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03 タンポポ大繁殖
その星の環境が生育に合っていたのか、タンポポはすぐに大繁殖した。
宇宙船にのってきた、タンポポたちは、宇宙船の中で絶滅した人間達より強くしたたかで逞しかった。
そして生命力の強かったタンポポは、その星のどんな土地でもすくすくと丈夫に育った。
タンポポは春が来ては綿毛になって、種をさまざまな土地へと飛ばした。
海を超えたり、山や谷なども時間をかけて超えたりした。
枯れた土地や岩だらけの土地でも丈夫に根付いていった。
またたくまに、広がって行ったタンポポはその星の多くの人に知られることになった。
よく分からない白くてふわふわした不思議な植物として、多くの人達にたいそう不思議がられる。
しかし大繁殖したタンポポは、強い生命力をもっていたが、元いた植物を駆逐しなかった
居場所を占領することもなく、土地ごとに必要な分の数を繁殖させたら、それ以上は増えなかった。
元の植物たちと平和に共存していった。