さよならエクスカリバー
「ステータス制限的なやつっぽいね。
条件を満たすステータスじゃないとまともにつかえないみたい」
メルティは目をじーっと細めながら『えくすかりばー』を鑑定する。
メルティは物の価値やら使い方を見極める力をもってるらしい。
「強い人しか扱えないみたいな?さすが神剣だな」
「や、それは違うかな?
この剣は魔力値と筋力値が同じくらいなら誰でも使えるはず。」
え?それだけ?
魔力とやらの量と筋肉?の量が同じくらいであれば子供でも条件には満たされる、ってことか?
じゃあ俺の場合は魔力と筋肉の量のどちらかが極端に低いか高いというわけかな。
「魔力に応じて剣の重さが変わるのがこの剣のひとつの特性みたい。
魔力の量だけ重くなった剣を支えるために、ある程度の筋力が求められる、と」
「ふーん…で、俺のステータスって今どんな感じなの?」
「ちょっとまってくださいねー。いまプリントアウト中です」
メルティが指をクルリクルリと回すと、目の前から淡い光と共に一枚の紙が現れる。
「はい。これがキミのステータス表だよ。」
名前 : タッソ タケシ 種族 : 人間族
称号 : へたれ
スキル : なし
HP : 1000/1000
筋力:50
耐久:60
敏捷:10
速さ:10
知力:5
精神:200
運気:100
将来性:90
魔力 : 500000000/500000000
ふむ……称号へたれってのが気になるが、それ以上に気になるところがある。
「なぁ。魔力ってのがやたら高いんだけどこれって平均いくつくらいなの?」
「人間だと5万いってれば大賢者クラスかな〜
君の魔力はどれどれー……って、うわあ!なんですかこの数値!?」
あ、やっぱりこの数値すごいんだ。
「に、人間族でこんな数値初めてみたよ?!す、すごい!」
褒められた。うれしい。
なんでこんなに高いんだろ?俺とメルティは二人して首を傾げる。
まぁそれはそれとして話を元に戻すと、
神剣『えくすかりばー』の所有者に求められる最低条件は筋力と魔力がほぼほぼ同じであること。
なので俺がこの剣を使うには筋力を100万倍あげないとダメなわけだ。
……いや、無理だろ。
「無理だねー」
無理かーー……。
かっこよく腰にさしてみてはいるけど、これ使えないんだなー俺……。