子どもたち~おいでぇ~
「そうそう、ミカミ様?お腹は空いてはいませんか?
教会に運び込まれてから半日はたっていますのでなにか食べませんか?」
話題を変えるようにサミーさんは食事を勧めてきた。
チート能力”不死に近いもの”のせいか腹はへっていないのだが
異世界の食べ物というものは食べてみたい、なのでご厚意に甘えることにする。
「よろしいのですか?であればぜひお願いします。」
食堂に場所を移し出てきたものは黒パンと具のないスープ
いやぁ、テンプレだよなぁ、異世界モノはまずこれでしょ。
黒パンを小さくちぎりスープにひたし口の中に入れる。
なるほど・・・こういう味だったのか・・・。
と異世界感を楽しんでいると子供がこちらを覗き込んでいるのに気づいた。
あれは俺が起きたときにいた子じゃないか・・・
目線は・・・パンか・・・。
孤児院だしそういうことだよなぁ。
俺は子供に向けて手招きをし呼ぶ
呼ばれた子供はちょっと警戒しているがパンを一切れ差し出してやると
走って近寄ってきた。
「おっちゃん、くれんの?」
「こら!プーラ!」
プーラとよばれた子供はサミーさんに怒られて手を引っ込めてしまった
「サミーさん、いいんですよ。
プーラ、たべていいんだよ。」
とプーラを膝の上にのせる。
そして先程からプーラがやってきた柱の影からもう3人ほど動いているのが見える。
「そっちの子どもたちもおいで、1切れずつしかあたらないけど
おっちゃんの食べなさい」
わっと走ってくる子どもたち、皿にあったパンとスープはあっという間になくなってしまった。
プーラをなでながら少しサミーさんと雑談をする
子どもたちもこの教会のことや孤児院のこと、まだ見ていないが神父様の事もいろいろ教えてくれた。
とりあえず子どもたちは
一番年上の男の子カール真ん中に同じくらいの年齢でニーズと女の子トリュー
一番年下になでていたら膝の上で寝てしまったプーラ
全員猫耳で混合種である。
寝室から食堂しかみていないがそこまで質素ではないものの
子供がパンに駆け寄ってきたこと、みんなちぐはぐな統一性のない服装をしていることから
裕福ではないことがでわかってしまった。
神様はこういうところから助けて行けということかな。
あとは俺に何ができるか・・・
パンくわねぇか~