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領主の館にて2

「ということはやはり。」

紅茶の入ったカップを置きワイアーさんに聞く。


「はい、当館の領主が雇っているあらくれ者にサミー様を無理やりさらわせ、よからぬことを行おうとしたそうです。」


「それでサミーは無事でしょうか?」

神父さんが喰い気味で質問する。

今までも結構心配しているのを押し殺している感じだったが、さすがにさらった側から事実を教えられては我慢できなかったのだろう。


「もちろん無事でございます、納品の為の用意をしている時に裏門から運び込まれているのを察知した時は驚きましたが、奪還し保護しております。

ただ、ニジラクトンの多量接種で意識が昏倒しており若干打撲や擦り傷がありますので今は別室に寝かせております。

この後、ご案内致しますので神父様には治療をお願いいたします。」


俺たちはホッと胸をなでおろす。


「えーと、その聞いていいのかわかりませんが、サミーさんをさらった件ですがあらくれ者の独断によるものでしょうか?それとも領主さまの命令ですか?

前者だと問題ありませんが、後者だとワイアーさんは主人の行う事を邪魔したことになりますが・・・」

俺は執事の本物はしらないが、こういうのは主の命令は絶対とかだとおもうので質問してみた。


少し間を置き口を開く。


「もちろん執事たる者、主の命令は絶対でございます。

しかし、この町を脅かすような愚を犯すのであれば止めるように先々代の旦那様より仰せつかっております。

私の主は先々代の旦那様ですから。」


「今の領主様は本日はどうされているんでしょうか?」


「それにつきましてはまた後程に、そしてその事で神父さまにお願いがございます。

とりあえずこの後はまずサミー様の元へお連れいたします。」

丁度紅茶も飲み終わりサミーさんが保護されている部屋へ3人で移動する。


客間から少し離れた場所に移動する、ここは使用人たちの寝泊りする棟であらくれものは面倒くさがって入口近くのメインホールや食堂の近くの部屋にいるらしい。


「こちらでございます、この中にサミー様がいらっしゃいます、ニジラクトンの影響がありましたので”睡眠”をかけております。

館の中の荒くれに見つからない様に”施錠”しておりました。

神父さまは中に入られましたら念のために”解毒”と”回復”をお願いします。」

ワイアーさんも生活魔法がつかえるんだね。

このような”施錠”や”睡眠”、”清潔化”等日常的につかえる魔法を生活魔法というらしい。


「わかりました。」

神父さんが部屋に入っていく。


「神父さん、俺はワイアーさんに聞きたい事がありますのでサミーさんの事よろしくお願いします。」


少し間があいたが、サミーさんの事が心配の神父さんは頷き部屋へ入っていった。


「んー・・・、ワイアーさん、この扉このまま魔法で”施錠”はできますか?」


「出来ますが、私としましてはミカミ様も入っていただきたかったのですが、どういった理由かお聞きしても?」


「俺はフォレストボアの突撃を受けても死なないくらい頑丈です、ワイアーさんもこの扉を守りながらでは動きづらいのでは?」


少し驚いたのか片方の眉毛をあげ俺を見た後質問した。

「何故そのようなことをおっしゃるのでしょうか?」


「信じてもらえるかどうかわかりませんがこの館に入った時に教えてもらいました、もうそろそろ目をさますんですよね、今の領主さんもそこらで寝ていたあらくれ者も。」


「どなたに教えていただいたかわかりかねますが、その通りでございます。

では私はオフェンス、ミカミさまはディフェンスと言うことでよろしくお願いします。」


そして俺たちが客間から通ってきた廊下の奥からあらくれ者をひきつれた育ちの良さそうな男性がこちらに向かって歩いてきた。


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