表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/43

俺がしたい事

子供達も寝静まった夜、俺は神父さんとサミーさんに礼拝堂によばれた。

なんだろうと思って行ってみると今日の飴の事だった。


飴自体の話ではなく1つしか入れていない飴を次々出したことだ。


俺はチート能力の”概念の外の存在”を試すことを優先してみんなの前で行ってしまっていて

こういう時は隠すものだということを忘れていた。


まぁ神父さんとサミーさんだし、俺の性格上多分隠し通すことは無理だ。

子供達は飴の方に夢中だったし解っていないだろう。

俺の持っているチート能力を二人に打ち明ける。


とは言えこっちの世界にはチートスキル”絶対切断”みたいに決まった名前は無いらしい。

そういう能力を持っている人は他にも冒険者や騎士団にいるらしいのだが公開はされていないらしい。


公開をするとその能力を利用しようとする商人や貴族達にさらわれたりするので隠すのが普通だそうだ。


なので”不死のようなもの”と”概念外の存在”という名前ではなく理解しやすいように

体が頑丈で疲れにくく怪我しにくい事と今日のように使ったものが無くならないという感じで話をした。


「ミカミさんはその能力で何をなさるつもりですかな?」

神父さんは若干声のトーンが真剣な感じだ。


俺も何ができるのかわかっていないので若干考え込んだ。

なにしろ使っても無くならないのは今日解ったのだから。


「そうですねぇ・・・体が頑丈でもうでっぷしは強くはないので荒事には向きませんし、

あの飴もただ増えるのではなく使ってなくさないといけませんからね、商売にも向きません。

俺がなにができるかわかりません、だから今の子供達の相手や町のお手伝いをする程度がいいのかもしれません。」


神父さんもサミーさんも俺の言葉を真剣に聞いてくれている。


「でも炊き出しを経験して外周の事を知りました、できれば外周のみんなにもなにか手助けできればと思います。」

本当に外周の暗い雰囲気は何とかしてあげたいが何ができるかはわからない。


俺の好きなケモノ作品は比較的愉快なものが多くそのキャラクターたちがトラブルがありつつも幸せな日常を暮している作品が好きなのだ。

現実でも普通に何事もなく笑って暮らしているのが幸せなことだというのは社会人になってからはひしひしと感じている。

学生の頃は何もおきない日常がつまらなく感じたものだったのだが・・・


そんな事を考えている俺の顔を見ていた神父さんは表情をゆるめ


「やはりミカミさんはお優しい、あなたがサミーに運びこまれた時は何事かとおもいましたが、人となりを知った今となってはそれも神のお導きだったのでしょう。」


「そうですわ!」

サミーさんはガントレットを付けた掌をポンと打ち合わせ何かをおもいついたようだ。


「炊き出しで使う材料や薬や包帯を麻袋にいれておいてミカミさんに袋からだしてもらっておけば今まで以上に人に行き渡るかもしれません!」


なるほど、その場で使うものになるし減らないのであれば沢山作る事が出来るか。

と感心していると神父さんが反論した。


「無くならないといけないのであれば皆が食べるまで材料が戻らず何度も作る事になります、そこまで時間がありません。

それに炊き出しをしておきながら袋に食べ物が詰まったまま外周から戻ってくるのはいささか問題がありますぞ。」


なるほど、チート能力が働くタイミングもあるのか。

・・・ちょっと思いついたので試してみる。

スパイスボトルを聖書や燭台を置いている祭壇の上に立て、その上に飴を置き少し離れる。


「神父さん、俺がドアから外にでたらサミーさんに飴を食べさせてあげてもらえますか?」

とお願いし、礼拝堂から外に出る為に向かう。


「はぁ、わかりました」

意図が解らないようだったが飴を乗せたスパイスボトルをサミーさんの飴に持っていきサミーさんは飴をとった。


外に出て扉をしめてすぐに袋の中に飴が出現した、俺がそばにいなくてもいいらしい。

試してみたかったのは傍に居なければいけないのか、戻るのはスパイスボトルの上か袋の中かだ。

結果は袋の中、そういえばフライパンから子供が食べた飴が戻らず袋やスパイスボトル等の中からは戻ることから何かから取り出すのが条件なのかもしれない。


イメージ的にアイテム欄からアイテムを使うという感じなのか?


中に戻るとサミーさんは口の中で飴をコロコロと転がしているらしくいい笑顔だ。

目があい見ているのに気付かれると少し頬をそめていた。


「なにか思いつかれましたかな?」

戻った俺に神父さんが先ほどの意図を聞いてきた。


「サミーさんが飴を食べた時に袋に飴が戻ってきました。

教会にいる段階で袋から木箱にうつして外周で消費するとおそらく教会の袋に戻ります。」


と三人で喜んだのだが、炊き出しを行うには手伝う人が一定数必要なので人手が足りず結果的に回数はふえないのだった。

上手くいかないもんだ。


とりあえず教会内の食事の材料は俺が取り出すようにして子供達は満足の量を食べれるようになった。

まぁまずはそこからでいいよね。


人手がないとだめなのです、ワンオペとか問題外。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ