あの時の・・・・・
「起きてくださーい!」
「・・・・・」
ここは大陸の西の方に位置する都市ウェルシュ、から5キロほど離れた森の中だ。
明らかに場違いな建物が一つ。その建物の中に、明らかに場違いな少年が一人と、明らかに場違いな少女が一人。
美少女が寝ている少年を優しく揺すりながら起こしている。
「起きろー!」
「・・・・・」
「起きてくださーい!」
「・・・・・」
「・・・・・起きてくださいよ・・・叫んでる私が馬鹿みたいじゃないですか・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・あっ、これガチのやつ⁉︎ガチ寝⁉︎えっ、うそ寝でこういうシュチュエーションを作ろうとしていたのかと・・・ううぅ・・・恥ずかしいやつだ・・・・//」
「・・・・・」
「・・・本当にぐっすりですね・・・・・・・・・はあぁ・・・私も眠くなってきちゃった・・・・・マスターの横失礼しまーす」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美少年と美少女が向かい合って添い寝している。
美少女の方は、黒色の髪を背中まで伸ばして凛としている印象だ。
「・・・・・・・・・・柔らかい・・・・」
と言ったのは美少年。
もみもみ
「・・・・んあ・・・・ん・・・・・・・」
もみもみ
「・・・ん?・・・、ん?んんん?んんんんん?」
「・・・・・んあ・・あん・・・・・・もう、マスターったら朝から強引なんですから・・・」
「‼︎・・・・・・だ、誰だ・・・・・・!」
そう言いながらも手は、離すどころかしっかりと動いている。
「・・・・・私の胸揉みながらそれはないですよ・・・・・」
「・・・・・・いつ俺がお前の胸なんか・・・・・・・・」
と反論しながら視線を下ろしていくと・・・・・
「・・・・・・・・スンマセン」
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「あのーところで、どなたでしょうか・・・・」
「もー、そんな寒い冗談言わないで下さい、さっきはあんなに激しく求めてくれたのに♡」
ぷんぷん、と手を腰に当てて怒ってますアピールをするが、ルネはわけが分からずフリーズしている。
「はー、しょうがないですね。一から説明しますね。まず、ルネさんは私のマスターです。」
「・・・・・・・・もうちょっと詳しくお願い」
「だから・・・・・あーまずは亜空間の話からですね。いいですか、この世の中にはたくさんの空間があります。」
「たくさんってどれぐらいなんだ?」
「・・・・・・・いっぱい」
「説明になってないんですが」
「・・・・・・・・・・・・・そして、」
「無視ですか」
「・・・・・・・・・・・・そして、その空間はシャボン玉のようにプカプカういて、漂ってるんです。」
「空間ってのはどれくらいの規模なんだ?」
「んー、マスターに分かりやすく言うと、宇宙まるごと一個が一空間ですかね。そして、空間ほどの規模ではないけどしっかりと動いているちっちゃな空間を、亜空間と言います。」
「もしかして、あの光の群れがあったのも・・・」
「はい。亜空間です。」
「なるほd・・・・・ってなんでお前が光のこと知ってんだよ」
「まあ、これから話しますから」
「それで、古くからのしきたりで、亜空間は第一発見者が所有できるんです。」
「それを俺に言うってことは・・・」
「はい。マスターはあの空間の所有者というわけです。」
「お前が何者なのかの説明にはなってない気がするんだが」
「ではクイズです。私は誰でしょう!」
いいことを思いついた!と言わんばかりの得意顔でクイズを始めようとする美少女。
だが美少年がそれを許さなかった。
「それを教えてくれってさっき俺言ったよね?聞いてなかった?人のこと勝手にマスターとか言っちゃってかわいそうな子かなーって思ってたんだけど。てか今でも思ってるよ」
「ひどい、マスターが私のことをそんな風に思ってたなんて!しくしく」
美少女は手で顔を覆い頑張って悲しみを表現しているが、美少年は大脱線した会話を強制的に元に戻す。
「・・・・・・・・お前と亜空間の関係は?」
「よくぞ聞いてくださいました。まず、亜空間にいた時のことは覚えてます?」
すごい切り替えの早さで会話を続ける美少女。
「ああ。訳あって亜空間にいて、歩いてたら光を見つけて触ろう・・・・・としたんだけど、上の方にすっげえ綺麗な光があったんだよ。そしたらその光が俺に吸い込まれて・・・・・」
「そのきっれいな光、私です!」
「wow・・・・・・」