【第九話】おやすみなさい。
外が暗くなりだした。
仲間が酷いことをされていたのに、逃げ出してしまった。
何故、逃げたのだろうか。
無力な自分に嫌気がさしたからなのか、友人が惨いことをされるのを見たくなかったからだろうか。
雪が降り積もる森の中で、自分が何をすべきか考えていたが、何もできそうにない。
ヲリーヴと初めて会った時のようにフラフラと歩いていた。
ヲリーヴ、団長、ハーデンさん、小歌、鬼井さん、チヨさん。
もう全員救えない。
自分は助けてもらったのに助けられない。
「小生は何もできない」
そう結論が出た時、目の前に一つの道を見つけた。
一本の大木の上に、嫌なロープが吊り下げられていた。
小生が諦めるのにちょうど良かった。
本当に諦めても良いのだろうか。
そう考えたが、できることがない。
ヲリーヴ以外亡くなってしまった。
ヲリーヴは今も頭のおかしい男に泣かされているのだろう。
仲間は生き返ることが出来ない。
頭のおかしい男に勝てない。
諦めて、弱い自分を消してしまおう。
小生は大木に登って、縄を首に掛けた。
自分の身長より高い場所から物を見るのは初めてだった。
息ができなくなるのも初めてだ。
頭がドクドク言ってて、耳鳴りもしてきた。
視界が暗くなってきた。もうすぐ夜だ。
明日は来ないといいな。
おやすみなさい。
読んでくださって本当にありがとうございました!!!
今回で完結ではないです!