余計な一言
「【無法者】メンバーに……本部に知られるよりかはマシね。何か情報を得られたら、私に……ジェフにも教えるなら構わないわ」
「私も【道化師】様達【無法者】を信じているから、教える事は全然アリです」
【黒猫】とネスティスも【無法者】に教える事に同意してくれた。【黒猫】は条件を付けたわけだが……
「お前は所長には伝えるんだろ?」
【黒猫】は本部に伝えなくても、所長には言うはずだ。ジェフなら信用出来るのは確かだ。
「私達は所長に頼まれたわけだから。ジェフなら、本部から情報を奪えるかもしれないし。それを貴方にもきちんと教えるわよ。私達だけが得をする事はしないから」
本部もネスティスからの映像を見るはず。本部がそこから何を得るのかを、所長が【盗み聞き】で情報を手に入れられるか。
「それが出来たら、異界マニアとしては嬉しい……」
余計な事を言ってしまった!! 異界マニアなのは間違いないが、それは【道化師】じゃなく、レイニーも同じ。同一人物だとネスティスに思われないか。
「私にその情報は必要ないです。【道化師】様が手に入れたら、それに従うだけだから」
ネスティスは『異界マニア』という言葉を気にしてないようで、今もなお【無法者】メンバーになる事を考えているようだ。
「貴女も諦めてないわけね。……そう言うネスティスには悪いと思うし、【道化師】に失礼な事を聞くわ」
【黒猫】はひと呼吸置いて、俺に尋ねてくる。ネスティスの話題から繋がるとすれば、【無法者】関連になるだろう。
「……異形同士を同化させたのは【殺戮】じゃないわよね?」
前回、【廃坑】のコアを破壊したのは【殺戮】だからな。ゴブリンも虐殺して、所々を破壊している。
隠れて、秘密の実験を行ってもおかしくない性格ではある。
「安心しろ。それはない。理由もいくつかあるぞ」
【殺戮】ではない理由。ある意味、ハンターであるなら誰もがそうなる。
「ハンターは異界に入れば、銀の箱が自動的に起動する。それを止める事は出来ず、協会は映像を見る事が出来る。映像を流さないのは協会がする事で、俺達は出来ないはずだぞ」
銀の箱はハンター達の監視の目でもある。協会はハンター全ての映像を手に入れているはず。
本部がその映像を止める理由はない。なんせ、【無法者】を毛嫌いしているからだ。
ハンターが映像を止める事は、ハンターとしての資格を失う可能性がある。銀の箱、証を進化させれば……それは試してない。
俺の知る限り、【無法者】の証の進化はそこまでじゃないはずだ。
「確かにそうね。けど、貴方達なら何とか出来そうな気がするし」
「それは無理だ。他のハンターに偽造映像だと言われてるが、違うのは【黒猫】も知ってるだろ?」
【無法者】の異界探索映像が偽造だと他ハンターに疑われている事もあるからな。実際、そんな事はしてない。




