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好みのタイプ変わったの?  作者: にやり
10/11

10 蓮花の覚悟



「ホントに一人で大丈夫?」


「うん、大丈夫。ありがとね、心配してくれて。」



横矢先輩と別れた次の日。


友達の家から学校へ向かい、授業も終わり放課後になった。


友達から例の写真を私のスマホに送ってもらい、準備は整った。


これから圭吾につらい思いをさせてしまうと思う。


だけど、このまま放っておくことなんて出来ない。


圭吾のクラスに向かう。



「圭吾!お待たせ!帰ろ!」



北川さんが、圭吾の首に飛びつくのを見てしまった。


仲が良いみたいだね。


胸がズキリと痛む。


なら、なんで……。



「おう、帰ろうか……。」



北川さんに応えた圭吾が、私に気付いた。



「どうしたの?圭吾?」



不思議そうに圭吾に問いかけ、北川さんが私に気付く。


顔色が変わったね。


あの時、居たもんね。



「圭吾、ごめん、ちょっと話があるの。」


「急になんだよ。今日は愛と」


「北川さんにも関係がある話なの。三人で話せないかな?」


「愛にも?何の話だ?」


「ここでは言えない。三人で話したい。」


「……愛、どうする?」



ちゃんと彼女の意思も聞くんだね。



「……私は話すことなんてない。」



そうだろうね、だけど。



「北川さんがなんで浮気なんてしたのか、聞きたいの。」


「は?!な、何言ってんだよ!蓮花!!」



信じられないよね、信じたくないよね、ごめんね?圭吾。



「いい加減な事言ってんじゃねえ!!いくら蓮花だって」


「圭吾!ここは学校でしょ?大声出さないで。他の人に聞こえちゃう。」


「……どういうことか、聞かせろよ、蓮花。」


「いいよ、圭吾、こんな人放っておいて帰ろうよ!」


「なに言ってんだ、愛。こんな事言われて、放っておけって?」


「好きに言わせておけばいいんだよ!自分が彼氏と別れたからって、嫌がらせに来たんだよ、きっと!!」


「別れた?蓮花が?」


「どうして北川さんが、私が彼氏と別れた事を知ってるの?」


「えっ?あっ……。」


「私、昨日彼氏と別れたの。まだ誰にも言ってないんだよ?」


「?どういう事だ?」


「細かい話は、三人だけで話そうよ。」


「……わかった。屋上でいいか?」


「いいよ、北川さんもそれでいい?」


「……。」




屋上にて。



「どういう事か説明しろよ、蓮花。」


「……この写真、見てくれる?」


「何だよ?一体………!!こ、これ、愛……?」


「そう、横矢先輩と北川さん。それ見て私、横矢先輩と別れたの。」


「ど、どうして?!なあ、愛!!どうしてだよ?!」


「ち、違うの!!先輩はただのセフレなの!!」


「……え、せ、せふれ……?」


「そうなの!好きなのは圭吾だけなの!!ホントなの!!信じて!!」


「え、な、何を言ってる……?愛……?」


「横矢先輩とは中学生の時に付き合ってたけど、すぐに別れたの!それからは、偶に会ってエッチするだけなの!!」


「な、んで俺と付き合ってるのに……。」


「あ、そ、それは……。でも!!ホントなの!圭吾のこと本気で好きなの!!」


「なに言ってんのかさっぱりわかんねえよ、愛……。」


「あ、え、ね、ねえ!!圭吾?し、信じてくれるでしょ?」


「なにを?なにを信じろって?……信じられるワケねえだろーが!!!」


「ひっ!や、やだ、圭吾、怒らないで……?」


「……愛、別れてくれよ。」


「い、嫌!!イヤだよ!!圭吾!!!」


「イヤなのはこっちだ!!!もうたくさんだ!!!!」


「やだ、やだぁ!!!別れたくないよ!!」


「いい加減にしてくれ!もう俺に関わるな!!!」


「やだぁ!!圭吾ぉ!!」



圭吾が帰って行く。


私も圭吾の後を追う。


肩を落として階段を下りる圭吾を見ていると、やっぱり放っておけない。



「圭吾……。」


「蓮花も俺の事は放っておいてくれ。頼むから……。」



圭吾は泣きそうな声でそう言った。


放っておける訳ないでしょ!!!


だって、私は……。


階段の踊り場で俯く圭吾に向かって、抱き着いた。


力いっぱい、心を込めて。


圭吾を抱きしめた。


抱きしめながら、私も泣いた。


ごめんね、圭吾。


つらい思いさせたのは、私も、だよね?


ごめんね?本当にごめんね?


私、バカだったよ。


自分の気持ちにも気付かずに。


どうしたら償えるのか、わからないから。


だから、圭吾の傷が癒えるなら何だってするよ。
























私が、圭吾を支えるんだ。





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