【第十話】お疲れ様でした
仲間を救えなかった主人公、ウェンは絶望して人生を諦めてしまった。
樹海を五体ほどのゾンビがヨタヨタと歩いている。
しばらく進んだ後、大木の前で彼らは足を止めた。
「2日11時20分」
「デシ班、ターゲットの遺体を発見しました。」
黒い革製のソファに腰掛けたヲリーヴが無線機を耳に当てていた。
「了解!すぐに回収して持ってきてや!待ってるで〜!」
ヲリーヴは机に無線機を置いた。
ヲリーヴは隣に座っているリキュールに笑顔を見せた。
「見つけたってさ!はよ他の班帰らしてくるわ!」
リキュールは微笑みながら携帯を取り出した
「ほな、俺は他の仕事仲間に連絡しとくわ」
楽屋で受話器が鳴った。
「私が出るね!」
「もしもし!劇団エネルジコのハーデン・ベルギアです!」
2分後、ハーデンはあることを団員たちに伝えに行った。
「仕事終了だよ!」 と
団長はそれを聞いて「そうか、もう終わったのだね」としんどそうに言った。
ハーデンは「あ〜疲れた」と言った。
小歌は「じゃあ、もう皆さんとはお別れですね!お疲れ様でした!」「次の公演観に行きますね!」と言ってその場を去った。
鬼井は「私もですね。お疲れ様です」と言って小歌の後に続いた。
チヨは「うむ、気をつけて帰るのじゃぞ〜」と二人を見送った。
ヲリーヴはリキュールの結ばれた髪をクルクルと触りながら話しかけた。
「“アレ”と仲良くしてたエネルジコの連中も、私の部下の狐田 小歌と鬼井 宏輝も、当然私も全員演技やったんやけどさ」
「あんたは全然演技やなかったんすげぇおもろかったわ」
言い終えるとヲリーヴは豪快に笑った
「あんたやっぱり最高やな!」
そう言いながらヲリーヴはリキュールに抱きついた。
「俺の何でも屋フォルテでの初仕事があんな簡単なもんやとは思わんかった」
リキュールは落ち着いた声で話しながらヲリーヴの背中を撫でた。
ヲリーヴはリキュールの顔をニヤニヤと笑いながら覗き込んだ。
「毎晩あんなんやし、死人に口なしやから楽しかったわ」
「死人に口なし…か、確かに見られても大丈夫やったから、俺も変に加減せずに済んで楽やったわ」
言い終わったタイミングでヲリーヴがリキュールの耳元に口を近づけた。
「あんた、最高の悪役やったで」
リキュールは目を丸くしてヲリーヴを見た。
悪役が超大好きなヲリーヴから出たその言葉は、リキュールにとって最高の褒め言葉だ。
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