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【第三話】ウェンの日記

あらすじ:雪山を遭難していた記憶喪失の青年、ウェンが劇団エネルジコに俳優として入団して三日目。

2月26日


言葉や日々の出来事を忘れたくないので今日から日記を書くことにした。



劇の練習の休憩中、日記を書いてみたいと小生を劇団にスカウトしてくれたヲリーヴに話したら「ええやん!せや!これに書きや!」と言ってノートをくれた。嬉しかった。

ヲリーヴの本名はヲリーヴ・フォーテだと教えてもらった。


劇中歌を練習しているハーデンさんがとても綺麗だった。歌声も彼女自身も。

見とれていたら、唐突にヲリーヴが目の前で反復横跳びしてきた。超下手くそで少し笑ってしまった。


馬車を引いていたペガサスが団長だった。びっくりした。団長のゴールドは移動時以外は人間の姿になって料理を作ったり、団員の衣装を綺麗に洗ったりしてくれている。毎日彼が作るご飯は三食どれも凄く美味しい。


演出家兼脚本家のチヨさんに、次の公演でやりたい演出や、変更してほしいシナリオの有無等を聞かれた。特に無かったが、劇団に入ったばかりの小生がいきなり主演であることが不安だと伝えた。

だけど、チヨさんに「そちは演技力も歌唱も問題ないから大丈夫じゃ〜」と言われた。

ちなみにヲリーヴいわく、チヨさんの本名は市松チヨで600歳ほどのベテランだ。


劇団で一番歳が近そうな小歌(コウタ)さんと休憩中に話した。小歌さんも小生と同じく、ヲリーヴにスカウトされて入団したと教えてくれた。

小歌さんは街中を歩いていても華があって目立ちそうな茶髪でキツネ顔のイケメンなので、スカウトされるのも納得だ。

逆に小生がなぜ声を掛けられたのか不思議に思った。


一緒に練習していた鬼井(おにい)さんに台本を覚えるのが凄く早いと褒められた。徹夜して覚えた甲斐があった。

劇中で恋敵役である鬼井さんと、ヒロイン役のハーデンさんを巡って何度か険悪な空気になる場面がある。角が二本生えている者同士、普段仲良くしてもらっているので、ちゃんと演じられるかどうか心配だ。


今日の出来事は、このくらいだろうか。

明日もこれくらい楽しい日になることを願って、今日はもう眠る。おやすみなさい。

最後まで読んでくれてありがとう!

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