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二日目朝と食糧難

お久しぶりです。復活しました。またよろしくお願いします。

 生活リズムとは厄介なもので、僕は六時過ぎに目を覚ました。体に倦怠感は残るものの眠気はない。体をほぐして起き上がると周りはまだ寝ている。僕はお腹が空いたので早いところ朝ごはんを作ろうと材料だけを持ってそっと外へ出た。


「まずは野菜だけ下ごしらえしとくか」


 昨日の残りのカボチャやナス、にんじん、ジャガイモを適当に切って、玉ねぎは薄くスライスする。全部に薄く塩を振り味を引き出しておく。フライパンでニンニクをみじん切りにしたものを炒めておいて、これで一旦準備は終了だ。


「お肉切らしてるんだよねそういえば」


 たしかスーパーは七時開店だったはずだ。田舎の朝の早さに合わせているのだろう。僕は自転車に跨り、スーパーへと向かった。

 七時ちょうどにスーパーに着き、たまたま特売であった鶏モモを購入し、僕は帰路に着いた。


「さてさて、やっていきますか」


 まずは鶏モモの筋や軟骨を取り除き、そのあと一口大に切る。塩胡椒で下味を付けたら焼き目を軽く付ける。その後鶏から出た油で玉ねぎ以外の野菜にも焼き目をつけ、玉ねぎは最後に飴色になるまで炒めた。

 続いて僕は鍋に水とローリエ、鶏肉とナス以外の野菜を入れ、火が通るまで煮る。その間に洗ったフライパンでカレー粉を炒り、香りを出しておく。ついでに小麦粉も炒め、簡易的なルーを制作した。

 肉と野菜に火が通ったらカレールーを入れ、しばらく煮込む。最後にナスを入れたら完成だ。

 カレーの鍋を一旦横に置き、米を洗って炊く。これは特に変哲のない作業だ。あとは半熟の茹で卵を作って、朝ご飯の支度は終了である。これらを終える頃には日はそれなりに高くなり、時計を確認すると朝八時を少し過ぎた頃だった。


「そろそろねぼすけたちを起こしますか」


 僕はそう言って部屋にもどり、朝ご飯できたよとみんなに声をかける。


「朝ご飯」


 まずゆっちーが目を覚ました。彼はご飯の一言でその他のタスクを全て中断する癖があり、それは睡眠とて例外ではない。


「朝ご飯……」


 カキニーも同様の特性を持つのか、すぐに起きた。しなのんも無言でむくりと起き上がる。最後に天明屋さんがむにゃむにゃ言いながら起床した。僕は全員を引き連れ炊事場へと向かった。


「今日は朝からカレーだよ」


「重たいな」


「じゃあ食べなくて結構」


「食べないとは一言も言っていない」


 ゆっちーとそんな会話を交わしてる間に、各々食べたい量を自分の皿に盛り、席についてまばらないただきますをした。


「僕は最初から卵割っちゃうんだよね」


「頭やばいの?味変アイテムだろ卵は」


 みんなそれぞれ好き勝手な食べ方でカレーを食べ始めた。ちなみに僕は卵のマイルド感が好きなので最初に割る。そして一口目はナスだ。


「おいし」


 焼き目の香ばしさは万物を美味しくする。特にナスはそれが顕著な気がする。クセのない風味は当然カレーにも合うし、余熱で若干とろりとしてるのもたまらない。

 次にジャガイモだ。これは特に言うことはない。おいしいよね、カレーが辛すぎるときはこれを潰してルーに混ぜるとちょうど良くなる。にんじんも甘くてカレーの強い風味をいい感じにマイルドにしてくれる。

 鶏肉はモモとムネで若干特性が違う。ムネにするとスパイシーさが強く出て、モモにすると脂のコクが出る。どちらも米と素晴らしく合う。僕はムネ派だけど万人受けするのはモモだろう。

 そうこうして食べてるうちに、皿は空になった。おかわりをしようと思い席を立ったが、すでに鍋の前では紛争が起こっており、僕はそっとおかわりをあきらめた。


「あ、先生の分を取っておかなきゃ」


 昨晩の約束を思い出した僕は薪で獣たちを叩き追い払うと、一食分だけ取り分け再戦のゴングを鳴らした。


「よう瀬戸、朝飯は?」


「ありますよ」


 もう少しで消失するところだったんですよねとぼやきながら、のんびりと寝巻き姿で登場した担任にカレーを押し付ける。んだよカレーかよ、おもてえなとさっきどこかで聞いたようなことを言いながら、重たさを微塵も感じさせない速度で彼はカレーを吸引した。


「辛めでうまいな」


「好みに合ったようで何よりですよ」


「ちょっとビール取ってくる」


「引率の仕事は?」


 知るかよと彼は吐き捨てて、部屋へともどり冷えたビールを取ってきて朝だというのにガバガバと飲み始めた。なんなんだろう。

 洗い物はよろしく頼みますよ。僕はそう言って自分の分の食器を洗い、部屋へと戻った。


「さて、僕たちは今深刻な問題に直面しています」


 全員が部屋に帰ってきて、僕はそう切り出した。


「具体的に言うと、君たちが思ってたよりバクバク食べるので食費がやばいです」


 下手したら今日の昼飯もやばいかもね、僕のその一言で室内は阿鼻叫喚となった。

 非常食!鉄分!などと叫びながらベッドの手すりを齧るゆっちー、人は食えるのかなどやばいことを言い始めるカキニー、蕎麦粉ならあるけどもと一人よくわからないことをいうしなのん、じゃあお前を飯にするという目で見てくる天明屋さん。面倒になってきた僕はゆっちーをしばいて大きな音を出し、みんなの意識を僕に集めた。


「なので、今日のテーマはご飯の確保です」


「とはいえ何するんじゃ?見当もつかんが」


「それについては僕に考えがあるんだよ」


 カキニーの質問に答えるように、僕は鞄からスコップ、ナイフ、釣竿を取り出した。


「ないなら取ってくればいいじゃない」


「なるほどわかった」


 そう言うや否や、天明屋さんはスコップとナイフを持って部屋から出ようとした。


「要は他の班のやつをボコって奪えばいいんだろ?」


「スラム街じゃないんだからやめようよ」


 僕が言いたいのは、自然の恵みを存分に享受しようってことだよと言うと、みんなは納得が行ったようだった。


「夏はきのこと野草、魚あたりがいいよね」


 きのこと野草は慣れが必要だから僕と僕に普段こき使われているゆっちーが引き受けるとして、残りをどうしよう。


「ほんならワシは釣りに行くわ」


 多少魚釣の心得があるらしいカキニーはそう言うと、釣竿と仕掛けセットをつかんで部屋から出て行った。


「じゃあ俺は残りの金で野菜か肉でも買うわ」


「私は荷物持ちとして信濃に着いていく」


 そう言うとしなのんと天明屋さんは残り少ない金の入った封筒を持って外へと出て行った。自然と役割分担が決まったようだ。


「じゃあゆっちー、僕らは野山を駆け巡るよ」


「おーん」


「気の抜ける返事だなあ」


 僕らはナイフとシャベルを持って部屋を出て、森へと向かうことにした。



復活したての私に評価、レビュー、感想等の起爆剤をどうか……

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