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異世界転生したら失われた「呪力」を持っていたようです  作者: けーしん
第一章 カートゥーン王国編
51/51

51.VS黒竜 【5】

投稿するのを忘れてました(汗)

これからは投稿頻度戻していきます。


深夜テンションで書いていたのであらぬことを書いているかもしれませんが、まぁ、許してください

「獄炎魔法<舞>」


『我は……勝たなければならぬ』


「残念だけど……そうはさせない」


俺と黒竜(ブラックドラゴン)は対峙しながらお互いに魔法を放ち合っている。

数々の魔法により、周りの地形は戦いが始まる前と比べてすごく変わっている。


たくさんの木々が薙ぎ倒され、地面もデコボコしていたり、あまつさえ、高温によってガラス化してしまっている地面もある。


『森は……我の住処……荒らすものは……許さない』


やや、虚な瞳で俺に物言いする。

まるで自我がなくなったかのように。


「っ!!水魔法、<水盾(ウォーターウォール)>」


黒竜(ブラックドラゴン)がおもむろに放ってきた魔法を水の壁で防ぐ。

先ほど「呪力暴走(スペルレージ)」を起こしてから、俺の呪力は体から溢れるかのように使えるようになっていた。


実質、無尽蔵の魔力だ。


「セイル!バルジさん!黒竜(ブラックドラゴン)の討伐証明部分って、どこでしたっけ!」


「確か、頭にあるツノ、だったはず!」


(ツノか……もしかしたら、いけるかな?)


「わかった!ツノだな!!ラエル、ノエル!黒竜(ブラックドラゴン)の横側に走ってくれ!!」


「「……?……ああ、わかった!!」」


俺が指示を出すと、二人は即座に黒竜(ブラックドラゴン)の横へ展開した。


…………この中で一番黒竜(ブラックドラゴン)について知識がないの、俺な気がするんだけれども……

……マーチェがいるからいっか。


「よし!ラエルはそのまま待機!ノエルは土魔法で少しだけ黒竜(ブラックドラゴン)の動きを止めてくれ!」


「「……わかった。」土魔法<隆起>!」


ノエルは地面の下から土を出して、黒竜(ブラックドラゴン)の足を止める。

その隙に、バルジさんたちのパーティーが魔法を放ったりする。


みんなが攻撃している間、俺はある仕込みをした。


「よし……準備OKだ」


「スバル!そろそろいいかな!もうこれ以上は……少しばかり辛い!」


「ああ!もう離れていいぞ!()()()()()()


「真後ろに……?わかったけど……なんで?」


「今それを説明している暇はない!っていうか、言ったらバレるだろうが!」


「「「あ」」」


『ほう……我に仕掛けか……面白い。どんなものか見てやろうぞ』


「ば、バレちゃった……」


「「「バレちゃった、じゃねえよ!!!」」」


『き、貴様らァァァ!!どこまで我をコケにするつもりだァァァ!!!』


怒り狂った黒竜(ブラックドラゴン)は俺たちに向かって口から竜の息吹(ドラゴンブレス)もどきを吐き出してくる。

()()()とはいえ、多分、本家のものにも引けを取らない威力があると思う。


しかし、竜の息吹(ドラゴンブレス)が俺たちに届くことはなかった。


「討伐依頼っていうから、お前のことを殺そうと思ったけど……やっぱやめた」


『ぬぅぅ!?』


「少しだけ、おとなしくしていてね」


黒竜(ブラックドラゴン)は苦しそうにしている。

俺が用意した罠にまんまと引っかかったようだ。


『ど、どういうことだ……?体が……動かない……』


「さっきはバレた、とか言ったけど、結局はあれ、わざとなんだよね。みんなが乗ってくれてよかったよ」


『……ということは……』


「もちろん仕込ませてもらったよ。君が結界を発動する前にね」


『なんと……?そのような素振りは見せなかったように思うが……』


「罠を仕込む素振りを見せてどうすんだよ。…………まぁ、いいや、それじゃあ、失礼するよ」


そう言って俺は、タスライトを握り直す。




「討伐依頼達成、っと。これでいいよね?」


「あ、ああ。一応、その部位を持ち帰れば討伐達成だけども……本当に生かしておいていいのか?」


「ん?ああ……まぁ、本当の黒竜(ブラックドラゴン)なんて見たことないけどさ、あれは多分少し違ったと思うんだよね。それに、釘を刺しといたからもうあと一千年はおとなしくしてるでしょ」


そう言いながら、俺はさっき自分で言った言葉を思い出す。


『これに懲りたならもう出てくるな。眠ってろ。人間の邪魔をするなら、今度こそ必ず殺しに行く』


……我ながら、だっさいセリフである。

穴があったら入りたい……


こうして、あっけなく終わった黒竜(ブラックドラゴン)戦。と思ったんだが……


「おとなしくなんかするわけなかろう」


後ろから、聞き覚えのある声がすると思って振り返ると、そこには人間がいた。

いや、正確には、人間に擬態した黒竜(ブラックドラゴン)なのだが。


俺が最後に使った拘束の魔法が気になったらしく、さっきからずっとついてきている。


「おい、お前、さっさと帰らないんだったらここで首を刎ねるぞ?」


「くくく……人間の法では、街中で剣を振り回したり人傷沙汰を起こしたら大罪扱いで死刑らしいじゃないか」


「お前、人間じゃないだろ」


「ぐっ…………」


俺たちが戦っていた虚な黒竜(ブラックドラゴン)はどこへやら、よくわからん人懐っこい人間(性別不明)ができた。

……全く、竜とは不可解な生き物だ。


「とりあえず、俺はお前を連れていくつもりはないから。っていうか、普通にバレたらやばいだろ。さっきのとこで大人しくしてろ。百年経てば俺は死ぬんだし」


「断固として断る。説明してもらうまで、帰る気はない」


ーーなぁ、どうせなら、ここで呪術を使ってみたらどうだ?


「は!?って……」


いきなり大声を出した俺をみんなが奇怪なものを見る目で見てくる。


「あ、なんでもないです……」


ーーそれで?俺は呪術の使い方なんて知らないけど?


ーーはぁ……あのなぁ、呪術ってのは、根本的に魔法と同じなんだよ。だから魔法が使えるやつが呪力を手にしたら普通はすぐに呪術を使えるようになるもんだ……お前は……単純に呪力が多すぎるせいでコツが掴めていないだけなんだろうしな


ーーふーん。で、できんの?


ーーさあな?さっきの拘束の魔法、あれをイメージすればできるんじゃないか?


ーー拘束の魔法ねぇ……いやあれは、単純に糸を強化して切れないようにしただけなんだがなぁ……流石に糸だと、無理があるよなぁ……


ーーお前、呪術を舐めているのか?呪術ってのは、「呪い」だぞ?つまり、魔法とは全くもって性質が違う。そんなチンケな魔法と比べるな。魔法を呪術で再現するだけでどれだけの効果が上乗せされるかわかっているのか?


ーーうーん……まぁ、二倍ぐらいには増えるんだろうけど……


ーーんなわけあるか。軽く見積もって百倍は行くぞ。お前の呪力量なら、一千倍、万倍も夢ではなさそうだしな。


ーーで?それだとどれくらいの期間拘束できんの?


ーーは?そりゃもう、拘束じゃなくて封印だろ。軽く一千年は動けなくなるぞ?あの黒竜(ブラックドラゴン)。あれはまぁ、一応結構な力をもっていたしな。もっと普通のやつだったら十万年は封印できるんじゃないか?お前の呪力があれば。


ーーじゅ、十万年……


ーーで、やるのか?やらないのか?どっちにすんだ?


ーーもちろん、邪魔だからするはするけど、流石に五百年程度でいいかな?


ーーバカが。竜にとって五百年だったら体感時間で一週間もないわもっと伸ばせ


ーー人間にとって五百年は長いんだよ。世代交代なんてレベルの話じゃなくなってくる。最悪、今のこの魔法でさえ、失われたもの扱いされる可能性だってあるんだ。人間にとってはそれぐらいがいいんだよ。


ーーはぁ…………お人好しなのか、面倒くさがり屋なのか、ただのヘタレなのか……お前はなんなんだ……


ーーで?どうすんだっけ?


ーーほら、さっさとあの竜に向けて鎖を巻き付けるイメージをしろ。魔力ではなく、()()()、な。


「おーい、そこの黒竜(ブラックドラゴン)ぅーちょっとこっちこーい」


「お?なんだついに話す気になったか?」


「それじゃあーー」


俺が、体の中にある紫色の呪力で鎖をイメージして黒竜(ブラックドラゴン)に巻きつけた。


「……?なんだ?力が出ない………?」


「差し詰め成功といったところか」


ーーなんとかなったな。呪力による呪術の一番の良さは()()()()()()()。実物として現れることはないからな……ま、代わりに紋章が体のどっかに入ることになるんだけども。


「じゃあついでに、これも重ね掛けしておくか」


そういって俺は魔力で鎖を実体化させて竜に巻きつけた。


「これであと一千年は動けないでしょ。それじゃあ大人しくしててねーー」


そういって俺は転送魔法で黒竜(ブラックドラゴン)が元いたらしい谷まで送った。

全部が終わった後に振り返ると、「うええぇぇぇ」って顔をしたみんながいた。


「あんたって意外とえげつないことするよね」


「流石に竜さんが可哀想でした……」


「……あれって黒竜(ブラックドラゴン)だったんだよな?それを抵抗する間もなく?」


「最初からそうしていればよかったのでは?」


「それはあいつが油断してたからだったんだよ!!!」


「「「あ、なるほど」」」


「ふざけんなぁぁ!!」


あからさまに俺をバカにしたような(?)発言が降った。


「束縛プレイとか……S気質だったのか……」


「わわわ私は!そんなことされても……」


セイルのいった言葉にみんなが振り返る。


「え?あ!!い、今の忘れてくださいぃぃ〜」


顔を派手に赤面させながらセイルは逃げていってしまった。


これは……とんでもない展開になっちまったな……




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