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宣教師の頼み
明末清初
中国
マカオ
街中
英風武館
机で書き物している李
トントン
ドアを叩く音
「先生」
李がドアを開ける
「どうした」
「宣教師様が御用だそうです」
李が中庭に出ると宣教師と屈強な男が立っていた。
「李先生、おはようございます」宣教師が言った。
「おはようございます、どうされました」
「今朝、インドから着いた船に囚人が乗っていましたが港に着いて脱走したというのです。彼は船長です」
「私は船長のフェリペと言います。これは囚人の似顔絵です」
と言い、フェリペは絵を広げた。
「男の名はサンドラと言い、インド武術の達人です」
「インド武術と言えば少林武術の源」李は言った。
「かなりの使い手のようです。そこで先生の力を借りたく参上した訳です」宣教師は言った。
「私でお役に立てば、何なりと」李は言った。
「サンドラを捕らえて連れてきて頂きたいのです」
「わかりました」李は答えた。




