9 横矢先輩のお相手は
「……って感じだったのよ!」
「はぁ~、なるほどね~。」
友達の家で今までの事をぶちまけた。
「まあ、私が思ったのは、それならなんで横矢先輩と付き合ったのか、って事なんだけどねー。」
「ぐっ!た、確かに、そうだよね……。」
「なーに?恋に憧れてた、とか?」
「ま、まあ、そんな感じかな。ああいうタイプ周りに居なかったから。」
「ふーん、割と軽い感じで付き合ったんだねー?」
「う、うん。間違ってたかな?」
「一概には言えないけどさー、もうちょっと相手は選んだ方が良いと思ったね。」
「は、はい。仰る通りで……。」
「あー、それよかさあ、ちょっと気になる事があるんだけどねー?」
「な、なによ?」
「これ、見て?」
「なに?スマホ?写真撮ったの?」
「そう、横矢先輩が言い逃れ出来ないようにってね!」
「それならもう……。」
「問題はこっち!!」
「こっち?なに?」
「横矢先輩のお相手!」
「え?あ、あれ?この子……?」
「わかる?この子朝霧君の彼女でしょ?」
「ほ、ホントだ……。」
「でしょ?」
「え?なんで圭吾の彼女が、横矢先輩と?」
「さあね。で、どうする?」
「どうするって……。」
許せない。
圭吾と付き合っていながら、横矢先輩と、だなんて。
絶対に許せない!!!
「圭吾に伝えようと思う。」
「そのまま言うの?」
「それ以外に方法があるの?」
「そうだけど、朝霧君傷つくよ?」
「でも!!このままじゃ圭吾が!!」
「そうだね。だから、伝えた後はちゃんと支えてあげた方がいいんじゃないかな?」
支える……?圭吾を?
「あたしは蓮花の友達だから、余計なことは言わないでおこうと思ってたんだけどね、朝霧君の好きなタイプの話、覚えてる?」
「え、お、覚えてるけど、それが……?」
「ホントにわかってないんだね?あれ、蓮花の事でしょ?」
「え?わ、私?」
確か、黒髪ストレートロング、細身で優しい子、だったかな?
あ、あれ?
優しいかはわからないけど、私、なの?
え、じゃあ、圭吾は……。
「わかったみたいね。蓮花が横矢先輩と付き合って、朝霧君大分落ち込んでたみたいなのよ。」
「そ、そんな……。」
「それを支えたのが、今の彼女、って事。」
「え、それじゃあ……。」
「ええ、朝霧君、また傷つくわね。立ち直れるかしら?」
「そんな……。」
「それで、どうするの?蓮花は。」
「わ、たしは……。」
どうすればいい?