学生時代から
「大人になると友達を作るのが難しい」
確かにそうだと思う。よく言われることだけど、なぜ大人になると難しいのだろうか?
いや、子供時代から友達作りなんて、簡単じゃなかったよね。
なんとなく、仲良い感じで振る舞っていたけど、実際のところはその子のことはよく知らないし、
知ろうとも思わなかった。
社会人五年目のあゆみは、ふと最近の結婚式の招待状とともに、複雑な心境を噛み締めるのだ。
「この子と仲良かったんだ、私。。。」自分が結婚式に呼ばれることにびっくりする。
そして、結婚式当日の光景を想像する。
数合わせ、同じサークルの繋がり、知り合い程度なのにあたかも仲良い雰囲気で参列している自分に嫌気がさす。
「一体どれだけの人が心からお祝いをしているんだろうな。」
「ここはお金をかけなかったんだな」
「結婚する基準って、なんだったんだろう」
心の中で考えていることが、あまりにも現実的で、嫌気がさす。
あゆみ自身の結婚観はというと、至って普通である。彼氏もいるし、ゆくゆくは結婚も視野に入れている。
が、しかし、
結婚に興味が持てないのだ。
「子供が欲しいってなんで思うの?」
大学時代から、あゆみは子供が欲しいなんて思ったことはない。そうなると、結婚も特段必要性を感じない。
ただ、結婚式は、見栄を張って、インスタに載せられるくらい豪華にしたいなんて思ったりする自分の矛盾や、今までの友達の結婚式より盛大に美しい自分を表現したいなんて、ちゃっかり思っている。。。
そのために、貯金はしっかりしているから、やっぱり結婚式が好きだし、やりたいのかもしれない。
あゆみの幸せの基準はブレブレなのだ。