【第六話】戻った日常
2月29日
今日はリハーサルをした。問題なかった。
むしろ、あれが本番でも全然良い程に完璧だった。
練習中はものすごく厳しかった脚本家兼演出家のチヨさんが「これは毎回満員間違いなしじゃ!断言する!」と言っていた。
最高に嬉しかった。
リハーサル中、見たことない俳優が10人ほどいた。
彼らに話しかけたが、劇中のセリフしか言わなくて気味が悪かった。三日前にヲリーヴが話していた〚不思議な別班〛だろうか。
リハーサルが終わって遅めの昼食を食べている際、ヲリーヴと団長とハーデンさんがあることを話していて、それが決定した。
引越しだ。
昨日のストーカーの件で、場所を変えることになった。
魔法で小屋ごと。
昼食後に全員で小屋の周りに線を書いたり、釘を打ったり、御札を貼ったりして引っ越しの準備をした。
準備中に誰もフード男を見ていなくて安心した。
ワープは一瞬だった。
窓の外を見ると同じような雪山だったが、よく見ると景観が全然違った。
団長いわく、前は環辻山の南南東にいたそうだが、今日からは真逆の方向である北北西で練習することになったそうだ。
新しい土地での初めての夕飯中、いつも通りヲリーヴと最後の一個を賭けてあっち向いてホイをして勝った。今日はメンチカツだった。
昨日と違って、ヲリーヴの目は腫れてなくてなぜかホッとした。もう目を腫らした友人は見たくない。
団長が「明日は油揚げだからな〜」と言うと小歌が明日、このあっち向いてホイに参加したいと言い出した。小生とヲリーヴは二つ返事でOKしたが、三人でどうやってあっち向いてホイをやるのだろうか。
明日も全員笑っていられるといいな。
おやすみなさい。
追記
寝室の外から、小屋の外から足音がする。
嫌な予感がする。
最後まで読んでくださってありがとうございます!!!!!