23.騒ぎ
すみません。また投稿が遅れました。
この先も2週間ぐらい投稿が遅れることがありますのでご了承ください。
(「呪力暴走」の数倍の威力か…いや…これはもはや十数倍だな…)
俺は今俺が作ったクレーターの中心で呆然としていた。
爆発させたはずなのに、自分には危害が及んでないところを見ると自分の身を守のには最適だがいかんせん範囲が広すぎる。
(マーチェやセイルがいるところでは使わないようにしようっと…)
そう思って俺はセイルとマーチェのところへと戻った。
「スバル君?!大丈夫?!」
「大丈夫って…そりゃあ大丈夫だけど…」
「っほ…よかったぁ。さっき大きな爆発音がスバル君が行った森の方向から聞こえてね」
…それ俺がやったやつか?
「スバル…あんたもしかして…」
「はいはいマーチェさん病人はちゃんと休んでないとねー」
「病人じゃないんだけど…」
なんとか俺がやったことは隠せたようだ!やったね!
「それじゃあ俺は部屋で本を読んでるから。何かあったら来てね」
「わかった。それじゃあねスバル君」
そうマーチェとセイルに断りを入れた後俺は自分の部屋へと戻っていった。
(それにしても…まさか気付かれるとは…)
そうして、俺は昨日読めなかった『呪術 〜最後の伝承者〜』を開いた。
『ーー物理的に呪力を抑え込む
これが呪術において肝となるところだ。
一度自分で試してみるといい。だが決して他人に危害を加えない森の中でやるように。
万が一暴走してしまってはダメだからね。
さて、ここまで呪術について話したが、一つだけ呪力には弱点がある。
ーーそれは、聖力と神力だ。これらは呪力によって作られた呪術を解呪することができる。
できるだけこの力には近づかないことをお勧めする。決して他人に自分の呪術を解呪させてしまってはいけない。
なぜならそれをすると個人差にもよるが最悪、君は死ぬ。俺は今すでに10回ほど解呪させられたがまだ生きている。
これは俺が正当な呪術の後継者だからだ。君は一回解呪されただけで死ぬかもしれないので注意する必要があるだろう。
だがこの世界に聖力や神力を使える人はそうそういない。
俺がいる時代にも聖力が使えるやつは六人。
神力が使えるやつはたった二人だった。
代わりに呪力を持ってるやつもそうそういない。
細心の注意を払ってくれよ。』
ーーはぁ。なんだこれは…情報量が多すぎて何から手をつければいいのかわからないが少なくとも神力や聖力を持つものには近づくなということはわかった。
にしても大変だな…呪術を解呪か…できればされたくないな…
っていうかこれはじいちゃんの言ってたこととちょっと違くないか?確かじいちゃんはーー
『術者が生きている限りは呪術は永遠に残る』
とか言ってた気がするんだがな…
ちょっと違ったか?
いや、でも大方こんな感じで言っていた気がする。
本当にこの人はすごい人だったんだろう……
ちょっと呪術のことは離れて他の本を見てみるか…
こうして俺は『魔剣 〜その一〜』を開いた。
(魔剣、か…こっちも結構思い入れがあるな…)
俺はさっきマーチェから返してもらった自作の魔剣を見ながら一ページ目を開いた。
この本に書いてあったことは大体こうだ。
ーー魔剣とは何か
ーー魔剣の作り方
ーー今主に出回っている魔剣の種類
ーー魔剣の特徴
ーー魔剣の覚醒
の五つに分けられそうだ。
特に気になったのは魔剣の覚醒だ。
どうやら魔剣は長い間ずっと人と触れ合っていたり長い間ずっと孤独だったりすると自我を持つらしい。
ただその長い間というのは100年とかではなく、最低で500年、一番古いやつだと4万年前に作られた剣らしい。
それも相当の名工が作った魔剣で込められる魔力ーーつまりその剣が内包できる魔力が尋常じゃなく、普通の魔剣士の魔力を100人集めても足りないぐらいなんだとか。
相当の自我を持っており、その強すぎる自我故に使用者が逆に乗っ取られるなどのこともあるそうだ。
…………普通にヤベェな…
俺は無限の呪力を魔力に変えられるので、実質魔力は無限に扱えるが精神は相当消耗するだろうな…
できればそんな魔剣は使いたくないところだ…
そしてもう一つ。魔剣の作り方をよく読んだ。
魔剣の作り方は至ってシンプル。自分が使える魔法を剣に乗せるだけで完成。
と、聞こえはいいがこの魔法を剣に乗せるという技術が相当難しいらしい。
そのほかにも魔物や竜などの固有魔法を剣に乗せるときは契約が必要になる。
契約をするには、話し合いをして力を分けるか力づくで契約させるかの2通りがある。
ちなみにこの本にはマーチェの使っている魔竜剣クッテルカルムもあり、これは魔竜を力づくでねじ伏せ、契約させて作った剣なんだとか。
……あのじいちゃんがやりそうなことだ。
…サンムーンにいた時には往生の二の丸と三の丸を半壊させたって言ってたし…
やっぱじいちゃんは若い頃結構暴れてたんだなぁ…
と、そんなことを思っていると外が騒がしいことに気づいた。
「スバル君?!なんか外がすごいことになってるんだけど?!」
「ああ。それ今俺も言おうとした。どうしたんだ?」
「なんでも「帰らずの森」に大きなクレーターができたらしいのよ」
へぇ…クレーターねぇ…
心当たりしかないわ
「さっきまでスバル君がいたところだよね!心当たりはない?」
へぇセイルさん。あっしは心当たりしかありませんぜ!
「そうなのか?特に心当たりはないんだが…」
「そっか…」
一瞬セイルは悲しそうな顔をした後にこう続けた。
「あれがスバル君じゃないなんて……怖いよ…」
「えぇ…だ…大丈夫だよ」
「でも!スバル君じゃない人があれだけのクレーターをつくったんだよ?!怖くなるよ…」
「大丈夫だよ。いざという時は俺が守るから。」
そういうとセイルは嬉しそうに声を上げた。
「本当?!なら安心だね!」
「はぁ…」
そしてそこにはため息をつきながら二人の様子を見守る人物がいた。
(どんな茶番よこれは…)
心の中で二人に対して悪態をつくマーチェの姿があった。
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