に進めるのかどうか。
MAPは自身が行った事があるところまでしか分からない。ただし、追尾機能は継続。
彼女とコアキーパーがいる場所を示す光はMAPに灯ったまま。何もない場所に光り、位置を示してくれる。
「MAP外になった。やっぱり、下に降りてるのか」
【黒猫】を示す光はある箇所で留まり、細かな動きを見せるだけだ。その動きは下に移動している。
階層が違っても、光はそのまま。【城】等の建物系は、居場所を勘違いする時もあるのが難点。そこも進化がさせる必要がある。
「もしくは、異形と応戦してるのか? ……そうじゃない」
近道を通ったとしても、最後は本来の道と合流する。そこはコアキーパーが、ドンドンが移動している。
ドンドンはあの姿になっても異形を、同化体を倒している。弟達探しの邪魔になるためだ。
そう思うのは、【黒猫】とネスティスが俺と別行動になって、最初に見つけた死体。
それも血の量、色の違いからして、同化体だと思われるが、一撃で粉砕された状態だったらしい。
時間を考えれば、ドンドンがコアキーパーと同化した後。威力的にもその方が納得出来る。




