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Green Garden物語  作者: 平川 鉄
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第4章

大掃除から少し時間が経ってあいかわらず忙しくお店の仕事をしていた。ただ前と変わったのは、

仕事が終わって自宅に戻った後唯がアニメ等を教えてほしいと言うから

色々とオススメを教えてあげていることだ。

唯が興味を持ってくれたおかげで共通の趣味を持つ人が出来て今までより毎日が楽しくなってきている。

というのも夜の話で今は仕事中で二人とも忙しく動き回ってる

時間を見れば唯が休憩する時間だったので声をかけた。


「唯、休憩してきたらどうだ?」


「わかりました。とりあえずここまでやって休憩してきますね」


唯は今している仕事を終わらせて休憩に入った。


実際休憩室は店の中にあって前までは唯はそこで休んでたんだけど

最近は当たり前のように二階に上がって行っている。


まあ、掃除も手伝ってもらったし流れで二人で住むようになったからかまわないんだけどな、

それを見送って仕事に戻ろうとしたら急に目の前が暗くなった。


たぶん誰かが後ろから目隠ししてるんだろうけど誰だ?

唯は今二階に上がったし背中に感じる胸の感触が絶対に違うと思う彼女はこんなにないはずだ。

そんなことを考えていると後ろから声が聞こえた。


「そんなに考えてどうしたの?それとも考える振りをして胸の感触を楽しんでるのかな」


「ち、違いますよ」


そう言われて慌てて振り返ると懐かしい顔がそこにはいた。


「若菜さんでしたかお久しぶりです」


「久しぶり」


「って何であなたがここに来てるんですか」


「何でって言われても久しぶりにあなたが頑張っているか心配になって様子を見に来たのよ」


「そうでしたかとりあえず少し待ってください。仕込み終わらせますから」


「うん。わかった」


そういって若菜さんには待ってもらって仕込みを終わらせて話しを始めようとしたら

ちょうど休憩から戻ってきた唯が2階から降りてきた。


「戻りました。ってあれ店長その人は誰ですか?」


「おかえり。この方は前働いて店のオーナーだよ」


「初めまして今紹介された通りここから少し離れたところで

パンの店を出していてそこのオーナーをやっている井口若菜です。よろしくね」


「こちらこそ私はここで働かせてもらっている中野原唯です」


二人が自己紹介を終えると若菜さんはなぜかこっちを驚いた表情で見ていた。


「どうかしましたか?」


「いや、あなたが誰かを雇うなんてびっくりして、

だって独立するときも一人で気楽にやるっていってたから」


「あ~、そうでしたね。まあ色々と事情があるんですよ」


「なんか複雑な事情がありそうね。まあいいわでも話すのは少しはよくなってきてるわね」


「そうですか?」


「そうよ。私の店にいた時は仕事の事しか話さなかったのにこんなに話すようになるなんてね」


「まあ、何ヶ月も経ってますからね」


「それだけじゃないでしょたぶん唯さんも関わってるのよね」


「私ですか」


若菜さんに急に話を振られて唯は驚いた表情になっていた。


「そうよ、あなたがいるから颯太君は話せるようになってるし表情も楽しそうになってるのよ」


「そういうものなんですか。私は何時も通り接しているだけですよ」


「なんだかそれだけじゃないような、予測だけどいつも一緒にいるような感じがするんだけど」


それを言われて焦った唯と二階で一緒に住んでるなんてばれたら不味いことになる。


「き、きのせいですって」


「そうかな~」


何とかごまかせたかと安心した瞬間唯が当たり前のように話していた。


「何をいってるんですか、一緒に住んでるじゃないですか最近ですけど」


それを聞いた若菜さんが固まった。


「え・・・」


「ゆ、唯!何でばらすんだよ!」


「え、言っちゃ駄目でしたか別に悪いことをしてるわけじゃないんですからいいじゃないですか」


「それはそうだけど」


若菜さんを見ると驚きから戻ったのか色々な話を聞き始めていた。


「一緒にって、あなた達何か間違いでも起こしてないでしょうね」


「お、起こしてませんよ」


「そうですね。間違いと言うか私が寝ぼけて颯太さんのベットに入ったくらいですかね」


「一緒のベットって、何をやってるのよ」


「だからお前は何でそうばらすかな!」


「これも駄目でした?」


「当たり前だろ」


「もういいわ。唯さんが気楽なのはわかったわ。

でも何もしていないのはたぶん魅力がないからよね」


それを聞いた唯が珍しく怒ったように若菜さんに質問をしていた。


「魅力がないってどういうことですか?」


「そのままの意味よ。

さっき私が後ろから目隠しをしたとき暫く考える振りをして胸の感触を楽しんでたし、

たぶんあなたじゃそこまでないとか考えてたんじゃないの」


「本当ですか」


そう言って唯がジト目でこっちを睨んできた。


「ご、誤解だって!確かに考えたかもしれないがそこまで失礼なことは考えてない」


「考えてる時点でアウトですよ!どうせ私は胸がないですよ!」


「悪かったって怒るなよ」


そのやり取りを見て若菜さんは楽しいそうに笑っていた。


「あなた達面白いわね。いいコンビみたい」


「そうですか。こんな人と一緒にされても嬉しくないです」


「そんな言い方はないだろ」


「さっきの言動を思い出してから言ってください」


「ご、ごめんなさい」


「ふん!」


「唯ちゃんそんなに怒らなくてもいいじゃない」


「怒ってません!」


「そんなに言うなら私がこうしたらどうなるかな~」


そう言って若菜さんは抱きついてきた。


「わ、若菜さんあたってますって!」


「当ててるんだよ。やっぱり私だと反応がおもしろいな~」


二人でそんなやり取りをしていると唯が間に入ってきていきなり耳を引っ張ってきた


「痛いっていきなり何をするんだよ!」


「ごめんなさい。私達忙しいですよね、それじゃ仕事に戻りますよ」


そう言って唯はそのまま店の奥に引っ張っていってそれを見送りながら若菜さんが何かを言っていた。


「唯ちゃんの反応やっぱり面白いわね。まだ理解してないみたいだし色々と楽しめそうね~」


そういったのは唯には聞こえていなかったのだった。

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