ダンジョンに召喚された
召喚魔法陣と思われる光が収まると薄暗い洞窟らしき場所に出ていた。
「やったですー!召喚できたー!」
白い翼の生えた金髪金眼の生き物がいた。見た目的には天使と言えばいいのか。
「おほん!こんにちは。言葉はわかりますね。あなたはこの私、神の使いの「ミッシェル」に選ばれました!これからダンジョンの魔王として頑張ってもらいます!」
俺は辺りを見回し、後ろに階段がありその上に玉座のような物があるのに気付きそこに腰掛ける。そして目を閉じた。
「おお!さっそく魔王の玉座に腰掛けてくれましたね!やはり、日本の方を選んでよかったです!日本は異世界への順応が早く、学力基準も高い!しかも異世界に好意的な方が多いとか!私の選択は間違っていなかったわけですね!
これで、学年最下位層から脱出できるです。。」
最後の方は声が小さかった。
「では早速!メニューオープンと唱えてください!」
ミッシェルは語り掛けるが、ラクトは一切反応しない。
「あ、あれ?えっと名前は。ラクトさん!いえ、ラクト
様!ダンジョンメニューを開いてください!!!」
「・・・・・」
「あ、あれ?ラクトさーん。ラクトさまー。ラクトおぼっちゃーん。ラクト大魔王様ー。」
「・・・・・」
「え?もしかして寝てるの!?さすがに順応がすぎない!!??召喚されたら、なんで召喚したんだとか、家に帰せとか、逆に魔法は使えるのか?とか、俺はどのくらいの強さなんだーとか、そういう話をしてもいいんじゃないんですか!!??」
「・・・・・」
「いや、もしかしたらすごい精神の持ち主で、自分の事は自分で決めるタイプなのかもしれない。も、もしくは、私に見惚れちゃったとか??ははーん?そうなんでしょう?私頭はあまりよくないけど、顔は自信あるもんねー。ほーら目を開けて、私を見つめてもいいのよ?」
「・・・・・」
「やっぱりあれかしら、今は考えをまとめているのかもしれないわね。やはり、いきなり召喚されて、戸惑っているのよね。大丈夫、私がしっかりとサポートして最強のダンジョンマスターにしてあげるわ!考えがまとまったら声をかけてね!」
「・・・・・」
「だ、大丈夫。寝てないわよね・・・」
ラクトが召喚されて、寝始めてから8時間がたった。
ラクトはゆっくりと目を開ける。するとミッシェルが俺を睨んでいた。
「やっと起きたのね!!!!!あれだけ喋りかけて起きないって相当すごいわね!!!しかも8時間よ!!!普通に熟睡じゃない!!どんな神経してるの!!!!」
ラクトは開けた目を再び閉じた。
「ちょっと!!!!!!もしかしてまだ寝ようとしてるの!!!!いい加減起きなさい!!!私は説明の義務があるから他の場所には行けないし、貴方に危害を加えることもできない!!休めもしないのよ!!!それなのにアンタはグースカ寝続けて!!」
「・・・・・」
「ちょっとーーー!!!!起きなさーーーい!!!!」
神の使いことミッシェルはラクトの肩をゆすった。
「おーーきーーーろーーーーー!!!!!」
ラクトは目を開け、一言。
「危害」
それだけ言うと目を閉じた。
「な、なによー!!!!私が起こしてあげるのが危害だっていうの!!!この、ねぼすけーー!!!!!」
めんどくせー。ラクトは心の中で思った。
それからラクトが目を開けたのは4時間後だった。