2 えっ?
早速その日の夕食から料理に挑戦してみた。
「アンタ、急にどうしたの?今まで手伝いだってしなかったくせに。」
「こ、これからの時代は男もちゃんと料理出来た方が良いんだよ!」
「そりゃそうだけどさ。……なんかあったな?」
「別に意味なんかねえって!」
「あ!わかった!!蓮花ちゃんでしょ?」
「ち、ちげえって!!蓮花は関係ない!」
「へー、そう。ま、いいわ、母さん楽できるし。」
取り敢えずカレーを作ってみた。
「ど、どう?」
「あのね、カレーなんて市販のルー使えば誰でも作れるの!」
「だとしても、美味いかどうか気になるだろ?」
「アンタも食べなさい。美味しいから。」
「マジで?」
「味は良いけど、野菜を切るのとかはまだ訓練が必要ね。」
「そっか……。まあでも、美味いからいいか!」
「これからの頑張り次第ね。」
「おう、頑張ってみようかな。」
そんな感じで、時間がある時は俺が夕食を作ることにした。
何事もやらなきゃ上手くならないよな!
場数をこなそう。
そんな感じで料理を頑張って、三ケ月。
まあまあ上達してきた。
レパートリーも増え、包丁捌きもレベルアップ。
この調子で行けば、料理が得意、まではいかなくとも、料理が出来る、くらいは言ってもいいくらいにはなれそうだ。
そんな日々を送っていたある日。
「なあ朝霧、宮島さんがさっき三年の横矢先輩に告白されて付き合うようになったってマジ?」
「……えっ?」
嘘だろ……?
蓮花が付き合い始めた?
誰だ?横矢先輩って……?
「な、なあ、誰だ?横矢先輩って!」
「え?知らなかったん?」
「し、知らねえよ!その話マジなのか?」
「マジっぽいよ。宮島さんのクラスはその話で持ち切りだってさ!」
「は……?え……?」
「だから早く告白しちまえって言ってたんだよ!」
「い、いや、そんなこと言ったって……。」
「どうすんだよ?圭吾もずっと好きだったんだろ?」
「ど、どうするって……。」
「幼馴染なんだろ?報告はあると思うぜ?」
「そ、そうだな……。」
「その時に告白してみるか?」
「わ、わかんねえ……。」
「うーん、宮島さんがどういう経緯で付き合う事になったのか、わからんしなあ。」
「ああ。さっぱりわからん……。」
「まあ、それ聞いてから考えるしかねえよなあ。」
「あ、ああ……。」
嘘だろ?きっとただの噂なんだよな?
そ、そうだ、ちゃんと確かめないと。
そんな事を考えていたら、いつの間にか放課後に。
蓮花のクラスに向かう途中、メールの通知音が鳴った。
『ごめんね!彼氏が出来て、今日から一緒に帰るの。これからは圭吾と一緒に登下校は出来なくなるの。本当にごめんね?』