黒巫女召喚士と暴食之悪魔 ⑱
「我に力を!」
剣士骸骨さんが叫び剣を掲げる。
そして師匠のお父さんが魔法を唱えて使う。
「【融合魔法】【融合白金骸骨剣士】!」
「ぬおおお!」
剣士骸骨さんにスケルトンナイト達が集まり1つの形に成って行く。
大きさは変わらないが、骨が白色からプラチナ色に成り輝き出す。
剣もプラチナ仕様となり少し長く成っている。
そしてベルゼブブに高速で接近して剣を振るう。
ベルゼブブは薙ぎ払うように剣を振るい白金の剣を弾く。
剣士骸骨さんはバランスを崩す事無く構え直し振り下ろす。
ベルゼブブを斜めに一閃させる。
『やっぱりあんまりダメージは無いな』
そうだね。やっぱり弱点である心臓を狙わないと、行くよ!
『おう!』
私はベルゼブブに接近して腹に向かって鎌を横薙ぎに一閃させる。
それだけでは何の役にも立たない。
剣士骸骨さんが右下斜めから剣を振り上げて、私は鎌を構え直して横薙ぎに再び振るう。
ベルゼブブは苦悶の様子を見せる事無くレーヴァテインを振るう。
私は鎌を軌道に合わせて構えて防ぐが、吹き飛ばされる。
多少のダメージもあったようだ。
『おかしい。あれ程の威力で放たれてダメージがあったならもう少し大きめのダメージを受けていた』
⋯⋯もしかしてイサちゃんのコレかな?
イサちゃんを中心に広がる黒紫の光が地面に円状となって現れている。
イサちゃんのHPを見ると少し減っている事が分かる。
『ダメージの一部を肩代わり、肩代わりする際に自分のVIT補正が出て来るような効果かな?』
かもね。イサちゃんのお陰で大事には成らなかった。
剣士骸骨さんの盾もプラチナ仕様と成っており、ベルゼブブのレーヴァテインを受け流したり防いで居る。
白金骨と成った事で全体的なステータスも上昇しているようでステータスが上がったベルゼブブと対等に戦えている。
『いや、剣士骸骨の方が少し劣勢だ』
よく見るけど分からない。
私はこの間にMP回復ポーションを飲む。
巫女の舞に付いても見ておく。知っているのと知らないとでは雲泥の差だ。
『ベルゼブブの攻撃回数に比べて剣士骸骨の攻撃回数が少ないんだ。だから、ベルゼブブの方が優勢って事』
成程。MPが全回復したので、あのスキルを試す事にする。
召喚士は召喚獣と共に戦う職業である。
「マナちゃん!」
「ギャラー!」
マナちゃんが私に接近して、大きな翼で包み込むように私を覆う。
「私達の力を見せてやる!【絆結晶】!」
鎌を地面に置いて右手を掲げる。
マナちゃんが光り、右手の先に光の球体が出来る。
共に複数の色と成っており美しい光を溢れ出す。
見ているだけでも時間を忘れそうな、そんな神々しい景色。
光の球体はその形を徐々に変化させて大きな羽のような剣になる。いや、刀の方が近いもしれない。
それを右手で掴む。
現在1番望む形に絆の結晶が変わる。
説明には無いけど、何となく分かる。
このゲームはあまり詳しい事は書かないしチュートリアルは無いしソフトのパッケージも説明等だ。
説明書も無いし、ここら辺の事もプレイヤーが導き出して開拓しろとの事だろう。
剣を握り数回振るう。
マナちゃんは既に空高く飛んでいる。
かなりのMPを消費したが今のマナちゃんなら数秒で回復する。
『重さも、何もかも良きかな』
それは何より。
「じゃあ、行くよ!巫女の舞、第3節、【風神の暴君】」
体が勝手に動こうとする。
技系のスキルは初めて使った。【風断流大鎌術】はあくまで体の動きの補正とシステムに合った動きをすると技が発動する系だ。
他は妖術だけど、これは発動したらそれだけだ。
体が勝手に動こうとする感覚は何かと気味が悪い。
私は様々な色が混ざらないで複合された剣を持ち、地を蹴りベルゼブブに接近して乱暴に剣を振るう。
これは剣術等では無い。ただ、荒れ狂う知性も理性も無いただの舞である。
それ故に軌道が詠み難く防ぐ、躱すのが難しいのだ。
さらに、攻撃は1箇所に集中させるように気を使っている。
あわよくば心臓を剥き出しに出来たら良き、私が攻撃している間に剣士骸骨さんも攻撃出来る。
『邪魔くさい!』
ベルゼブブの怒りに応えるかのようにレーヴァテインが燃え上がり、ベルゼブブは炎が円に成るように振るう。
『【フレアソードサイクロン】』
私達は互いに跳躍してそれを躱し、剣を振り下ろす。
ベルゼブブはバックステップでそれを躱す。
「我々を強化せよ。【バーンアップ】【シュタルク】」
体が軽く成る感覚とはこの事を言うのだろう。
そして急激なステータスの変化は慣れて居ないと扱い難いと知っている。
だけど、元々人格で仮の体に思考能力等を入れたこの世界ではいくら変わろうがわたしの場合すぐに適応する。
故に、急激な変化にも何の問題も無く付いて行ける!
「【縮地】」
地面に足を着けて【縮地】を使用して瞬時にベルゼブブの背後を取る。
「巫女の舞、第2節、【水神の寸撃】」
鎌では出来ない攻撃。
右足を前に力強く無味締め重心を固定横薙ぎのようか振り方の構えを取り、力強く振るうが、本質は突きの攻撃。
心臓予測位置を的確に狙い一撃の重みで肉を断つ。
『ぐぬ』
ベルゼブブの苦悶の声、そして目に見えて減るHP。
そして、この事からベルゼブブの心臓はここにあると分かった。
「見つけたぞ3つ目の心臓!」
見つけたのは私達だけどね!
『もしかしたら数分後に骸骨達が心臓を見つけ出す仕様だったかもな』
お願い!そんなメタイ事を言われると凄く集中力が落ちる。
『すまん』
深呼吸してベルゼブブに向かって接近する。
ベルゼブブはレーヴァテインを振り下ろす。
私は複数の色の輝きを持つ剣を振るい受け流し判定にする。
横に軌道がズレたレーヴァテインは私の横を通過して地面を斬る。
衝撃波を飛ばして道を作るように地面を抉り、後半に成って行く程幅も広くなる。
ベルゼブブが剣を持ち上げる前に連撃を心臓の位置に放つ。
「ここは我が!【ホーリーソード】【アンチデヴィル】【剣聖】」
私達はバックステップで距離を取ると剣士骸骨さんの剣が神々しい金色の光を放ちベルゼブブの心臓位置に攻撃する。
横薙ぎに振るわれた剣がベルゼブブの肉を抉り宝玉の心臓を剥き出しにする。
『ああああ!』
ベルゼブブの絶叫を他所にベルゼブブの心臓に再度攻撃しようとする剣士骸骨さん。
「イサちゃん!」
マナちゃんよりも近いイサちゃんに頼む。
「ガル!」
剣士骸骨さんの前に盾が現れる。⋯⋯連れ戻して欲しいが、問題ないも。
剣士骸骨さんの斬撃は盾の内側に弾かれる。そして、剣士骸骨さんの胴体部分に放たれた魔法によって盾は粉砕された。魔法は相殺された。
「チッ、いつの間に」
剣士骸骨さんはバックステップで下がる。
「気を付けろ。いくらチャンスでもすぐに攻めるな。相手は最強格の悪魔だ」
「はい!」
剣を両手で構え直す剣士骸骨さん。
ベルゼブブ戦はまだ続く。




