叫び
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「【道化師】は無理しなくていいから。コアキーパーの速さ次第で変更するし」
「分かった。二人も途中まで【ライト】が使えないんだから、気をつけろよ」
「はい!! 私の思いつきに賛同してくれたので、頑張ります!! 絶対に成功させますから」
俺と【黒猫】、ネスティスの三人は近道に身を潜めている。
【黒猫】の【ライト】もなく、俺が調整した小型ランタンの淡い光、本来の通路が僅かに見えるぐらいの明かりしかない。【黒猫】もそこは効果が切れる寸前だと思ってるので、使うのは問題なし。
コアキーパーに俺達が隠れている事がバレないためでもあり、相手の姿を見るため。
そして、そこからネスティスが考えた案を実行する。
その案はコアキーパーを倒すためじゃない。
コアキーパーが移動するのであれば、相手が守るべくコアがガラ空きになるという事。
そこを【黒猫】とネスティスが狙い撃つ。当然、コアキーパーと移動速度の勝負になり、俺は足手まといになる。
コアキーパーの目が届く範囲、ある程度の距離までは暗闇状態の移動になり、俺は置いていかれる形になるのだが、コア破壊を優先させるのだから間違ってない。
それが出来れば、憂いがなくなり、救助者探しが出来る。進化も止まるので、コアキーパーを無理に倒さなくても、後日で良くなるわけだ。
「コアが攻撃された事で、コアキーパーも気付くかもしれないが、無理はしない程度に少しでも時間稼ぎはしておく」
近道から道具を投げて、気を向けさせる。無理に入ってこようとしたら、反対側から逃げるから。
「それだったら、大声で叫ぶのもありね。私達も気付けるし」
「分かった。場所が下に移動している可能性が高い。コアキーパー以外の異形……何者かがいる事も想定しておいた方がいいからな」
コアの場所は地盤沈下により、下に移動している可能性が高い。
新たな異形が発生。それがあの虫型なら問題なさそうだが、ゴブリンと虫型を同化された何者かが隠れていてもおかしくはない。
「そこは私の【気配感知】があるから。あんな事が出来る奴がいるなんて、思いたくないけど」
【黒猫】も俺の考えを信じて、警戒はしてくれるようだ。銀の箱に死体の回収も出来ている事もある。
「…………だ!!」
「えっ……何ですか?」
地響きの音と誰かの声が重なり、聴こえてくる。
「どういう事だ。このタイミングは流石におかしいぞ」
この声が救助者の場合、行動に移るべきじゃない。
コアキーパーが動き出してから、逃げるのは自殺行為だ。声を発せば、居場所を教えているようなものだ。
「コアキーパーが救助者を見つけて、動き出した……というのはどうですか?」
ネスティスが言うように、そっちの可能性もある。俺達が来た事に気付いて、こちらに向かおうとしたのかもしれない。
だが、声を発しているのは一人だけ。生存者は二人いたはずだ。




