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【第四話】謎のフード男

あらすじ:劇団にも馴染んできたウェンは日記に日々の出来事を記録している。

2月27日


初公演は3月27日だ。頑張ろう。


ヒロインの命を狙う悪役を演じるヲリーヴと主人公役の小生が戦う場面の練習をした。

いつもニヤニヤと楽しそうに笑っているヲリーヴが小生に凄むシーンがあるのだが、歯を剥き出しにして目を大きく見開いた恐ろしい表情をしてきて思わず怯んでしまった。子どもなら確実にトラウマになるだろう。流石プロの俳優だ。


休憩中、小歌(コウタ)が笑いを堪えながら「コレめっちゃ似てへん?」と言って一枚の写真を見せてきた。

写真を見た瞬間かなり驚いた。目を大きく見開いて、歯を剥き出しにしている…ように見える悪魔みたいな写真で、先程のヲリーヴに酷似していた。まるで本人だ。

驚いている小生を見て、小歌が必死に笑いを堪えている。

小歌いわく、先程の写真は雑誌に載っていた家畜に寄生する寄生虫だそうだ。

二人で笑っていると鬼井(おにい)さんが来たので写真を見せた。三人でゲラゲラ笑った。


劇中でヒロイン役のハーデンが主人公といい感じの空気になる場面があるのだが、演技だとわかっていてもドキドキしてしまう。ヲリーヴや小歌に手を握られても何ともないのに、ハーデンさん相手だと頭の中が真っ白になる。

なぜだ?どうなっているんだ?


それと、もう一つ気になっている事がある。

ヲリーヴの見た目や声は女性だが、演じる悪役の名前や言動が男性だ。劇中歌の楽譜を見ると男性しか出ないような低音で歌う箇所がほとんどだ。ヲリーヴにそんなことができるのだろうか。


昼食中、小生は身長が3mほどあるので椅子が小さくて座りにくいと話していたら、ゴールドさんが魔法で椅子を大きくしてくれた。嬉しい。


明日も今日くらい笑って過ごしたい。

おやすみなさい。


追記

現在、環辻山(ワッジヤマ)という雪山にある小さな小屋で練習しているのだ。

吹雪が止まない雪山なのに今日六回ほど人影が見えた。他の団員に教えたいが、見かけてもすぐどこかへ消えてしまう。

どうやら小生しか気づいてないようだ。

見かけた人影は黒いフードの男で、小屋周辺をうろついている。もしかしたら数日前までの小生のように遭難しているのかもしれない。


そうだとしたら助けたい。小生がそうしてもらったように。

最後まで読んでくださって誠にありがとうございます!

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