ペアメンバー
昼食を食べて部屋に戻ってスマホを開くとメッセージ通知が来ていた。
貴美ちゃんからだ。
『アップデートPV見ましたか?是非とも一緒にペアを組んでやりたいのですが⋯⋯』
返信しておく。
『え!ほんと!実は私も同じ事考えていたんだ!良かったら一緒にやろ!』
数秒後に返信くる。
『本当ですか!では、あちらで1度合流しましょう。場所を教えて頂きましたら私がそちらに向かいます』
場所を送っておく。
『分かりました。転移ポータルを使って向かいますね』
転移ポータル!何それ!でも、聞かないでおこう。
知らないと思われたくないのだ。
『あ、転移ポタールは国の中央辺りにありますよ』
エスパー貴美の誕生だね。はは。
◆
「あ、黒巫女の服って事は貴方が⋯⋯とと、現実の名前は控えないとですね。モフリさん?」
「あ、はい。とゆう事は君が⋯⋯セカイちゃんですか?」
「そうです!」
「お、おお!合流出来たね!」
「そうですね!あ、静かに話したいですし宿に行きましょうか?」
「ハッ!セカイちゃんのゴールド私持ってない」
「はは、私の方が先輩ですし問題ないですよ」
貴美ちゃん改めてゲーム内ネームセカイちゃんだ。
セカイちゃんは獣人族のカンガール種のようだ。
耳がツンとして、尻尾が細長いのが特徴の女の子である。見た目は現実の貴美ちゃんに近い。
「耳触って良い?」
「ふふ、どうぞ」
「おお」
カンガール触った事ないけどきっと近い感覚であろう。
「そういえばセカイちゃんはなんでカンガール種にしたの?」
「それはですね。獣人族は魔法系が伸びにくいですが身体能力は伸びやすい特性を持ってます。カンガール種は脚力と打撃力が強くなる種なのでカンガール種にしました」
「なるほど。現実に近い戦い方をするって事だね!」
「そういう事です。ゲームなので気功は未だに取得してませんが武術等のスキルは手に入ってますよ」
「なるほど⋯⋯」
宿に着いた。
「それで、モフリさんはどうして屍食鬼に?」
「適当にやったらこうなりました」
「そうですか⋯⋯ま、伸びにくい伸びやすいが無くて良いですね!」
「あ、その伸びにくい伸びやすいって何?」
「そうですね。例えば獣人族ではSPを2使わないとMP等は1上げれません。逆に攻撃系のステータスはSP1で2上がりますね」
「なるほど」
「まずはお互いに情報交換しますか」
「賛成!」
分かったこと。私のLvアップスピードは激遅。
1番初期の種族はLvが上がりやすい設定らしく、セカイちゃんも1度は進化しているようだ。
ただ、1度進化するとLvが上がりにくいらしい。正確にはこれが普通なようだ。
進化するとステータスが少し下がるようだ。それでも上がれば元のステータスよりも上がるようだ。
それと、この国は人間族を選ぶと1番最初にスポーン出来る場所で、難易度は低く、辺りには強いモンスターが少なくLvは20くらい上げると大抵の人は違う所に行くらしい。
そして、だいぶ慣れたら自分の基本的な拠点を決め、そこを中心にレベリング等をするようだ。
職業は Lv10事に1上がるようで、1度進化すると上位職に転職出来るクエストが受けれるようだ。その時に例外があったりして転職先が変わったりするようだ。
中にはLvよりも職業が先に育つ可能性もあるようだ。クエスト等によって。
レア職業と呼ばれるクエスト等で転職出来る基本的に知られてない職業もあるようだ。
と、言っても基本的な初期職は最初に選べる奴だ。
今のセカイちゃんの職業は武闘家の次の職業の武術家になったようだ。
「何が違うの?」
「武闘家はゴリ押し特化だけど武術家になると武術が使えるようになるの。ま、武闘家でも使えたりするけどね。現実で使えるから。それを、PS、プレイヤースキルって言うね」
ふむふむ。
次にスキルは自分の行動によって一定の熟練度になると獲得したりLvが上がるようだ。
あとはクエストや誰かに教えてもらう。職業Lvを上げる等があるようだ。
「レジェンド職業なるものがあるんですね」
「そうそう。そして師匠が出来た!」
「師匠ですか?」
「うんうん!幼女なんだけど言動が大人っぽいんだよね。なんだっけな〜あ、超越者って言ってた」
「幼女⋯⋯?」
それから私達の戦い方を合わせる為に狩りに出る事にした。
それと、私のLv上げである。
召喚獣のLv上げも必要である。
「ハムスターが進化すると、どうなるんでしょうか?」
「どうなんだろうね〜ネマちゃんやイサちゃんは大きくなりそうだけど、ハムスターのハムちゃんは分からないや」
「ですね」
そう楽しい会話をしながら近くの森の中に向かった。
道中の道でスライムが居て、セカイちゃんの戦い方を見たけど、スライムならワンパンしていてあまり分からなかった。
森について、草むらから1本の角が生えた兎が出てきた。
私はネマちゃんを召喚して、ハクちゃんを呼び出し、まずは私達の戦い方を見せる事にした。
「ハクちゃん、ネマちゃんに攻撃バフ!私には速度バフを!」
「キュン!」
私は地面を蹴って、心を鬼にして兎に向かってお祓い棒を振り下ろした。無論、躱された。
「ん〜これはなかなか育て概がありますね」
避けた兎に向かってネマちゃん近づいて噛み付き、そして噛みちぎり、爪を立てて切り裂く。
怯んだ兎に向かって私は術式を展開し、兎に向かって放つ。
だいぶ操作も慣れて近距離なら避けれないかもしれない速度までは出せるようになった。
妖火が兎に当たって、兎のHPは0になった。
《経験値を獲得しました》
《Lvが8に上がりました》
「お、Lvが上がった。セカイちゃん。私達の戦い方はこんなんだよ」
「ん〜モフリさんがかなりサポートされてますね」
「あ、やっぱり」
「ま、今後上手く扱えるようになりますよ。スキルLvが上がれば勝手に攻撃速度も上がりますしね」
「体が勝手に動く事に違和感は無いの?」
「ありませんよ。意識だけがこの世界に入り込んでいるので違和感はありません」
「そうなんだね」
今度はセカイちゃんの戦い方を見るために移動する。
「ここら辺のモンスターではLvが低いので場所を変えましょう。モフリさんは他の転移ポタールに行ってませんので転移ポータルは使えませんが、ここから近くのそこそこLvの高いモンスターが居る所に向かいましょうか?」
「そうだね!その方が分かりやすいだろうし!移動しよう!」
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