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miracle online  作者: 伊理菜
4/10

【4】

「気を取り直して!敵、倒しに行きますか…ま、大丈夫だよね。お兄ちゃんいるし、ここらへん、弱いし…多分…」

舞姫が嫌そうに言う。

「あああああ、もう!元気だせ!少し金貯めたらまた戻ってくっから!」

つい叫んでしまう。俺、この変な雰囲気嫌いなんだ。

「霊夜君…怖くないんですか?誰よりも元気ですけど…」

俺は乃奈の言葉で困る。

「怖くないって言ったら嘘になるけどな。怖がってたら生きていけないぞ?はい。この話終わり。さっさといくぞ?」

なにが面白いのかわからないが、舞姫が急に笑いだした。それにつられ、皆が笑いだす。

ま、普段俺はこんなこと言わないからな。


皆の笑いが収まってきたころ声をかけられた。

「あの…すいません…」

声のする方向を向くと、舞姫より少し年下の男の子と女の子がいた。

女の子は泣いていた。

「僕、柚也(ゆや)っていうんですけど…ここで生きていく自信なくって…あの…仲間…いれてもらえませんか?…」

女の子を守るように、柚也という男の子が言った。

女の子も泣きながら言った。

「私…柚愛(ゆあ)です…お母さんにちょっと借りただけなんですけど…こんなことに…。怖いんです…外にでる勇気なんて無くて…でもお金貯めないといけなくて…それだったらって仲間探そう…ってことになったとき、皆さんの楽しそうな声が聞こえたんです。皆さんだったらPKの可能性、無いかなって思ったんですけど…だめですか…?」

ここはリーダーの舞姫にまかせる。

舞姫の決断ははやかった。

「いいよ。一緒に行こうか。私達も、さっきまで泣いてたんだ。2人の気持ち、すっごく分かる。がんばろ。絶対元の世界、戻れるから。だから…泣かないで。皆と笑お?」

なんてしっかりした妹なんだろうとおもっていると、舞姫のに睨まれた。

「お兄ちゃんが始めに声かけられたんだから、お兄ちゃんが答えてよ。」

それを言われると…

「ま、いいよ。過ぎたことだし。でも、お兄ちゃん死んだら、ぜっっったい許さないから!」

舞姫が頬を膨らませながらいった。





「さっきからずっと話してますが…お金貯め、いきませんか?お腹空いてきましたし…」

蒼がふとそんなことを言う。

時間を見ると…

「7時…か。そろそろいくかぁ。」

皆が一斉に…柚愛以外一斉に立った。

「柚愛、大丈夫だ。俺が守ってやるから。皆においてかれるぞ?」

ようやく柚愛が立ったころには8時になっていた。

「助けて…くださいね。」

柚愛はそう言うと、俺の腕をギュッとつかんだ。



「柚愛、回復しろ!乃奈、もっと後ろに下がれ!」

敵と戦うのは思ったより大変だった。

現実と身長を変えているらしい蒼は動きが鈍く、乃奈は攻撃を外す。舞姫は魔法の撃ち方が分からないらしく、杖でずっと殴っている。

意外と柚愛と柚也は特に問題はなく戦っている。ちなみに、柚愛と柚也は片手剣を使っている。

「皆さがれ!後は俺がやる!」

指示を出した瞬間、俺は誰よりもはやく走り出す。

敵の体力はあと数センチ。1人でも問題ない。

俺は敵までの数メートルを一気に縮め、攻撃をする。自分でもどんな動きをしているのかいまいちよく分からなかった。

数十回攻撃すると、敵のHPはあっという間になくなり、光の結晶となって消えた。

「ふぅ…今日は、これくらいにする?お兄ちゃん。」

息を切らせながら聞いてきた舞姫に返事をする。

「あぁ、そうだな。2人もつかれたみたいだし。」

と言って、柚愛と柚也の頭に手を乗せる。

町までの距離は近い。もう敵と遭遇せず帰れるだろう。





「…おいしい!」

乃奈が一口ご飯を食べると、大声を上げた。

「ま、こんなもんだよ。おかわりあるからいっぱい食えよ!」

今日の晩飯は俺が作った、朱那家特性カレーだった。

「しばらく食べてなかったねぇ、これ。ゲームの中でも食べれるとは思わなかったよー。現実で食べたのより美味しい気がするけどきのせいかな?」

ゲームの中だから食材が新鮮なのかな?または…

「…しばらく作ってなかったから作り方を忘れ、余計なものを入れなかったからうまい…のかな…」

これからは余計なもの入れないようにしよう、うん。

あ、でもいれなかったら朱那家特性カレーじゃなくなるじゃん。

「まぁ、いいじゃないですか!美味しいんですし!」

柚也が精一杯のフォローをしてくれる。優しいなぁ…

「霊夜さん、お料理上手なんですね…お腹いっぱいになるまで食べちゃいました!」

柚愛が嬉しい感想をいってくれる。

こんなこと毎日いわれたら幸せだなぁ…俺。

霊夜君って料理できたんですねー

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