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n004;滑落!地下洞窟

二人は、ガンタウンを散策することに。


「昨日の夜は、地震があったが、一人で怖くなかったか?」と、ベレッタ。


「昨日? 地震? あったの? 気づかなかった」


「町のアチコチに亀裂が走るほどの、けっこう大きな地震だったんだがな」


「地面がバイブレーション、眠りの中で、揺さぶれていたのか~。わからなかった」


「よくまあ、目がさめず、グースカと寝られるもんだ」


ノロが路端を見ると、亀裂がある。そして、何やら初期微動が……?


「確かに地面が割れている――おぉお」


今だ! たった今まさに地震だ! 揺れはだんだん大きくなり、亀裂から地割れが発生、ノロを飲み込むように、地面にポッカリ開く落とし穴!


「あらッ!? お~~~~~~~~」


「おいっ、ノロっ! おい!!」


私だけが、地割れの中に落ちた。ベレッタは、もう少しで落ちるとこを回避した、ラッキーマンだった。


。。。。。。。。。。。。。。。。。


地下。薄暗い洞窟の中にいる。はるか遠くの天井は、先ほどの地割れか、まばゆい日が差し込む。


かなりの落下距離そして落下速度だった。にもかかわらず、着地の衝撃は大したことはなかった。不思議だ。


実は、洞窟も好きなんだよね。


私は、その洞窟をさまようことにした。どうせ、落ちてきた道を、引き返すにゃ、難しいのだから。


「んん~、この世界では、洞窟もまた、いい雰囲気、出している」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。


奥に進むと、暗かった。


だんだん目が、暗闇に慣れると、奥から2,3の人影がお出ましした。


「グズズズズズズ」


気持ちの悪い音を出して近づくそれは、一言で言えば、『ゾンビ』に他ならない。

崩れかけた身体、血だらけの肉体、落ちかけた眼球。いったい、どこで視認している?


最初から、敵意が感じられていたが、案の定、襲ってきた。


「ほほほっっと」


かわす、かわす、よける。なんだか、触れたら、溶けたりしないだろうか、という心配。だから触れたくなかった。


直接打撃を避けるためには――


「こんなんでどうかなっ」


私は、手元の石をひろい、力いっぱい投げ飛ばす。すなわち『投石』。


その石つぶては、ゾンビに着弾するやいなや、ゾンビを爆散させた。


「ぇほう? どうなった?」


倒したらしい。


この世界の石、すごい威力……! 神の意思でも宿っているのかな。


大して脅威じゃないと分かった私は、石をたくさんひろって、次々、投石した。

そうやって、道を切り開き、進んだ。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


「ん? こんな所に鉄格子のドアが」


洞窟を進んだ先に、急に人工物が現れた。それが、鉄格子のドア。


「非常口かな」


と思って、そのドアを開けたい……が、鍵がかかっている。不用心ではない。


見たところ、赤サビて もろくなっている、ということもない。サビに強い金属でも使っているのだろうか、ステンレス製 金属ドアか?


「グズズグズ」


後ろからは、ゾンビの笑い声みたいな、嫌ったらしい音がするぞ。


「開けっ!」

私は、鉄格子ドアを、無理やり開ける。――開いた!


「お!? おお……!?」


開けと思って開けると、開くもんだなー。

もしや今生こんじょうの世界では、念じたり、祈ったり、自己暗示したりするのは、きわめて有効……だったり?


「グズズヤアア!」


ゾンビが襲いかかってきて、ビックリした拍子に、私は、つかんでいたもので、殴り飛ばした。


メチャ……っと、ゾンビが弾け飛んだ。


私の手に握られていたのは、鉄格子ドアの、成れの果て。ドアは、ひしゃげて、取れてしまったらしい。


「おおう!?」


ビックリした。ビックリしてばかりだが、異世界の初心者は、あらゆるものにビックリさせられると、相場が決まっている――ハズだ。なにしろファンタジックなのだから。


それにしても。


「グニョングニョンにできる~」


鉄格子ドアに使われている金属? は、粘土みたいに柔らかい素材だった。面白くて、こね回していた。


「……さ、行こうか」


気が済んだので、鉄格子ドア……だったものは、丸めてポケットにしまった。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


進んだ先には、たくさんの牢があった。


「つまり、地下牢ってわけかぁ?」


という私のつぶやきに、答える声――


「誰かそこにいるのですか!?」


声のする方へ行くと、牢の中に、やせ細った男がとらわれていた。

相手もコチラを視認し、目を見開く。


「君は……子ども!? なぜここに?」


「落とし穴に落ちてしまって。で、いったいここは何なんだい? 刑務所?」


男は、「知らずに来てしまったか……」と、こぼしたのち、言った。


「時間がないので、手短に話す。ここは拉致・誘拐された人たちが閉じ込められている」


男は他の牢を指差す。見れば、なるほど、弱った女子供ばかりが、牢の端っこでうずくまっていた。


「私の名はブドリ。監禁した者に、説得を試みるも、失敗して、今はこうして閉じ込められています」


「こんな拉致・監禁する輩を相手に説得なんて……。はじめから武力行使で良かったじゃないかな?」


「……力で訴えたくなかったのです。平和は対話からはじまる……」


「さて。私はどうしたらいいかな」


「皆を解放して欲しい」


「アンタ……ブドリと言ったな。ブドリさん、そちらの話が本当かどうかも分からないのだけど」


「ならば、私は放っても構わない。だが、他の者を見てください。もうかなり弱っています。助けて欲しい」


「いや、ブドリも、やせ細っちゃって、心配になるくらいだ」


「お察しの通り、私の体力もすでに限界。だから、君の協力が要る。必要なんだ! 頼みます……」


「分かった」


「ありがとうございます……! だが牢の鍵は――」


「いや、もしかしたら、グイッとなったりして――」


グイッと、私は、牢の鉄格子を、捻じ曲げた。新規出口完成。簡単だ。


「…………これは、いったい、どういう……?」


ブドリが目をパチクリさせる。


「かなり強度が落ちていたらしいね」


「い、いや、そんなはずは」

ブドリも、鉄格子をつかんで、引っ張ったりするが、とくに変形しない。


「ブドリは、腕もやせ細っているから……。今のブドリの筋力は、かなり衰えているのかも」

と、いうような考察を、私は喋りながら、他の牢も、力づくで開いていった。

幸いにして、とらわれの人々は、立ち上がって歩けるくらいの体力は、残されたいた。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


さらに奥へ進む。そこでブドリさんが注意をうながす。


「向こうには、我々を監禁した者たちがいます」


「そいつらは、全部で何人いる?」


「分からない……だが、少なくとも3人、3人以上はいるはずです」


「よし」


私は、みんなから離れ、単独で進んでいく。

そして、人の気配が近いのを感じると、通路の凹みに身を隠す。


息を吸い込む……

「わ~おあおあおあおあおあおあおあおあおあァ~」


悲鳴とも歓喜ともつかない、謎の絶叫をして、周囲をとどろかせた。


そして敵さんの声。


「ん!? なんだ!?」


異変に気づいてホイホイやってくる一人、私の前を横切る。その一瞬、私は相手の足をすくった。

そのまま引き込み、首じめで、気絶、無力化。

まるでプロの暗殺者にでも、なったかのような手際で、自分自身、驚きだ。


そのまま、じーーーっと待っていると、さらにもう一人も出てきたら、同じようにして無力化。今度も失敗せず、完璧だ。


さらに、長時間待っていると、今度はブドリたちがしびれを切らして、やってきてしまったので、追い返した。

が、そこで敵に気づかれる。幸いにして、敵さんは一人だ。

私は逃げるフリをして、追いかけてきた敵を、曲がり角という死角から不意打ち、ノックダウンさせた。


その後、索敵するが、もう敵はいない様子だ。

ブドリたちと合流して、奥へ進む。この奥が、地上につながっているとの話だ。



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■要約

・突如としてポッカリ空いた穴に、ノロは落ちた。そこは格闘ゾンビたちが徘徊する洞窟だった。

・牢にとらわれているブドリたちと出会う。解放する。


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