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 寝つきが悪く深夜までおきていたこともあり、昼前に起き出して遅い朝食を取った。クリスティーヌはとっくに朝食を済ませて部屋で歌の個人練習をしているそう。


「最近よく習い事に励んでいるな」


 お父さまと朝食を取った。昼も近いというのに、待っていてくれたようだった。


「はい。私も機会があれば聖女になりたいので」


 しまった。まだ半分夢の中にいるみたいで素直に答えちゃったわ。


「お父さま。気を悪くしないで下さい。私、クリスティーヌの聖女の座を狙ってるわけじゃないんです。法律で聖女は複数人いても問題ないはずなので。クリスティーヌ以外に聖女を名乗る貴族の女性が現れるかもしれないのなら、私がと思って」


 お父さまは、あっけに取られている。そこまで考えたことがなかったのだろうか。


「お、お前とクリスティーヌが。姉妹で聖女に?」


 お父さまがもう食事を残すという意味で、フォークとナイフをそろえて置く。


「ごめんなさい! 私にはまだ早かったですよね」


 お父さまの口癖の「お前にはまだ早い」が飛んでくる前にこちらから謝った。


「なれるものなら、やってみなさい。私はクリスティーヌという奇跡に一度出会っている。二度も奇跡が起こるものか分からないが」


 お父さまが許してくれた! でもクリスティーヌの奇跡って何? お母さまとクリスティーヌがそっくりってこと? 散々聞かされてきたけど、奇跡と呼ぶほどに似ているの?


「お嬢さま、お二方のご来客があります。お嬢さまは朝食中だとお伝えして、応接室でお待ちいただいております」


 侍女コラリーの報告を受けて、私もさっさと食事を済ませた。


「お父さまのお客さまじゃなくって?」


「はい、アミシアお嬢さまにお礼を言いたいと」


「二人とも?」


「はい。一人はパン工房の職長です。この間のチャリティーのパンを頼んだときの職長です」


「待って。二人いっしょにお話しはできないから。とりあえずドレスに着替えるの。急いで手伝って」


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