3.呪力
相変わらず短いですね。はい。
明日も何個か投稿します。
ある日。
いつも通り午前中にばあちゃんと稽古をした後にじいちゃんに魔法を教えてもらっていた時にそれは起きた。
魔力を集めていたら急にじいちゃんが言った。
「おいスバル。お前…」
そこまでいって俺も不思議なことに気づいた。
普段なら魔力を集め、凝縮すると青白い色に発光する。だが、俺が集めていた魔力は…紫色だった。
「!今すぐ辞めるんじゃスバル!」
しかし、なかなかそれは霧散しなかった。自分の意思に反して大きくなっていく。
(普段ならすぐなくなるのに…)
と、思った次の瞬間、目の前が真っ白になり大きな爆発音がした。
視界が開けてきた時にあることに気づいた。
目の前の森がなくなっていた。
「これは…」
ばあちゃんがすごい顔をしている。
「これは……呪力か?」
「「え?」」
「太古の昔に消えたとされる力じゃ。確か魔力にも変換できる」
どうやら俺は今はない「呪力」と言うものを持っているそうだ。
呪力は空気中にある魔力とは違い個人個人が持っている力らしい。
しかし、呪力は結構昔に最後の使い手が伝承せずに死んだことによって途絶えられたと考えられていた。
「にしてもなぜ……」
「まぁいい。それならこれからはそれを使って魔力の練習をするとするか」
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「ふぅー」
一年が経った。この一年で分かったことは、「呪力が無限にあること」だ。
ようやく、呪力を魔力に変換して、それをさらに固有の魔法に変えることができるようになった。
呪力が無限にあることで、俺はどれだけ魔法を使ってもいい、と言うことがわかった。
本来の魔術師は空気中の魔力を集め、魔法に変換し放った後、もう一度魔法を使うためには一から魔力を集めなければいけなくなる。その点、俺は体内にある呪力を魔力に変換する作業をすれば魔力を集める必要はない、と言うことだった。
(でも、これを変換するのがしんどいんだよなぁ)
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「スバル。ちょっとこれを見てみい」
「?わかった。ちょっと待ってて」
呪力を魔力に変換する練習をしていた時にじいちゃんに声をかけられた。
手渡されたのは分厚い本だった。
「なにこれ?」
「これはわしが取ってきた呪術に関する本じゃ」
「…え?」
「じゅ…呪術?呪力じゃなくて?」
「そうじゃ」
俺はじいちゃんが持ってきた本の内容を聞いてとても驚いた。
呪力じゃなくて呪術だったから。
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