表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

【第八話】拷問のような

今日を凄惨で悪夢じゃなきゃ説明がつかない日にしようね。

仲間に惨いことをした奴を許せない。

そんな気持ちのまま小生は走った。


崖を飛び越え、森を抜けて海にたどり着いた。

ほとんどが凍っていて、ほぼ氷海だ。

足跡をみると一隻の黒い大型客船に続いていた。


乱暴に飛び乗って足跡を辿る。

船の中を走っていると、大きな扉の前で止まっていた。


扉を開けると、また理解したくない光景が広がっていた。


口を布で塞がれ、フード男が着ていたものと同じパーカーを着た涙目のヲリーヴが、フード男の膝の上で抱きしめられていた。

よく見ると、ヲリーヴの腕や足が縄で縛られていた。


「こんな時に誰なん?」

フード男が明るい口調でそう言って、フードを外しながらこちらを見た。


「お前!ヲリーヴを放せ!」

怒りに任せて小生がそう言った。


「何言うてるん?てか君だれなん?」

フード男はヘラヘラと笑っている


「ん"!!!ん"ーん"!ん"!ん"!」

小生に気がついたヲリーヴが必死に何かを訴えかけながら、首を横に振っている。


「え?何?ヲリーヴちゃん」

フード男がヲリーヴの頭をそっと撫でた

しかし、次の瞬間

撫でていた頭をガッと掴んで冷たい声で

「あの男なんなん?」

と聞いた。


ヲリーヴは泣きそうになりながら必死に何か話そうとしていた。

「ん、んん"…んん"ん"ん……」

口を塞がれているので聞き取れ無かったが、小生と入口の扉を交互に見ていたので、おそらくだが、「逃げて」と言ってるのだろう。


「なぁ、ヲリーヴちゃん。あの男誰なんかちょっと教えてくれへん?」

フード男がヲリーヴの口に巻いてある布を外した。


「ウェン!はよ逃げて!こいつアカン!あんただけでも生きて!」

ヲリーヴが必死に叫んだ。

やはり、小生の大事な仲間を奪ったのはこいつだ。


「ヲリーヴちゃん、何言うてるん?大好きな旦那さんにはよお友達紹介してくれへんかなぁ?」

明るい口調でそう言ったが、目が全く笑ってなかった。


「何してんのウェン!早く逃げて!アンタには死んでほしくない!」

ヲリーヴがそう言っている間、フード男はヲリーヴの頬に自分の頬をくっつけていた。


小生がフード男に殴りかかろうとした瞬間、男まであと50cm程の所で薄紫色の硬いものに拳が当たり、6mほど吹き飛ばされた。


「君さぁ、ヲリーヴのなんなん?」

フード男は真顔で、低く冷たい声で聞いてきた。


「小生はヲリーヴの友人だ!ヲリーヴは小生の初めての友人だ!」

そう言う小生をフード男は冷たい目でじっと見つめていた。


「へー!そうなんやね!」

そう言いながらフード男はニコニコと笑いながらヲリーヴの口を布で塞いだ。


「お友達が挨拶に来てくれたんか〜、嬉しいな〜」

フード男はヲリーヴが着ているパーカーのチャックを開けた。


「あ、自己紹介が遅れてもうたなぁ。俺はリキュール、リキュール・クンツァイトやで〜。よろしゅう。」

小生はフード男、リキュールに再び殴りかかろうとしたが、ガラスのような何かに邪魔されてリキュールに近づけなかった。

ヲリーヴが震えている。速く助けないと。


「ヲリーヴちゃんは人気者やなぁ」

小生は見えない壁に攻撃を続けたが、壊れる気配がない。


リキュールがヲリーヴにフードを被せて、前を手で軽く閉めてこちらに見せてきた。

「なぁなぁ見てや!彼パーカー!可愛くない?」


「せや!せっかくやし、俺らがラブラブなところお友達のウェン?君にも見せたげようや!」

ヲリーヴのパーカーが脱がされた。


ヲリーヴは震えながら泣いていた。

今回ヤバかったのに、最後まで読んでくださって本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ