想い出の金魚鉢
不可避な生命の終点
望んで生まれた訳じゃない
滞ること無く流れる血液
その末端にある心臓の 僕という存在の
行き先は不明 告げられることも無く終焉
堕天使が舞い降りた 不確かな未明
真夜中は忽然と張り裂けた 君からの
明日への光を放って 画像に残る
暗闇が落ちる 約束の指輪が崩れ落ちる
今でも待っていた 引き返せない岬
今でも見つめては 波に沈む夕日が眩しい
黒く沈むほどに 時は永遠より生まれて 星を生む
望めば望むほど 膨らむ宇宙を
誰かのせいにした 自分のせいなのに
此処に居る理由が 誰もが 千切れそう
ただ破けない様に祈る 金魚掬いみたいな
まるで浴衣祭り 何処かの夏の夜
髪を結った 浴衣と指先が ひらり
蚊取り線香の匂い
あぁ その先にある時間が ひらり
夜の明かり 発電機の音 金魚が跳ねる 紙の上
薄く 薄く 破れかけの 消え入る灯り
選べない人生 例えてしまう一瞬 オレンジ色に
君になら 良いかもって
真っ直ぐに追いかけた視線 打ち上げ花火の音
開いて消える もとの現実
百花繚乱 次々と上がる 夜空に朝顔
振り返っては見上げた 君の笑顔
これからが変えられないほどに
変えられて行く
君との帰り道 打ち上げ花火の後の
静けさよりも笑い合った エターナル なんて想えるくらい
リアルで 潰されそうなほど 高鳴るって言うか 心臓が
染まる夜空は さっき見た花火の光
消えないで
運命とか 知らないで 瞼に焼き付けようとした
ただ駆け抜けた 心の声
呟いて見てた 君の声
浴衣のうなじ フランクフルト 赤いケチャップ
リンゴ飴 青色の舌先 君は真っ赤にして笑う
期待してたよな 口づけ そんなじゃなくても
かじり合ったリンゴ 食べ合うみたいな
闇に紛れた駐車場の これから帰る先の
ハンドル握る ギア入れて 何処かへこのまま行こうかって
予兆してたシグナルにブレーキ
青信号はずっと先まで灯る
境界線の無い果てに触れたくて
曖昧な感情は嘘よりも明確に分かっていた本心
エックスが並ぶストライクゾーンに開いて
いや もちろん真夜中に行ったボーリング場の話
君がスプリットした後 代わりにスペア取れた奇跡
星が並ぶ スクリーン上の 今だけじゃない瞬間
君と居た今って 0時超えてる 深夜
グラつく本心に未来とか天秤かけてた 今さら
充分さ 彼女のことは知ってる
流れ始めた雨は金曜日だって 台風は未曾有
誰かを攫うんだろう よした方が良いのに 何故?
這い上がって突如として現れる 黒い霧の靄さえ 防犯カメラの
映し出される君に罪は無くとも
君に渦巻いた曇天 この世ならざる不安定さ 心の精神衛生
闇に潜む不浄の掟
誰も見ることのない 映し出された本懐
その姿を