47.VS黒竜 【1】
まーた投稿間隔が空いてますねぇ……
モチベがどんどん下がっていっている……訳ではなく、最近色々と忙しいからですね……
明日もできたら投稿します。
『む……やはり貴様か……我が旧友を殺したのはッ!!』
「は?旧友?何言ってるんだ?」
『しらけるつもりなのだろうが貴様はッ!わが友を今、この場で殺していたではないかッ!!』
「友……?もしかして……」
俺はマーチェの方を見る。
一瞬ビクッとした感じだったが、俺が何に気づいたのかわかったのか、フルフルと首を横に振った。
『我が友、不死鳥の生まれ変わりとも言われたフェニックスをやったのは貴様だろう!』
「フェニックス…?不死鳥…?さっきマーチェが出していた……」
「黒竜!あなたはきっと勘違いしているわ!あれは私が魔法で出した幻影……本物ではないわ!」
そう言うマーチェ。
だが、本当に昔親友だったのか、黒竜ブラックドラゴンは聞く耳を持たない。
『いや…!貴様らからは我が友フェニックスの魔力波長を感じるぞ!貴様らがやったのだろう!!』
「そもそも……炎のドラゴンってなんだんだ?そんなの無いはず……」
「多分魔竜の類のはずだと思うけど……」
「待ってマーチェ!あなたのその剣!それってもしかして……」
セイルの言葉に気づいたマーチェは、自分の背中に差しておいた魔竜剣を抜き放った。
『むぅ!それはまさに我が友の魔力波長…!やはり貴様らが……!』
……なるほど……
……よくもやってくれたな、じいちゃん……
「少し勘違いしているみたいだけど……これって仕方ないことなのかな?」
「SSSSランク相手に……余裕ぶっこいていられるのってあんただけだと思うわ……」
『そうか人間……やはり貴様らが……』
それと同時に黒竜は天に向けて、咆哮をした。
もちろん、竜の息吹では無いので何かしらの魔法は出てこないのだが。
周りの大気が揺れた。
「ここで戦りあったらあ・っ・ち・への被害が馬鹿にならなそうだな……」
『ほう……我が友を殺しながらも同種は守ろうとするか……』
いや、別に移動しなくてもいいんだけど……
壊滅させたら世間的に……俺の立場が……
「空間魔法<転移>」
その場にいる全員に魔法をかける。
ちなみに空間魔法は俺が考えた魔法……というわけではなく、
単純に転移魔法と召喚魔法と転送魔法、異空間収納魔法って、全部同じ分類に入るんじゃね?と思ったからだ。
さらに森の奥……一度来ていた竜の谷の手前まで転移した。
『……よもやこの時代にそのような魔法を使う奴がおるとはな……』
「この時代って……お前、何年生きてるんだ?」
『はっ、たかだか数十年しか生きれない人間に、それも今から死んでいく人間に教える必要はあるまい』
……なんか聞いたことあるフレーズだな……
……黒竜さん、それって死亡フラグって奴なのでは?
「まぁ、元々討伐依頼だし……結局は殺すことになるんだけどな」
『人間よ。余裕ぶっていられるのも今のうちだぞ』
「残念。魔石、もらってくよ」
『やれるものならやってみるがいい!友を殺した敵、ここで取らせてもらうぞ!!』
こうして俺たちと黒竜の戦いの火蓋が切って落とされた。
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『どうしたんだ?あれほど啖呵を切っていたのにその様か』
「ちっ……こっちは制限付きなもんで」
『はっはっは。……敗者に口無し。残念だが、我を殺そうとした上に友を殺した。ここで死んでもらおう。』
俺たちはまさに満身創痍の状態で黒竜に対峙していた。
俺の呪力量の制限。
最初に俺たちは猛攻を仕掛けたが、その後の反撃に防御魔法をかけて精神ダメージをたくさん受けてしまった。
セイルの治癒魔法でなんとか意識は繋がっているものの、ダメージは大きい。
(このままのジリ貧じゃ……すぐに負けるな……仕方ない)
俺は今まで使ってこなかった武器を使うことにした。
「空間魔法<異空間>…………来い」
俺は異空間収納の中からタスライトを引っ張り出した。
ーーなんだ?ボロボロじゃねえか。……うん?黒竜?
「少しだけ使わせてもらうぞ」
ーーよく状況が理解できんが……仕方ないだろう
『……!?なんなんだその禍々しい剣は……さては貴様、そこの魔族と同じ魔族なのか!?』
「魔族って……え!?」
気付かれてた!?
角が生えていないから俺でも気付かなかったんだぞ?
受動探索魔法でも特に引っ掛からなかったし。
『だがまぁいい。今から貴様は死ぬのだからな』
「それはどうかな?」
俺は思い出したくもない前世の記憶を弄った。
覚えているのは中学の頃に少しかじった程度でやっていた剣道。
足の動きはほぼ覚えていないが……確か中段の構えとかなんとかがあった気がする。
『ほう……至ってシンプルかつ隙のない構え……』
「おらっ!!」
『だが、構えが良ければいいというものでもあるまい。』
黒竜は俺が出す斬撃をいとも簡単にかわすと、口を大きく広げた。
『殴られるばかりも良いものではない』
その瞬間、轟音と共に視界が激しく揺れる。
黒竜が起こした咆哮だ。
黒竜は竜種の中でも特別なスキルがない代わりに残虐かつ頭がいい。
それに基礎身体能力は他の竜種に比べてすごく高い。
特に黒竜の放つ咆哮は、相手の平衡感覚を失わせ、立つことができなくなるぐらいの威力がある。
『……それで何度もなのだ?我の咆哮をこうも耐える人間を我は見たことがないぞ?』
「竜との戦いは初めてなんだけどな……まさか最初の討伐依頼が黒竜であるとは思いもしなかった」
『それに貴様……まだ人間の中でも子供であろう?なぜそれほどにまで強い?』
「黒竜に褒められて悪い気は……しないな」
もう何度目かもわからない突撃をした。
もとより、風魔法で斬撃を飛ばしていたりしていたので呪力量も魔力量もミリも残っていない。
『むぅ……』
黒竜は主に爪や牙で襲いかかってくる。
それを俺がタスライトを使って防ごうとすると、黒竜は触れるのを嫌がって離れていく。
「ちっ……そろそろマジでやばくなってきたな……」
マーチェもセイルも、満身創痍だ。
途中までは二人も魔法を黒竜に向けて放っていたのだが……やはり魔力の使いすぎか、二人とも既に息が上がっている。
『そろそろ終わりか。我が友の敵、取らせてもらうぞ』
ーーここまで死にかけになるとはな……流石にもう終わりか?
「ったく、嫌味ばっか言いやがって……」
ーーまだ余裕を持っている時点で死ぬ気はないんだな?
「いや、流石にこれはな……痩せ我慢ってところかな」
『なんだ?身内の間で最期の別れでもするのか?いいだろう待ってやーー』
「ーーは?」
何もしていなかったはずなのに、突然、手の内が光り始めた。
紫色に。
「今、ここでなのか?普通ありえないだろ!?」
「ス、スバル…?それって……」
『なんなのだ!貴様らは!!その剣といい、その魔力といい!!』
「俺もよくわからんがな……これを使ってお前を殺すことにするよ」
紫色の暴走した呪力はどんどん肥大化していく。
(そういえば……)
『ーー呪力によって暴走を起こしたことがあるのなら、その時に呪力を操作する際、魔力を操作するようにイメージで操作するのではなく、物理的に抑え込むことが大切だーー』
(ここでやってみるか……?)
「ぐ……なんのだ貴様らはッ!」
そう言って黒竜は爪を振り下ろしてくる。
俺は片手にタスライト、もう片手には暴走仕掛けた呪力がある。
避けられない。
そう思った時だった。
「うわっと!大丈夫だったか?」
俺たちの前にバルジさんたちがいた。
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