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【第七話】許せない

今日は人生最悪の日になるといいな。

おはようございます。

時刻は朝の五時。目が覚めた。窓から朝日がみえた。

今日も仲間との楽しい日にしよう。

あれ?寝室に誰もいない。


もう全員朝食を食べているのだろうか。

この歳で置き去りにされてしまったようだ。243歳にもなって置き去りとは…

待て、待て待て、何で自分の年齢がわかった?

記憶が戻ったのか!?


嬉しい!みんなに伝えよう!!!

急いで居間に行こう!


「団長!聞いてくださいよ!」

そう言って戸を開けたが、居間には誰も居なかった。

探しても誰もいない。

毎日朝食後に後片付けをしてくれている団長も居ない。


もしかしたら、公演は今月なので早めに練習してるのかもしれない。

練習場へ急いだ。


「ヲリーヴ!嬉しいニュースがある!」

そう言いながら練習場の戸を開けた。

誰も見当たらない。舞台裏も簡易的な観客席も見たが、誰もいない。

普段なら朝食後すぐに来て小道具の検品をしているヲリーヴもいない。


嫌な胸騒ぎがした。


衣装チェック等をしているのかもしれないので、楽屋に向かった。

「ハーデンさん!小生の記憶が!」

楽屋にも誰もいない。

毎日楽屋で、全員の衣装チェックをしているハーデンさんもいない。


「小歌!今朝嬉しいことがあった!」

舞台の下も誰もいない。

普段なら舞台の下でこっそり家族と連絡をとっている小歌もいない。


「鬼井さん!記憶が少し戻りました!」

洗面所も、脱衣所も、バスルームも誰もいない。

毎朝、シャワーを浴びてから洗面所にある鏡の前で髪を結んでいる鬼井さんもいない。


「チヨさん!聞いてほしいことがあります!」

小屋の入口前の長い廊下にも誰もいない。

この時間は大体この辺を歩いているチヨさんも居ない。


入口前まで来たところで嫌な匂いがした。錆びた鉄のような匂いだ。


自分の心臓の音が耳で聞こえる程大きくなっていた。


玄関を開けると、悪夢であって欲しいという気持ちが出てきた。


団長

ハーデンさん

小歌

鬼井さん

チヨさん


五人が真っ赤になって倒れていた。


団長はペガサスの姿に戻っていた。

角は折られていて、脚が見たことない形になっていた。


ハーデンさんは虚ろな目をしていた。

脈も呼吸もない。

見えてはいけないものが見えてる。


小歌は目を大きく見開いていた。

肩と腰の位置がおかしかった。


鬼井さんも団長と同じく角を折られていた。2本ともだ。

口と肩がよくみえなくなっていて、刀を持った両腕が2m先にあった。


チヨさんは割れていた。

顔も腕も脚も全部、割れていた。


小生は膝から崩れ落ちて呆然としてしまった。



しばらく混乱していたが、あることに気がついて我に帰った。


「ヲリーヴがいない」


その瞬間、犯人がわかった。フード男だ。


他の団員を消してヲリーヴを独り占めする気だったのだろう。


雪景色をよく見ると、足跡があった。

小生は怒りに任せて足跡を追った。

ヲリーヴだけでも助かるように祈りながら、ひたすら走った。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

毎回感謝しかないです!!!

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