第二話 頑張り屋な幼馴染
第二話です。んー……デート回の構想がまだ固まってない……どうしよ……
『っ……じ、じゃあ……アンタの言うことを、"何でも”一つだけ聞いてあげる。それでチャラにしましょ……』
……何でも?今『何でも』とか言いやがったぞこいつ……まぁ、欲を言えば、その身体でして貰いたいことは山ほどあるが……
「じゃあもう俺に関わんな。話はこれでおしまい」
そう言って、絶句した彼女を置いたまま図書室を去る。
──────(涼香の視点)『じゃあもう俺に関わんな』 そう言われた時、まるで時間が止まったみたいだった。てっきり何かいやらしいお願いでもして来るかと思ってたのに……まぁ、それはそれでアイツとそういう関係になれるから良いと思ったけど……なんなら最悪エッチだってしてあげても良かったのに……私、魅力ないのかなぁ……いっぱい美容の方法とか調べて、体に良いものいっぱい食べてるのに……
──────(博幸の視点)やっぱエロいお願いでもしとけば良かったかなぁ……アイツ、性格はアレだけど顔は綺麗だし、何気に胸でかいし……腹はちゃんと締まってるし……あー! すげぇ勿体ないことしたぞ俺!! 選択ミスったぁぁぁぁあ……!! まぁ……『近寄るな』なんて言われたんだし、今更仲良くする気なんて毛頭ねーよ。仲良しごっこなんかやってて意味あんのか? 友達は同性だけで十分だろ。
そして、俺は若干の後悔を抱えたまま眠りについた。
──────(涼香の視点)さて……やるか……寝る前の支度は既に終わらせた。確か博幸の癖字はちょっと右上がり……課題の紙は同じのが100円ショップに売ってて良かった……もし博幸が書くとしたら、テーマは多分…………
「ふぅ……なんとか終わった……」
時計を見ると、一時を過ぎた頃だった。
急いでベッドに入ると、まるで吸い込まれるように意識は遠のいていった……
『涼香、起きなさい。遅刻するわよ……』
……遅刻?あれ……今何時……?
「お母さん……今何時……?」
『少なくとも朝ご飯食べてる時間はないわね……昨日何かあったの?』
「ううん……ただ、課題が多くて手間取っちゃっただけ……心配かけてごめんね……」
『大丈夫なら早く行きなさい。お弁当多めに作ってあるから、昼まで我慢するのよ……』
「いつも私がやってたのに……ごめんなさい……」
『そんなこといいから、早く着替えて行きなさい』
「はぁい……」
軽く身だしなみを整えたら、すぐに学校へ向かう。
「確か今日は朝礼だったわね……」
『おはよー。涼香、今日はちょっと遅かったね……』
「寝坊しちゃったの……ごめんなさい……」
『いいっていいって! それよりほら! 朝礼だから早くしないと……!』
こっそりと博幸の机に課題を入れて、なんとか朝礼には間に合ったけど……フラフラする……あれ? なんか目の前が真っ暗に…………
『ちょ……!! 涼香!! しっかりして!!!』
意識が途切れる前に、麗奈の声が聞こえた……私、友達が居てよかったな……
──────あれ……? ここって……?
白い天井、カーテンで囲まれたベッドに先生……
「保健室?」
『そう。その通り。朝礼の途中で倒れたのよ。何か体調不良とかある?』
「あ、いえ……特には……」
『あ、そういえば女の子がたくさんと、竹山くんって男の子が一人来てたわよ。すぐに帰っちゃったけど、何か手紙を置いてったわよ。はい、どうぞ』
恐る恐る開けてみる……
「なんか倒れたらしいけど大丈夫か? 後ろの方にいたから分からなかったけど……それと、課題やってくれてありがとな。原因は貧血らしいけど、もしかして俺の課題やってたせいか? 俺が悪かった……もしそうなら謝りたい。放課後に図書室で待っててくれ。
P.S. 何か一つ何でも言うこと聞いてやるから、放課後までに考えとけよ。 竹山」
……!!! 博幸が……何か言うことを聞いてくれる……!? 今までこんなこと無かったのに……本当に責任を感じてるのかな……もう……そんなのいいのに……というか、お願いの内容どうしようかな……私と付き合いなさい……私と付き合って……私と付き合って下さい…………いや、流石にいきなりそれは攻めすぎか……? ここは無難に連絡先の交換…………いや、でもそれ以上進展しない気もするし……
『恋する乙女の顔してたよ。それってもしかしてラブレター?』
「ちっ……違います……!」
『竹山くん……だっけ? 彼が好きなの?』
「そんなわけ……………………子供の頃から大好きです。でも、中一の時に、恥ずかしすぎて『嫌い。もうこれ以上近寄らないで』ってガチトーンで言っちゃって……!!」
『ふーん……ツンデレ、ってやつ? 相手のことを好きだけど、恥ずかしくて照れ隠しにキツいこと言っちゃうあれ……』
「……多分そうです」
『……よし! 私からアドバイス!! そういう時はデートに誘っちゃいなさい。貴女とっても可愛いし、そんな子の私服なんて見ちゃったら、もうイチコロよ。今は丁度夏だし……短めのスカートの肩出しワンピースとか? いや、露出で攻めるならやっぱ夏の定番、プールor海か……?』
「ちょっ……まだ付き合ってもないのに……デートとか……恥ずかしすぎて死んじゃう……」
『凄い可愛いじゃない……私もこんな顔に生まれたかったわ……あー、早く結婚したい……』
『とにかく、デートに誘っちゃいなさい!! なんなら、わざとクラスメイトに見つかるようにして、既成事実作っちゃえば良いのよ』
「……ありかも」
『でしょ!! じゃ、プランニングとコーディネートは任せて!! 最っ高の結果を用意してあげるわ!!』
こうして、私は出会ったばかりの保健室の先生によって、博幸をデートに誘うことになった……
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