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第十二話:魔界、魔改造。~花と団子と無限の魔力~


「ここが私の故郷……魔界の入り口よ。……って、あんたたち! 何その顔、失礼じゃない!?」

リリスが案内した魔界は、空は常に紫色の雲に覆われ、地面はひび割れ、禍々しい棘のような植物が点在する、まさに「絶望」を形にしたような世界でした。しかし、凛の反応はリリスの予想とは正反対のものでした。

「……うわぁ、かわいそうに。こんなに地面が喉を渇かせてる……。みんな、こんなに苦しい場所で頑張って生きてたんだね」

凛の瞳には、恐怖ではなく、深い同情の涙が浮かんでいました。

「よしっ! みんな、ここを住みやすくしよう。僕、**『お掃除』**頑張るよ!」

「お掃除!? ちょっと、待ちなさいよ凛! ここはこういう世界なのよ! 毒の霧も、酸の雨も、魔族にとっては……えっ、ちょっ、何その光!?」

凛の「お掃除(天地創造)」開始

凛が地面にそっと手を触れ、心の中で祈りました。

(みんなが深呼吸できて、美味しいものが食べられる……そんな場所になりますように!)

ドォォォォォォォォォォン!!!

「無限」の刻印から放たれたのは、もはや光というよりも「生命の爆発」でした。

大気の浄化: 凛が深呼吸をした瞬間、立ち込めていた毒霧が吸い込まれ、吐き出された息はマイナスイオンたっぷりの澄み切った空気に変わりました。

地脈の活性化: 凛が一歩踏み出すごとに、ひび割れた大地からエメラルドグリーンの芝生が猛スピードで広がり、トゲトゲの魔界植物は、甘い香りを放つ極上のフルーツが実る樹木へと進化(変異)しました。

水源の召喚: 凛が「水があるといいな」と地面を軽く叩くと、そこからクリスタルよりも透明な聖水の川が溢れ出しました。

「……あれ? ちょっと空気が美味しくなったかな? 勇者さん、クラリスさん、どうかな?」

「……師匠、空が青いです。魔界なのに、太陽が見えます」

「凛様……。もはやここには、浄化すべき闇など一片も残っておりませんわ。むしろ天界より神々しいですわね」

魔王、絶望の「おもてなし」

一方、魔王城では大パニックが起きていました。

「報告します! 最前線の『死の荒野』が、一瞬にして『癒やしのラベンダー畑』に変わりました!」

「馬鹿な! 我が魔王城の誇る『絶望の結界』が、花の香りで中和されているだと!?」

魔王がバルコニーに駆け出すと、そこに見えたのは――。

ピンク色の雲、色とりどりの花が咲き乱れる草原、そして……幸せそうにピクニックをしている魔族の民たちの姿でした。

「お、俺の……俺の硬派な魔界が……メルヘンなワンダーランドに……!!」

そこへ、凛たちがトコトコとやってきました。

「こんにちは、魔王さん! リリスさんに案内してもらいました。ここ、とっても素敵な場所ですね! もっと住みやすくしておきましたよ!」

凛は、収穫したばかりの「魔界産・超特大イチゴ」を魔王に差し出しました。

「さあ、魔王さんも食べてください。お腹が空いてると、イライラしちゃいますからね!」

「……(こ、殺される……! このイチゴ、一口食べたら魔王としての自我が崩壊するほどの『善』が詰まっておる……!)」

魔王は震える手でイチゴを受け取り、一口かじりました。

……その瞬間、魔王の目から一筋の涙が。

「……うまい。……なんだ、この優しい味は。俺、もう世界征服とかどうでもいい気がしてきた……」

女神の独り言

「凛……。魔王の野望を『イチゴ一粒』で完封しましたね。魔界の不動産価値が爆上がりして、今や周辺諸国から『移住したい』という問い合わせが殺到しているそうですよ。……あなたは本当に、歩く平和条約ですね」

「よかったぁ! 魔王さんも喜んでくれたみたいだね、紅!」

「はい、あるじ。……ですがあるじ、魔王の城が少し地味ですので、あちらも紅の炎で『お洒落なピンク色のカフェ』に改装しておきましょうか?」

「それはやりすぎだよ!!」

こうして魔界は、世界で最も平和で美味しい**「観光地」**へと生まれ変わったのでした。

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