第四話 凄くついてくる幼馴染
涼香が段々(最初からだけど)ヤバくなってきたような……
明日は筆者の都合で投稿を休みます。ご了承ください。
「明日からはまた"他人”だから関わってくんなよ。じゃあな。とっとと失せろ。"元”幼馴染さん。」
『やだ……!やだよ……!! 待って……!!』
はい、こういう時は無視すんのが一番! 今更謝ったって遅いよ。
徹底的に拒絶した上に、連絡先まで消した。よっぽど俺を不幸にしたくない限り、これで諦めがつくだろう。
──────それから数日後……
「あー、日本に生まれてよかった……風呂最高……」
俺は入浴を楽しんでいた。湯船にゆっくり浸かった状態でいると、とてもリラックスできる。欧米では、湯船にゆっくり浸かる習慣がないようだが、とても勿体ないことをしていると思う。サウナに長時間入った後に冷水に浸かるアレをやっている国はあるそうだが、是非湯船にゆっくり浸かって欲しい。きっとその素晴らしさが分かるだろう……
「さて、アイツの問題も解決したし、また明日ものんびり過ごしていくとするか……あ、そういや練太郎はどうしてるかな……ま、あいつの事だし今もゲームしてるか……」
風呂から上がって服を着ると、いくつかメッセージが来ていることに気付いた。
アイツ、アイツ、アイツ、アイツ……はい、一括削除。ついでにブロックしとくか。他は……練太郎、田中、佐藤、佐藤、練太郎、内坂……ん? なんか一人登録した覚えのない人が……えーっと……
「黒岩くんを経由してあなたの連絡先を教えてもらったわ。突然で悪いけど、涼香と何かあった? なんかクラスの集合写真のあなたの部分だけめっちゃ見ながらため息ついてるんだけど……しかも目が死んでる」
うわめんどくせ……てか練太郎……お前勝手に…………まぁアイツじゃなきゃいいけどさ……
「少なくとも俺は何も知らない。とりあえず慰めておいてくれ」
はい、送信。
めんどくさ……ま、いいか。練太郎は……?
『内坂さんって人がお前の連絡先聞いてきたから渡しといたぞ。大丈夫だ、問題ない。お前がいつか彼女作ったとしても、俺は恨んだりしないぜ』
勘違いしてる……
「そんなんじゃないぞ」
はい、返信完了。
佐藤はアニメの感想で、田中は課題が分かんないから教えてくれと……
他はいつも通りで良かった。
それから俺は友人からのメッセージに適当に返事を返した後に眠りについた。
──────「眠い……」
いつも通りの時間に起床。簡単な料理を食べ終えた後に、制服に着替えて学校へ向かう。
『おはよ』
「おはよ」
通学途中で練太郎と合流。
『内坂さんとはどういう関係だ?』
「見りゃ分かるだろ。他人だ」
『他人の連絡先欲しがるやつがいるわけないだろ……ま、仮にお前が彼女作ったとしても、俺とお前は親友のままだから気にすんな』
「一生かかっても作れねーよ。ばーか」
『えー、お前意外と優しいし一人くらいは出来ると思うぞ?』
「そりゃどーも」
"意外と”と言う部分には、あえて触れないでおいた。
そうこうしてるうちに学校に着いた。
内坂とアイツはどうやら休みらしい。
『内坂さんと大川さん、休みだな』
「そうだな」
『何かあったのかな?』
「人より自分の心配をしろ。お前今日はどれくらい寝た?」
『ゲームの途中で疲れたから三十分くらい仮眠した』
「もしかしてそれだけ……?」
『もちろん』
……こいつ、そろそろ本格的に危ないかもしれない……
放課後、練太郎に誘われたので、彼の家でゲームをする。
『あ、今の惜しい! てか死にそう! 回復くれ!』
「あっちょ挟まれた! ヤバい助け……あー!」
惜しくも敵チームに負けてしまった。まぁ、久々にかなり楽しめたので良かった。
「あーあ……もう片方に回り込まれてたとはな……」
『ま、次の試合行こうぜ』
「そうだな」
こんな感じで二時間ほどゲームに没頭した。
「あ、時間やべーな……そろそろ帰るわ」
『おう。また明日』
「じゃーな」
「ただいま〜(親は仕事でいないけど)」
『おかえり〜』
……!?!?!? おかえり!? 今家には誰もいないはず……! てか……この声はもしかして……!?
『おかえり、博幸♡ 遅かったね。心配したんだよ?』
リビングのドアを開けると、徹底的に拒絶したはずの幼馴染(笑)が待ち構えていた。
どうしてこうなった……? とりあえず通報しよ。
『あっちょ止めて!? 冷静に通報しようとするの止めて!?』
「通報されたくなかったらとっとと失せろ。もう関わんなって言ったはずだ。第一何で家の鍵を持ってやがる」
『おばさんが『うちの博幸は家事とか全く出来ないから一人にしておくのが不安で……家事ができて、かつ信用出来る相手が、幼馴染の涼香ちゃんくらいしか居ないの。お願い……私と夫が仕事でいない間、家事をやる仕事を引き受けてくれない……? もちろんお金は払うわ。時給二千円でどうかしら。うちは共働きだから無駄にお金が余ってるのよ』って言ってきたから、『引き受ける』って言ったら合鍵くれたわよ』
信用出来ないので、親に確認をとってみることにした。
『……博幸、どうしたの? 今私仕事中なんだけど……』
「母さん、何であいつに合鍵渡したの?」
『あー、博幸は家事とかできないから、いつもカップ麺とかレトルト食品でしょ? 健康のことも考えて、手作りの方が飽きもこないしいいかな〜と思ったの』
「……別にそのままで良かったのに……」
『何言ってんの? 涼香ちゃんに失礼でしょ!? それに、涼香ちゃんの手料理、とっっっっても美味しかったわよ? いいから食べてみなさい。必ず気に入るから! じゃ、頼んだわよ〜』
「あっちょ待……あのクソババア……切りやがった……」
『頑張って作ったから食べてみて? きっと気に入るから……』
「異物とか混入されてそうで怖いからやだ。 後、鍵を返せ。今すぐだ!」
『……おばさんにバレたら怒られるよ?』
「お前の料理を食うよりはマシだ」
『……はい、どうぞ』
泣きそうな顔で鍵を渡されたので、取り上げる。
「もう家には来んな。とっとと失せろ」
『せめて一口だけでも……』
「通報されたいのか?」
『……また明日学校で……』
「悪いが他人とは話すつもりはない」
……色々あったが、ようやく出ていった。
「あー、疲れた……風呂でも入るか……」
こうして、今日も俺の一日は幕を閉じた。
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