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miracle online  作者: 伊理菜
7/10

【7】

今回は霊夜君のパートナー、依留佳ちゃんが登場します!

「俺を…攻略ギルド『miracle online』に入れてください。」


何分たっただろうか。

俺はシュミエルが口を開くまでずっと頭を下げていた。

「分かった。本当はギルドに入るために試験をするんだが…

ここまで攻略ギルド入りたいと言った人は初めてだ。特別に試験無しで入ることを認めよう。」

特別…

俺は何故かシュミエルに不信感を抱いていた。

でも、まぁいいだろ、と思い素直にお礼を言う。

「ありがとうございます。」

ただ、やっぱりあれを指摘される。

「ギルドに入れるのはいいんだが…装備、どうにかしないとな。それと敬語はやめてくれないか?慣れてないんだ…」

俺の装備は初期装備だ。指摘されてしょうがないだろう。

「装備は変えたいですが…じゃなくて装備変えたいんだがユールがぜんぜん無いんだ。」

ちなみにユールというのはこの世界での「円」だ。

「ま、装備はこっちで整えておく。後日また来てくれ。」

「わかった。俺はレベル上げでもしてくる。」

俺が部屋から出ようとすると、シュミエルが何か思い出したように言う。

「そういえば…このギルドは2人のグループで常に行動してもらうことにしているんだ。明日君のパートナーを紹介するから楽しみにしていてくれ。」

俺は 分かった とだけ言うと部屋から出ていった。 




「パートナーか…」

パートナーと言えば…

「舞姫くらいなんだよなぁ…」

高校2年になっても女友達が一人もいないのは我ながら救いがたい。

舞姫にもいわれたなぁ…

『お兄ちゃんは女の人の前で緊張しすぎ!だから女の子寄ってこないんだよ!』

って。

十四歳の妹に注意されるという、これもまた救いがたいことだ。

それでも俺は、

「男がいいなぁ…」

と思ってしまう。

俺はどうも女が苦手なのだ。

そういえば…

「乃奈とか、柚愛とかは普通に話せたな…」

ま、どうでもいい。と言うように俺はどさっとベットに倒れこんだ。




翌日、俺はシュミエルの部屋のいた。

「まず初めに…君の装備だ。」

シュミエルが装備をオブジェクト化し、差し出してくる。

「あ、あの…これ…」

この反応は当然だと思う。だがシュミエルは、

「そんなにこの服が変か?我がギルドの制服にしようかと思っているんだが。」

と、さらりといいのけた。

渡された服は…


真っ白な鎧


真っ白な剣


真っ白な靴


そして、


真っ赤なマント。


「なんでマントだけ赤にしたんだ…」

この俺の言葉に対して、シュミエルはまたさらりと答える。

「いいじゃないか。目立って。ちなみにマントが赤いのは君だけにしようかと思う。」

「オネガイシマスヤメテクダサイ」 


結果、俺だけ赤いマントを着ることになった。



「次に君のパートナーだ。入ってきてくれ。」

シュミエルの言葉と同時にドアが開く。 

「シュミエル様、お呼びでしょうか。」

なんと。様ときたか。

「お前はいつになったら敬語をやめられるんだ?」

「私がシュミエル様に敬語を使わなくなるのは一生あり得ないでしょう。何せシュミエル様は…」

シュミエルが今まで見せたことの無い難しい顔をする。

「やめてくれ、依留佳。昔のことだろ?あれはもう思い出したくもない!」

空気が重くなる。

依留佳と言うのだろうその女の人はシュミエルをとても慕っているようだ。

「話がずれたな。依留佳、今日からお前は霊夜君のパートナーだ。(くれない)君には私から伝えておこう。」

依留佳は驚いたような顔をする。

「シュミエル様!お待ち下さい!紅のパートナーはどうするのですか!?」

シュミエルは真顔で答える。

「紅君には新しいパートナーをつける。ということで、霊夜君、君のパートナーはこの依留佳だ。よろしくたのむ。」

「は、はぁ…よろしくおねがいします…」

依留佳は俺を睨みながら言う。

「よろしくおねがいします。けれど、足手まといになったら許しませんから!」

パートナー申請がくる。

パートナーについて説明しておこう。

パートナーになった人には絶対ダメージを与えられず、PKはあり得ない。

パートナーになったときの効果はこれくらいだ。

俺はすこしためらった後、OKボタンに触れる。

「よし、これから二人は常に一緒に行動してもらう。依留佳、霊夜君は昨日ギルドに入ったばかりだから色々教えてやれ。」

彼女は複雑そうな顔をしながら答える。

「分かりました…シュミエル様。」





それから10分後、俺は依留佳に連れられてNPCレストランに来ていた。

「なぁ依留佳…」

「いきなり呼び捨て?まぁ、べつにいいけどさ…」

はぁ… と依留佳はため息をつく。

「依留佳、何かあったのか?」

この一言は言わないほうが良かったらしい。

「何かあったかって?ふざけるんじゃないわよ!あんたのせいでアタシは紅と離された!あんたさえこのギルドに入ってこなかったらアタシはまだ紅のところにいたのよ!」

彼女と紅という男になにがあったんだろうか。

「こんなこと聞くようで悪いけどさ…紅って人、どこにいるんだ?」

この一言も余計だった。

「なんであんたにおしえなきゃいけないの?教えてもらってどうするの?」

口を開けて呆然とする俺に向かって彼女はまだ続ける。

「紅のところに行く?行ってどうする?…ねぇ、答えなさいよ!アタシは貴方となんて組みたくなかった。けどシュミエル様の命令だから仕方なく従ったわ。貴方はどうなの?こんなに短気なアタシと組みたい?」

怒る依留佳に向かって俺は謝ることしか出来なかった。

「ごめん…俺が馬鹿だった。でも俺は君と組んで後悔はしてないよ。」

俺はそれしか言えなかった。

次回は依留佳ちゃん目線で書こうと思います!

ってかもう書き終わってるんですけどねw

次回はこの後すぐに投稿しますー

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