【6】
私「何ヵ月ぶりの投稿か…」
霊夜「俺はいつまで柚愛の部屋から動けないんだ?」
柚愛「私達の解放の日が少しずつ遠くなってるような気がします…」
私「ごめんごめん!けど一話に書いてあるようにラスボス倒すの十年後だからなぁ…」
柚愛「早くこのゲームから出して欲しいです…」
霊夜「ま、とりあえず、miracle online六話お楽しみ下さい~」
「お兄ちゃん…本当に行くの?やっぱり私だけでもついて…」
舞姫にそれ以上言われると自分の考えを曲げそうだった。
「いい。大丈夫だ。絶対に生きて戻るから。絶対、元の世界に戻してやるからな。たまにはチャット送れよ。それじゃ」
それだけ言うと、俺は1回も後ろを向かず、皆の元を離れた。
それから十日。
「さてと…今はどこまで攻略されたんだ?」
俺は情報屋が配っていた新聞を受け取り、目を通す。
そこには、『シュリトラル攻略!』と大きく書いていた。シュリトラルとは、五つめの町だ。
だが、その下に書いてある文を読んで、俺は絶句した。
シュリトラルの攻略が終わったことは嬉しいのだ。でも、戦死者10人、という文字を見ると、さすがに喜べない。
「今までボス攻略で戦死したやつなんてまだいなかったのになぁ…」
俺は新聞に向かって手を合わせる。
このゲームが始まってから十五日がたつ。
俺は、今からマップを攻略していくグループ、いわゆる攻略組に会いに行く。
攻略組は、全員『miracle』というギルドに入っている。
「ま、行くか」
俺は一言言うと立ち上がった。
「ここか…」
ギルド『miracle』の本部はそう遠くなかった。
俺は門番らしき人に声をかける。
「俺は霊夜だ。このギルドのリーダーに合わせてほしい。」
門番は何も言わず、リーダーにチャットを送る動作をする。
チャットについて少し説明しておこう。
チャットは、人に送ると送られてきた人がOKをすれば遠くにいても会話をすることができる。メリットはさっき言った通り、遠くでも会話ができること。そして何人でも一気に参加できることだ。
デメリットは出てくるキーボードでいちいち打たないといけないからめんどくさいということだ。
「リーダーがOKしてくださった。くれぐれもご無礼のないように。リーダーの部屋は突き当たりの階段を登り、5階までいけばすぐ分かるだろう。」
それだけ言うと門番は元の位置に戻っていった。
「えーと…ここか…」
俺は2回ノックをし、ドアをあける。
「霊夜君か?私はmiracleのリーダー、シュミエルだ。」
それにしても俺の回りに漢字以外の名前なんていないなーなんて考えていると、シュミエルが俺に質問をした。
「君は他に仲間はいないのか?仲間を捨てた、とであればギルドには入れないが。」
俺は舞姫や蒼、乃奈、柚也、そして柚愛のことを思い浮かべる。
まだ別れてから十日しかたっていないのに、胸が苦しくなる。
いつでもチャットを送れるのに。会いに行こうと思えば、すぐ会いに行けるのに。
…まだ会ってから一ヶ月もたっていないのに。
それでも俺には行かなければならない。舞姫や柚愛のために。
自分を犠牲にしてでも守るとあの夜に決めた。柚愛が無理に笑って、元の世界の話をしてくれた夜に。
俺は真実を話す。
「仲間はいました。けれど捨てたわけではありません。俺は…俺は、家族のために…柚愛のために…攻略組に入りたい。シュミエルさん、俺を…攻略ギルド、『miracle』に入れてください。」
霊夜君がやっとギルドに入れました~
霊夜君、柚愛ちゃんのために…
って行ってますが柚也君のこと無視してますよね…