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黒巫女本気出す

 まずは1番邪魔な聖者を殺る事にする。

 それでも他の奴らに邪魔されるから1番速く倒せる方法を取ろうと思う。


「おりゃ!⋯⋯ッ!」


 わたしは後ろに下がった。


「は、はは、まさかこれが通ずるとはな!」

「ね、ねぇ、それって」

「ああ、特に意味無いがとあるクエストの途中で手に入ってたまたまインベントリに入っていた」

「それを、盾にすれば⋯⋯」

「て、てめぇら⋯⋯そ、そんな姑息な手を使いやがって!」


 聖者が今持っているのは⋯⋯クマのぬいぐるみだった。

 愛くるしいクリクリとした目で、わたしを見ている。

 反射的に攻撃してはいけないと体が動いたのだ。


「いや、でも、それでも、いや〜でも?」


 あれは綿の塊綿の塊⋯⋯一目見るとどうしても攻撃するとゆう感覚が無くなってくる。


「ね、これ以上反抗したら、このぬいぐるみの首を斬る!」


 アサシンが短剣をぬいぐるみの首に当ててそう脅してくる。

 とても、シュールだ。


 さて、どうしたモノか?⋯⋯縮地のスキル使えるか?

 わたしのは歩行であり、スキルは瞬間移動的な動きで最大2メートルまで一瞬で移動出来るモノだ。

 縮地を連発して、一瞬で近づいてぬいぐるみを取って、聖者を倒す。丁度、短剣も近くにある事だしな。

 うん、そうしよう。それ以外に方法がない。

 本気を出して、集中しろ。

 絶対にミスは許されない。絶対にだ。


「その前に1つ質問を聞いてもらうよ?聞かなかったら⋯⋯分かるよね?」

「なんだよ」

「貴方は何者?さっきと今では全然違うけど?」

「わたし?わたしは私の本能的なあれだ。分かりやすく言えば防衛本能。自身を守り、大切を守る本能の人格。自分の弱さを補い強さを得る為に無意識で生み出した存在」

「なんだそ⋯⋯」

「【縮地】【縮地】【縮地】」

「ッ!」


 まずは短剣を蹴りによって上げる。

 喋りに集中していたようで簡単に手から短剣が抜けたのだ。

 そのままお祓い棒を持っていない左手でぬいぐるみを保護し、聖者の目を目掛けてお祓い棒を突き刺す。

 咄嗟の事で反応出来なかった聖者は抵抗する事も出来ずに片目を潰されお祓い棒に力を入れて地面に倒し、回し蹴りでアサシンを飛ばす。


「がァァ」

「ぐふ」

「【ファイヤーボール】」

「えい」


 火の玉を聖者をお祓い棒で起こして盾にして防ぎ、口の中に妖火の霊符の全て、5枚を突っ込ませる。


「解」

「ぼほ」


 口の中から煙を出して地面に倒れるがHPが0になってないので上に飛んでいた短剣をお祓い棒をインベントリに入れて回収して、その短剣を残りの目に向けて突き刺す。


「あ゛あ゛あ゛あ゛」


 ダメージエフェクトが目から涙のように大量に出て来る。

 そのまま短剣を抜いては再び突き刺してを繰り返し、HPを0にして首の方の肉をそのまま食らいつき喰らう。

 MP回復の為だ。


「⋯⋯に、逃げるわよ!」

「ど、どこに?」

「タイミングを合わせて!」

「わ、分かった!」


 お、ぬいぐるみをインベントリにしまえるぞ。

 しまっておこう。私に戻ったら完全に思考停止するだろうな。増えたスキルに減った霊符。インベントリにはぬいぐるみ。私の記憶はわたしにあるけど逆はないからな〜ま、良いや。


「目を閉じて!【フラッシュ】!」


 ピカーンっと激しい光が辺りを照らす。

 そして、逃げる足音が2人分聞こえる。

 左と右である。左の方が速く遠さがって行くので、アレがアサシンだろうと予想する。

 わたしは目をつぶっているので光が収まったら開けるつもりだ。


 仮面をつけて視界を狭くしている相手に光が有効なのかね?それに、あんなに大きな声で教えてくれたら誰でも目を瞑るでしょうに。


 わたしはスキルでは無い方の縮地を使いアサシンを追い掛けて、その足を捕まえて、アサシンは転ぶ。


「わっ!」

「ど、どうしたの!」


 光が収まり魔法使いはアサシンの方を向くと、そこにはわたしが左手を伸ばして倒れていて、その左手には同じく倒れているアサシンの左足があった。


「つーかまえーた」

「ひ、ヒィ」

「そんな怯えんなって、どうせ直ぐに終わるから」


 わたしは馬乗りになってアサシンの足を切り落とし、手を切り落とす。

 ダメージエフェクトが大量に出て、徐々にHPを削っていき、今度は口の中に短剣を突っ込みゴリゴリ回す。


「あばぁはぁはあ」

「じゃあね」


 そして、HPが0になる。

 その頃には腰を抜かしてその場から動けない魔法使いしか残ってない。


「く、来るなぁ!あ、悪魔めぇ!」

「⋯⋯悪魔⋯⋯か」


 悪魔、悪魔、悪魔、か。悪魔ね。


「ふふ、はははははは!」

「え、えぇ?」

「お前も、あの野郎達みたいな事を言うのな。めっちゃ被さって見えて⋯⋯クッソ腹立つ」

「ヒィ!」


 悪魔、あの野郎も反抗したわたしを見て、そう言ってたな。


「でもな?わたしは思うんだよ。弱い者を襲うあいつらやお前ら、そしてそれを救い守るわたし⋯⋯どっちが悪魔だろうってね。弱い者を獲物にして楽しむお前ら、自分を守るために倒すわたし、わたしの方が悪なのか?」

「⋯⋯え」

「じゃあな。最後に最悪最低な思い出を思い出させてくれて⋯⋯お前はこのパーティーで2番目に最悪でクソだったよ」


 わたしは魔法使いにゆっくりと近づき、その首に短剣を刺してゴリゴリ削り斬って首を落とす。


「ぁ⋯⋯」


 そして、この虐殺は終わった。


「死体が消えるまでは戻れねぇな。私なら夢落ちで片付ける筈だし⋯⋯名前は⋯⋯ネマだったけ?召喚サモンネマ」

「シャー」

「出て来てそうそう威嚇ですかそうですか泣くぞこらぁ」


 ネマを召喚したら直ぐに逃げられ、1メートル先ぐらいで毛を逆立てし、威嚇してくる。

 その瞳は怒りに染まり、雰囲気が悲しげに思える。


「ハク来い」


 ハクを呼び出す。

 毛玉だった。可愛い。

 ハクはコロコロ転がりながらネマの後ろに行く。コロコロ可愛い。

 そして、ハクは震えている。


「はは、私はセーフでわたしはダメっすか。そうすっか。君達にはわたしはどのように見えているのかな?⋯⋯悪魔に見えているのかな?」


 わたしは仮面を外した。

 あんまりいい笑顔では無いけどね。


 涙を少し流して悲しげに呟いた。


「わたしのせいで、私はコレを毎日味わっていたんだろうな⋯⋯わたしはメンタル強いと思ったけど、私程では無いな」


 私は大丈夫だろうか?こんな癒しを得て、支えを得て、現実を見せられたら⋯⋯私なら耐え抜きそうだな。


「先っぽだけでも良いから触って良い?記憶にはあるけどわたしも触りたいんだよ」

「シャー」


 指を伸ばすとそれを爪で引っ掻かれた。

 味方だからダメージは無いけど無いけどさ⋯⋯その精神的なダメージはあるんだよ。

 寧ろ足を斬られた時よりも痛いまであるぞ。

 やっべ、もっと涙出て来た。


「シャー」

「分かってるよ。せめて死体が消えるまでは待ってくれよ」


 ⋯⋯いくらなんでも仲間の君達に敵対されたって私にバレたら私、一生VRゲームしなくなるぞ。


「はぁ〜戻るわ。じゃあね」

わたし「そんなに怖いのかな?」

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