黒巫女召喚士と暴食之悪魔 ⑮
球体をひらりと躱してバックステップで距離を取り迫り来る所をスライドして避ける。
キリがない。師匠のお父さんの魔法が完成するまでに持つのかも怪しい。
「モフリよコレを受け取れ!」
剣士骸骨さんから巻物を受け取る。
その巻物は私が触れた瞬間に輝き私に1つのスキルをくれる。
【巫女の舞】
私の体がその言葉に反応したかのように動こうとする。
その補正に合わせてわたしが少し調整して行う。
移動しながら舞を踊る。それに合わせて鎌も動いて行く。
舞を崩さないように攻撃しないといけないので辛い。
それでも舞を踊る度に鎌の刃が光輝く。
攻撃力が上昇している事を感じる。
舞を一通り終えるがすぐに再開する。
ひらりひらりと動き不思議な感覚なのだが、球体が私を避けるかのように避ける事が出来る。
だけじゃ無い。
不規則で攻撃の当たらなかった球体に攻撃が出来るようになったのだ。
何となく、分かる。
これは対ベルゼブブ用の黒巫女、或いは巫女の専用スキル。
師匠の為に作った可能性がある。
だけど。
『うん』
折角のスキルで程よく使い易いのに大鎌のせいで台無しだ。
刃の部分が曲線で刃が内側に向いているのが悪いけど、これは剣とかの方が使い易いだろう。
師匠って剣使えるのかな?
それでも確実にベルゼブブが生み出した球体を減らせている。
だが、減らす速度と生産速度が同じに成った程度なので何も変わらない。
「暴食之悪魔に天罰を!【魔法封印】」
次の瞬間にベルゼブブに金色の鎖が結び付き内部に入るように沈む。
そして球体が動かなくなり、ベルゼブブから遠い球体から順に破裂して行く。
『キキキキキキキキキ!』
「うるさ」
咄嗟に耳を塞いだ。
ベルゼブブは蚊のような口をしており、その口を掲げて叫ぶ。
悲鳴とも咆哮とも分からないただの奇声。
『この虫けらどもめ!死に損ないどもめ!どうして我の邪魔をする!邪魔をしなければ眷属にしてやってもいいぞ!』
「黙れ」
剣士骸骨さんがあっさりと切り捨てる。
「悪魔は眷属が多い程格が上と見なされ祝福を受けて力が増す事も、眷属から魔力を貰い受ける事も力を受け取る事も出来る事を知っている。特にお前なら尚更得意だろう?相手の力を奪うことなんざ」
そ、そんな設定が。
『何が問題だ?賢く、強いこの我の眷属に成れるのだぞ?光栄に思う所だろ!』
「傲慢過ぎるでしょ、その考え」
『黙れぇぇぇ!我をルシファー如きと一緒にするなぁ!』
「そのルシファーって悪魔?堕天使?なんて知らないけど」
うん、割と分からない。
このゲームではルシファーって悪魔なのかな?
少し気になるけど会いたいとも思わない。
『キキキキキキキキキキキキキキキキキキ!どいつもこいつも鬱陶しッ!』
『完全にイカれてんな』
そんな他人事な言い方しないの。
でも、どうして急にこんな狂っているんだろ?
『もうすぐHP4割切れるからそれで発生した言葉なんだろ』
そんな現在はいらないよ。
でも、確かに心臓位置の心臓の宝玉に大量のヒビが入っている。
もうすぐで割れるような気がする。
心臓が1つ壊れる度に1割削れるならHP1割削れたら心臓が1つ壊れるのだろう。
「ベルゼブブよ。貴様の魂輪廻で浄化される事を祈る」
『何を戯言をっ!我は負けんぞ!死に損ないと虫けら共にッ!』
『うっざ』
ベルゼブブと師匠達の関係も気になるけど、今の内に攻撃した方が良いかな?
なんかみんな止まって会話しているからなかなか動き出せないんだけど。
『そう言う時間なんだろ。気にしたら負けだ。見守っておこう』
性格変わった?てか、わたしって喋り方ちょくちょく変わってない?
『えーと分かりやすく糸で例えると、本来は凄く細かった糸が最近入れ替わる度に太くなり、そしてわたしの本来の性格も戻って来たって事よ』
成程。
師匠のお父さん達とベルゼブブが話している間に私も疑問をぶつけて見る。
『聖魔対戦で敗北し、封印された我らの恨みを我が晴らす!』
「え、いつからその話に!?」
聞いて居なくて全く話に付いて行けてないよ!
大変だよ!
『あ〜要約すると、過去にレジスタンス達含む人間側と悪魔等含む聖魔対戦と呼ばれる歴史の戦争があり、そこで猛威を振るった超越者達に魔軍はボロボロとなり、それでも尚超越者と同等に戦えていた7悪魔は封印されたそうだ。で、真逆の7天使は天界に戻って我々を見守ってくれているらしい。あ、屍食鬼なんでわたし達は魔軍に含まれるからわたし達を見守っているのは魔神かもね』
ありがとう。
聖魔対戦って師匠達に聞けば色々と分かるかもね。
うんーそろそろ攻撃して良いんじゃない?
『いや、こう言うのはVRゲームだから動けるけど本来は動けないで会話だけの時間だから、そこは運営の意図を組んであげようよ』
そっか。
『封印を解こうとしても再び上から上から再封印されて眷属も徐々に減らされて行き力を弱らせた。今の我では全盛期の力は出せん。だが、お前らが眷属になれば半分は戻る!世界を我々の手にしようでは無いか!』
「ふん。何を言うかと思ったが、くだらん。我々は魔にして聖である。貴様ら純粋な悪には下らんよ」
『そうか。そうか』
ベルゼブブは頭を手で抑えて地面に顔を向ける。
そして顔を振りながら怒りに狂ったように叫び声を上げる。
『はぁああ!馬鹿どもめっ!ダークホー⋯⋯』
「わん!」
「イサちゃん!」
いつの間にかイサちゃんがベルゼブブに接近して剥き出しの心臓を2つ取り出した。
そしてベルゼブブから離れた所まで持って行く。
ベルゼブブのHPは半分になった。
そして、イサちゃんは驚きな事にベルゼブブの心臓の宝玉をバリバリボリボリと食べ始める。
「イサちゃん、体に悪いよ!ペっ!ペっ!しなさい!ペっ!」
『あははは!虫けらにしてはいい判断だ!【眷属化】』
「不味い!悪魔の眷属化の条件は主となる悪魔の1部を摂取する事だ!」
「さらに心臓を2つも、ベルゼブブの魔力との親和性が物凄く高く成るぞ!不味い!」
『ぐはははは!』
へ〜〜で?
ベルゼブブって自分で自分の事を賢いと言う割にそこまでじゃないね。
「全く、私とイサちゃんの絆を舐めないでよ!」
私達の絆は誰にも引き裂けない!称号もあるしね。
イサちゃんから黒紫のオーラが出て来てイサちゃんを蝕む。
イサちゃんは藻掻くように鳴く。
そして体が徐々に大きくなって行き、私に接近して来る。
そして私の肩に齧り付く。
私もわたしも有り得ないと思い油断していた。
そして私の肩からダメージエフェクトが飛び散りイサちゃんの歯が食い込む。
「い、イサ、ちゃん?」
遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
今年の目標はユニークPV数10万です!
色んな人の目に止まり、ここまでお読み、応援してくださった読者様に面白いと思われるように今一度努力を致します!
今後ともどうぞ黒巫女召喚士をお願いします




