_没a018;天使創造
「スキルってなに?」
今更な質問かもしれない。そう言うと、近くにいた見知らぬ人が、説明してくれた。
「能力です」と。
「そっかー」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
頭のなかに、文字が流れる。
{
【天使創造】スキル
天使を作ります。
材料:トコロテン、マヌバツのコトシヌタ、清き魂、……<以下、省略>
}
「よしきた、メモ!」
と、言うと、誰かが、用意してくれる。ありがたい。
私は、スキルの説明を理解する前に、心配だから、紙に書いた。
それを見ていた協会関係者が、
「天使創造ですか!!? まさか……お出来になるとか、申しますまい……?」
「今朝、できるようになったんだ」
と、言うと、怪しむ目で見られた。
が、構わず、この方から情報を聞こう。
「天使創造とは?」
「
えっ、説明が欲しいのでありますか? では、ツクツク語ってしんぜましょう。
天使創造とは、神のスキルであり、天使を作り出すものです。
」
「知っているよ」
「
おっと、説明はこれからです。
材料の一つに、『清き魂』が要りますが、これが、その天使の魂となります。
『清き魂』とは、たとえば、ブドリさんのような方の魂ですな。
」
「ん、それで?」
「もし『天使創造』が使えるならば、ブドリさんを天使として生き返らすことも、……あるいは、可能かもしれません」
「ほうほう。そんなら、ブドリは何度でも生き返るのかー?」
「都合よくいけば、あるいは」
「んじゃあ、さっそく、やろう。もちろん、私一人じゃなく、みんな協力して。……材料さえ集めれば良いのかー?」
「ええ、ええ、協力するのはもちろんですが…………、その材料が」
「問題でも?」
「トコロテンは用意できます。他のも、何とかできます。ですが、『マヌバツのコトシヌタ』とは、何のことだか……。それに、ブドリさんの魂を取るには、結局、一度は死んでもらわないとなりません」
「私には、即死魔法も使える。それで、サクッと、苦しまずにヤッてしまおう」
「…………分かりました。では、皆で、集められるものは集めておきます」
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そののち、
「回復魔法もできる」
と申し出ると、ブドリに試してはもらえないだろうか? と言われ、そうすることに。
植物状態で横たわるブドリ。
「さあて。人間に試すのははじめてだなぁ……」
と言うと、付添い人がギョッとした表情をする。
カエルのような動物は、治せた。手足を細切れにしても、治せた。そのカエルはサンキューと言っていた気がする。
さて。
膨大なエネルギーを、一気に注ぐのは、危ないかもしれない。そんな気がする。
なので、ゆっくり注ぎ込んで、どんどん量を多くしようと、考えた。
そういう感じで、回復魔法を掛け続けているが――、一向に変化なし。
というより、この感覚は、すでに回復済みな相手を、回復しているかのような……、そんな感じだ。
「ノロ様、解呪魔法を掛けてみては?」と、デリンジャー。そばにいたらしい。
「解呪ってなんだ?」
「呪いを解くことです」
「呪いってのが、よく理解できないんでねぇ。それを解くことも、私には理解できない」
つまり、解呪魔法とやらは、持ち合わせていない。
ここはいったん、諦めが肝心か。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ある日。
「材料が集まりましたよ!」
と、はしゃぐミラッガーに引かれ、教会の病室に来た。
(そう、この教会、病室らしきものも完備)
「さぁ、僕の目の前で、見せてください、神のスキルを!」
ちょっと、場違いにワクワクしているミラッガーだった。
他のものは、真面目な面持ちだ。
そして、名もなき協会関係者が言う。
「女傑さんや……、残念ながら、マヌバツのコトシヌタ? とやら、皆目、正体がつかめねかったよ……」
「マヌヌヌコシノウタ?」と、ミラッガー。
「ん、知っているのかい?」と私は尋ねる。
「えーと、僕の古腐った記憶によりますとねーコホン…………」
ミラッガー、記憶を探っているらしい。メモリーサーチだ。
ミラッガーは、次元庫から、何かを取り出す。――それは琥珀のようなもの。
「これは、かなり昔に、僕が手に入れたものなのですが、その状況が変なのです」
「ん?」
「そのとき僕は、どこか分からない辺境をさまよっていました。野宿して、朝起きたら、僕の手にコレが収まっていた、と。僕にとっては、お守りのようなものですね」
「なるほど、それで」
「そのときに見た夢のなかで、確か……『マヌケはコレ落とした?』とか言われたような。それって、ノロさんが探しているものでしたよね?」
「え? なに? もう一度?」
「もう一度ですが。確か、えっと……『マヌヌはコレを落とした』? でしたっけ?」
「私が探しているのは、『マツタケ言葉知らず』だよ?」
「あ、そうなんですか?」
第三者がメモを見ながら、訂正する。
「『マヌバツ の コトシヌタ』ですね」
そしてミラッガーが口開く。
「とにかく、コレがあれば、ブドリさんは助かるんですよね!? かまわないので、使ってください!」
と、琥珀?を押し付けてくる。
「それ、違うんじゃないの?」と私が言うと、
「ブドリ様が!!!!!」という誰かの大声で打ち消された。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「どうしました」、ミラッガーが、ブドリを看取るお人に、尋ねる。
「ブドリ様が…………パツリ、と……」
その言葉は、前世でいう、「ポックリ」と同じような意味合いかもしれない。
つまり、死んだ、ということか。
察したミラッガーが、指示。
「すぐに、『天使創造』の準備を!!」
材料が集められる。
「できるものか?」と私。
「ノロさん、生き物は死ぬと、直ちに魂が抜けます。逃がせば、もう取り返しはつきません。魂を、逃さずにキャッチしてください。とにかく! 魂をキャッチ! です! いいですね!」
打って変わって真剣に語るミラッガー。
私は、ブドリの死体を注視した。
すると、何が出た。「ン?」と声を出す私。
「え?」と戸惑うミラッガー。
私は、その透き通る何かを、引っ掴んだ。優しく優しく捕まえた。
「え?」と、二度、戸惑うミラッガー。
「これか?」と聞く私。
ミラッガーは、目がぶつかるくらいに、至近距離で見ている。
「あ! ああっ!!」と、突然、気づいたような声を上げる。
「ミラッガー、魂は、コレなのか? ハッキリしてくれ」
「そ、そうです! あまりに透き通るので、ちょっと分からなかったですが、まさに、これです」
確認が取れたら、即、実行する。
「ヨシ! やる! 【天使創造】!」
スキルを発動させると、手元から緑色の光が、魂をとらえる。
私は手を動かして、その光に材料をくっつけた。
光はさらに増大する。光はブドリの身体もスッポリ覆う。
。。。。。。。。。。。。。。。。。
光が収縮し、人形になって、落ち着いた。
そこには、ブドリがいた。
頭上には、ドーナツ形の蛍光管が浮いている。いや、天使の輪っか、か……。
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■要約
・天使創造のための材料集め。ちなみにノロの回復魔法をもってしてもブドリ回復せず。
・天使ブドリの誕生。
◆複数行セリフも使いはじめました。




