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第五話② なんか今回は影が薄い幼馴染(麗奈視点)

──────私は内坂麗奈。ごく普通の高校一年生。そんな私には、可愛い可愛い妹の様な親友がいる。

「今日ね今日ね! 現代文の授業中に博幸と目が合っちゃったの!!! 不意打ちだったから心臓ドッキドキで全然集中出来なかった!!!」

好きな相手と偶然目が合っただけでこんなに喜べるなんて凄いな……私も見ていたけど、涼香の席の位置から考えても、振り向いた涼香が黒板を見ていた竹山くんと目が合うなんてごく普通の現象なのに……まぁでもここでそんなこと言ったら悲しむし……

「良かったね。目が合ったってことは、向こうも涼香(本当は黒板だけど……)のこと見てたってことだよ」

「きゃーっ!! これってワンチャン!? ワンチャンあったりしちゃう!?」

「しちゃうしちゃう!! 元気出た?」

「うん! これだけであと三年は生きていける!!」

なんか……うん……恋って凄いな……あはは……


そんなこんなで涼香と別れた後、カレーを作ろうと思っていたが、玉ねぎと牛肉が足りなかったので買い出しに行くことにした。

そして、その道中で竹山くんに出会った……けど、何で制服のまま……?


「こんなとこで何やってんの?」

「帰宅途中だけど」

にしては随分遅いな……

「もうすぐテストだけどテスト勉強やってる?」

「やろうとしたけどいつの間にかゲームしてた」

「……私の弟と同じこと言ってるわね……」

「ちなみにそいつ何歳だ?」

「小学六年生だから……十二歳よ」

「随分歳が離れてるんだな」

「いやそこよりももっと気にするべきとこがあるでしょ……」

「俺が十二歳と同じ思考回路をしてると言いたいのか?」

「そこまでは言ってないけど……まぁ、あっちは竹山くんのこと知ってるから、見つけたら仲良くしてあげてね」

「見つけるも何も俺はそいつを何一つ知らないし……てか姉のクラスメイトと仲良くする方が不自然だろ」

「別にいいじゃない。あの子が『友達とは違うゲームばっかりやってるから、そのゲームについて話す相手が欲しい』って言ってたの」

「……まぁ、仕方ないから言うこと聞いてやるよ……ただし、その代わりに数学ワークの38ページ、問6が分かんないから教えてくれ」

お? ここは涼香の印象を上げるチャンス! サラッと涼香の話題を振って、頭が良くて頼れる女アピールをする!

「私はそこよく分からないから涼香に聞いて」

「じゃあいいや」

おっと予想外の反応……まさかそこまで嫌っているとは……これは思ったよりも守りが硬そうだな……

「まぁ、それでいいなら……」


「というかお前は何やってんだ?」

「食材の買い出しよ」

「そうか。んじゃさよなら」

「また明日ね」

「おう」


結局大した収穫はなしか……いつか涼香のことをどう思ってるのか聞き出さないとな……というかなんであんなに遅かったんだろう……確かゲームをしてたって言ってたよね……制服のまま着替えてなかったわけだし、家じゃないとこでこの時間までゲームをしていたとなると……

①勉強をしようとしたが、いつの間にかスマホアプリで遊んでいた。


②図書館とかに行くつもりがゲームセンターを見つけて、気づいたらそこで遊んでいた。


③友達の家で勉強をするつもりがいつの間にかゲームしてた。


のどれかが有力な候補ね……

①は……そもそもこんな長時間外で遊ぶとしたら、バッテリーが持たないかもしれないな……それに通信制限かかりそうだし……

②は……うちの学校はバイト禁止だから、高校生としての一般的な額のお小遣いを貰ってるとしても、こんな長時間は遊べない。てことで違う……

③は…………黒岩くんか!! 誰かに教えられるレベルで勉強が出来て、かつゲームを一緒にやってそうな人!! 条件にピッタリ当てはまる!

となると③の説が濃厚ね。

まぁ、分かったからと言って特に何も無いけど……

いや、涼香に教えられる……? でも流石にそれはちょっとな……あの会話だけで涼香のことを嫌っているのは十分伝わってきたし……これは涼香の恋愛。だから、私はできる限り協力するけど、流石にそこまでは出来ない。彼と友達の時間くらいは作ってあげなきゃね……最終的には涼香自身になんとかしてもらわなきゃ。


──────「ただいまー」

竹山くんと出会って以降、特に何も無く買い物が終わった。

弟はどうやら自室に居るらしく、いつもなら聞こえてくるはずの『おかえり』が聞こえなかった。弟の部屋から玄関までは結構距離があるので、今の大きさでは部屋まで聞こえなかったとしても無理はない。

「姉ちゃんおかえり。腹減って死にそう……」

と思ったら隠れて驚かそうとしてきただけだった。どうやら空腹には勝てなかったらしい。

「はいはいわかったわかった……カレー、すぐに作るから少し待ってて」

「いぇーい! 今日はカレーだ!! 母さーん! 今日カレーだってー!」

「あんまり騒がないの。近所迷惑でしょ」

弟は好物を作ると言うと、いつもこのようにはしゃぎ出す。来年は中学一年生だと言うのに、大丈夫だろうか……


──────「信治、カレーできたよー」

「はーい! すぐ行く!!」

「食べる前に手を洗いなさい」

「分かった……」

実は意外と素直に言うことを聞く。

「いただきまーす」

「頂きます」

「姉ちゃん! いつも通り美味しい!!」

「なら良かった。おかわりあるから、食べたくなったら自分でよそってね」

「うん。分かった」


──────夕食の後、軽く予習をして床についた。

さて……明日は何が起きるだろうか。涼香の恋が叶いますように……

真実は残酷だなぁ……(笑)

良いなー、と感じたらコメントや星での評価よろしくお願いします。

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