5 タイプとは違うけど
いきなりの告白。
もしかしたら、とは思っていたけど、驚いた。
「え、でも俺、北川さんの事よく知らないし……。」
「そ、そうだよね。え、っと、だったら私の事知って欲しい!」
「う、うーん……。」
「わ、私ね?一年の頃から朝霧君の事、いいなって思ってて!」
「一年の頃から?」
「そう!その頃は廊下ですれ違った時に、カッコいいなって思ってたの!」
「そ、そうなんだ。」
「うん!それでね?友達に朝霧君と同じ中学の子がいて、その子から色々話を聞いたりしてて!」
「あ、ああ。」
「凄く色々な事に頑張ってて!朝霧君が体育の時とか、私窓際の席だから、朝霧君の事目で追ってたりしてたの!」
「う、うん。」
「でも、声を掛けようとしても、隣にいつも宮島さんがいたから……。」
「そう……だったな。」
「あ!ごめん!朝霧君、宮島さんの事好きだったんだよね?」
「うん……まあ。」
「私もそれがわかってたから、諦めてたの!だけど、宮島さんに彼氏が出来たって聞いて……。」
「……そっか。」
「私、自分でもズルいってわかってるの!落ち込んでる朝霧君に付け込むような事してるってわかってるの!」
「いや、ズルくなんか……。」
「でも、でもね?それでも朝霧君を諦められなかったの!だから……だから私の事も知って欲しいの!」
「知って欲しいって、どうすればいい?」
「え、っと、これから私と一緒に帰ったり、遊びに行ったり、お話したりして欲しいの!」
……どうする?
正直北川さんを好きになれるか、わからない。
悪い子じゃないとは思うけど。
蓮花の事も忘れなきゃいけない。
いい機会かもしれないな。
蓮花以外の子の事も知ってみてもいいかもしれない。
「わかった。俺で良かったら、これからよろしく。」
「え?ホントに?やった!!!」
「付き合うかどうかはわからないけど、それで良かったら。」
「ううん!!全然いいよ!!良かったぁ!!」
これでいいんだろう、きっと。