マイナージャンルの書き手でも無理して流行のジャンルを追いかけてみる。
マイナーなジャンルの書き手だって、流行っているジャンルには関心があります。
もし同じような要素を上手く取り入れることが出来たら、今までにない人気が得られるんじゃないか?
男には無理だと分かっていても、やらなければいけない時はあるんです。
今がその時かは分かりませんが。
そんな無謀な検討をしてみた話です。
いきなりですが、少し違う話から入ります。
みなさんは服や髪形に興味を持ち出したのは何歳の頃でしたか?
母親が買ってきた服だけ着て、家の近所の床屋でいつもと同じ髪形にしてきたのを止めたのはいつでしたか?
……そして、それをなぜ止めたんですか?
恥ずかしいから。
格好悪いから。
友達にからかわれる気がしたから。
そういう感覚が芽生えてきたのはおそらく他者の目線や影響を気にする自分がそこにいたためです。
自分の好きなものを書きたい、読みたい、選びたい。
そんな気持ちは誰にでも当然ある訳ですが、その一方でみんなの話題を独占するような注目作や流行にだって目はいきます。
たとえ自分が好きなジャンルでなくても題材でなくても、大ヒットしていると知ればどんなのだろう?何がいいんだろう?と好奇心が出ます。
ちなみに現在「なろう」においてランキングの「総合年間」部門で上位を獲得している作品の傾向はご存知でしょうか?
私も今回改めて調べてみて驚きました。
トップ20まで、「全て」ファンタジーもの。
それどころかトップ34までファンタジーが占められてます。。
35位に恋愛が来るのですが、それも異世界転生モノ。
……えっ……ファンタジー部門じゃなくて総合でそんな状態?
そう思いました。
たしかにそういう作品が根強いとは思ってたけれど……。
さらに細分化してみると、異世界(亜種含む)のタグが入ってるのが大半。
ちなみにもう一つ言えばトップ50まで見ても、全てファンタジー。
つまり1~50位までで結局全て異世界転生かそれに準ずるファンタジーモノ。
51位以降はもう想像がつくので調べませんでした。
いくら好きなものばかり書きたいと思っていても、ランキング入りの切り札として人気の要素を取り入れる必要性があるんじゃないか。
ボンクラもそう考えました。
とはいえリアリティある母親との近親相姦物語を目指してきたマイナージャンルの書き手にどうすればいいのやら、と。
だいたいまともに読んだ事のあるファンタジー作品だって昔の「ロードス島戦記」と「ウィザードリィ」、「スレイヤーズ」くらいで……古すぎて参考にならないのも分かってますし……。
正直言って、異世界転生と呼ばれる分野を読んだ事はないのですが、内心ではだいたいこんな感じだろうという偏見がありました。
現実の世界で冴えない男がゲームのようなファンタジー世界に行く事に。
現代では当たり前の知識を駆使したらチート扱いされて大活躍してヒーローに。
周囲に色んな美少女が出て来て、なんだかんだで主人公に惚れてハーレム形成。
主人公は皮肉屋で天邪鬼でネガティブでちょっとは誠実だけどむっつりスケベ。
美少女らは全員処女で純情で、色々なタイプが盛りだくさん。
作者に聞かれたらぶん殴られても仕方ないほど、簡単に考えたイメージを持ってました。
でも……みなさんもちょっとこういうイメージないですか?
一応自分なりにファンタジーを盛り込んだ物語の設定を考えてはみました。
たとえば……
名高い冒険者の母親を持つ新米冒険者モノとか。
最強クラスの母とレベル1の息子の対比で、周囲からも期待されながらも力が伴わず、仲間から軽んじられて息子が悩んだりどうこうとか。
あるいは夫を亡くした後冒険者ギルド運営をしてく母子とか。
あるいは行く先々で貧しい者にも無償で癒しの魔法を使いこなし、聖母と呼ばれる女性が戦災孤児を拾って育ててくような…とか。
ぅん…無理があるか?
あるな。
だいたい無理して書いたところでランキングに食い込む可能性はあるのか、と。
昨今「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」というラノベが発売されたのをご存知でしょうか?
ファンタジーと母という高難度の組み合わせに果敢にチャレンジした作品が発売されたのです。
ちなみに既にシリーズは3まで続いてます。
が……その……評価としては予想通り色物扱いで……まあ、正直低評価で……。
そもそも母をヒロインに据える事自体に作者にも編集部にも覚悟が決まってないというか……典型的なタイトルオチというか、金のムダだったというか(私も買いました)……。
プロでも無理なものは無理なんだ、と思わせられる結果でした。
そういう訳で…私のようなアマチュアは母とファンタジーを組み合わせる試みは一旦置いておこうと思う良いきっかけでした。
648円(1巻の定価)はその良い勉強代だったと思う事にして。
こうして道に迷ったマイナージャンルの書き手は世間の流行を追う事を諦め、自分の道の歩みを再開する事に決めたのでした。
めでたくはないのですが。
次回はこの「なろう」の特徴的なシステム「評価ポイント」制度について突っ込んで考えてみます。
なぜPVでなく評価ポイントでランキングが決まるのか、評価ポイントの問題点と課題、対策について。
次回は悩みの種、評価ポイントについて考えてみました。
よろしくお願いします。